中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第5期 紬きもの塾’13開講

2013年04月26日 | 紬塾 '13~'14


お昼過ぎには雨も上がり、紬塾の新しいメンバー7名が櫻工房に集いました。
20代~3、4、5、60代?と幅広い年齢層で、布が好きな方、着物を着始めている方、着物は好きではなく、振袖も着なかったけれど後悔する気持ちもある方、着たいけれど自分で着付けができない方、織物に興味のある方など様々です。
でも今期も気持ちのよい方ばかりでホッとしています。

自己紹介のあとはまずは私の師である紬織り・絣織りの人間国宝宗廣力三先生の作品集(日本経済新聞社刊)からじっくりと見てもらいました。

先生が亡くなられて29年が経ちました。
一般の方は宗廣作品をご存知ない方も多いのですが、東京近代美術館、神奈川近美、岐阜県美、新潟市美などにも収蔵されていますし、来年は先生の生誕100年にあたり宗廣門下生の作品展も予定されています。
もちろん先生の作品も展示されますのでまだご覧になったことのない方は見ていただきたいと思います。
もっともっと知られて良い仕事だと思います。

作品集図版のアップを見ながら「この絣はこうやって織ってあるとか、色数は少なくても糸を一越し、ふた越しと地糸と混ぜながら陰影をつけている」など、説明をさせてもらいました。

難しい絣も研究生がみんな織ったものですが、鍛えさせてもらったお陰で36年経った今でも体が覚えていて、しばらく振りの絣でも織れるのですから、若い頃に鍛えておくことはとても大切なことですね。






産地の紬とも違う、自己表現だけの仕事でもなく、洗練された普遍的な美しさを持った紬だと思います。
シンプルなデザイン、色、でも奥行きがある。
また着た時にも帯や着た人が映えるように考えられていると思います。

先生とは同じものは作ってはいけない、独自な世界をと思って仕事してきましたが、根本的な大事な部分は受け継がせてもらったつもりです。

先生は着物の将来を30年前にも心配されていましたが、でもこんな時代こそ本物の仕事をしなさいとおっしゃられていました。

着物は人々の暮らしの中に生きてこそのものです。私も作り手として、使い手として及ばずながら本物の仕事を目指して力を尽くしていこうと思います。

お陰さまで紬塾も5期と続いてきました。
今期もよろしくお願い致します。


コメント

フジの花

2013年04月20日 | 自然環境・脱原発


今日は東京では2月下旬の寒さということです。
ガスストーブをつけています。

明日からの紬きもの塾の準備をしていますが、明日は雨模様のようです。
気をつけてお出かけください。

今日は他にもかたちの会の会誌『かたち』の夏号の校正、
6月1日からの可喜庵での「布の美展」のリーフレットタイプのDMの校正、
そして自分の織りの仕事の新作を急ぎ織ることなどにも追われています。
展覧会のお知らせはまた後日。

昨日近くのスーパーまで買い物に出ていつもと違う道から帰ってくる途中で、
「ノダナガフジ」と思われる品種のフジが植えられたお宅があり、風に棚びいていました。
思わず携帯のカメラに納めました。

薄暗くなっていて画像は色がいまいちですが、夕暮れの中、とても綺麗でした。
花房が細長いタイプです。

木々が次々と花をつける季節。
忙しい最中でもひと時の癒しとやすらぎを与えてくれる。
そして自然にも、木を育ててくれている方にも感謝の気持ちが湧いてきます。

コメント

帯の経糸

2013年04月11日 | 制作工程


これから帯の制作にかかります。上質の半巾帯と名古屋帯を二本続けて同じ経糸で織ります。

織物の美しさにはたくさんの色が入っていたり変化組織の複雑な織り方をしたり、そういうのもありますが、糸の風合いや微妙な色の違いの中に美しさを見出すというのもあると思います。

今回の経糸は柿で染めた糸が主で、ピンクベージュのようなたて糸です。

千切りに巻かれた経糸だけ見ても私はきれいだな~と感じ入っています。

赤城の節糸は蚕が吐き出した時のウェーブがふっくら残っていてあまりにきれいなので写真に納めました。

このウェーブが締め心地のよさにつながります。
また、節や毛羽があって経糸として扱いにくいものではありますが、この節や毛羽が緯糸としっかり組み合い地の目を強くします。
そして立体的に織り上げることができますので織りあがった布の色にも陰影、深みが生まれます。

この経糸を今回の紬塾染織コースに申し込まれた方のために少し残して、織実習をしていただきます。
毎回そうですが、風合いよく織りあがる秘密はこの糸の力のお陰なのです。

4月21日からの紬きもの塾'13へお申込みいただいた皆様お待ちしております。
コメント