中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

「紬の会ー『樹の滴』出版を記念して」のお知らせ②

2014年02月25日 | 作品集『樹の滴』
終了しました。ありがとうございました。

今週末に迫りましたきものギャラリー睦月さん主催の「中野みどり紬の会」のお知らせを改めてさせていただきます。
 
この展示は拙著『樹の滴――染め、織り、着る』の出版を記念して行われます。


染織家の作品集といえば作品のみを図版で並べるのが普通ですが、私は着てもらうことを考えて着物を創っていますので、作品をそのままで見せるだけではなく、着物を所有されている方の着姿や、帯、そのほかの小物の取り合わせで、どのような美しさ、表情を呈してくれるのかを着てくださるご本人をも含め見届けたいと思いました。その時こそが作品に命が吹き込まれるのだと考えています。

着物は独りよがりの創作物ではありません。高度な日本の取合せの美の世界があります。
取合せとは単に色や柄のみではなく、素材の異なるもの(たとえ同じ絹でも糸質や番手、撚糸、織り方など)、染や織りの技法の異なるもの、そして季節、場所、目的をも取り込んでトータルに考えられます。

それは難しくもありますが、他者との関係性によって、学びや発見を有し、自分自身を新しい世界、自由な世界、楽しみな世界へ誘ってもらえます。
そんなことの想像も読む方がかきたててもらえるような、作品集になればとの思いを込めて作りました。

着物は贅を尽くすもよし、たった一枚の着物でも質の良いものであれば継ぎを当ててとことん着尽くすもよし、その両方が成立する世界で、富める者は富めるなりに、貧しきは貧しきなりに自分を解き放ち、制約の中の自由を高めていけます。

着物に関心があっても、周りに手ほどきをしてくれる人もなく一歩を踏み出せないでいる方、着物にはあまり関心のない方にもお読みいただきたいです。
意外に着物を着ない男性の読者の方からも好評を頂きました。

『樹の滴』はネットでもご購入いただけます。アマゾンは現在品薄のようですが、楽天、その他の書店のオンラインストアもご利用下さい。
またお近くの図書館でリクエストしていただくことも可能です。よろしくお願いします。


一昨年の作品集の前売り販売直後に、仁平さんが書評をご自身のブログに書いてくださいました。
改めてご紹介します。私個人にとどまらず、創作全般に共有できる内容だと思います。
染と織りと表現方法も立場も違いますが、創作に関しての姿勢、ものの見方など、仁平さんと通底するものもあり、この書評にもよく表されていると思います。
こちらもコメント欄を含め是非お読みいただければと思います。

そして何より会場で実作を自然光の中で覧ください。
できれば明るい時間にご来場いただくことをお勧め致します。

ご来場をお待ちしております。
1日、2日は私も在廊しますので、新しい方との出会いを楽しみに伺います。^-^*





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現代の紬

2014年02月20日 | 制作工程


私の元で紬織りの修業中のものには、シンプルだけれど技量を磨くにふさわしいものを織ってもらっています。

画像は緯糸の色や番手の違う3色(柿染の細い白茶、やや濃い太目の白茶、桜染の細いグレー)を1本交互に織り進む此手縞です。
歌で言えばメゾソプラノ、アルト、テノールの3声のハーモニーといったところでしょうか。。。
作品集ではピンク系のものを紹介しています。
色の対比があるので糸のネップも目立ちやすく、いい景色になるよう余分なところ(ブツっとしたところ)は取り除きながら緯糸を管に巻き、織る時も景色をよく確認しながら織ります。

経糸も生糸だけで織ることはなく、節糸や紬糸を使っていますので機にかけてから薄糊をつけることもあります(糊が強いと打ち込みが入りにくくなりますのでその加減も大事ですが・・)。


こうして糸巻きに始まり、糸の形を見続けることになります。
今の時代の紬を織るなら最も大切なことです。
昔の労働着として着るなら節(ネップ)があっても無骨でも構わないと思うのですが、
今はお洒落着として着るのがほとんどですし、着やすさや堅牢さと同時に、洗練された滑らかさも求められます。

また1本交互で織る時には耳端の糸がきっちり絡み合うように次の杼を持ち替えなければなりません。
耳の形にも目を行き届かせなければなりません。ツレたり緩んだりしないようにします。
竹籠の縁を編むように。

いずれも一見単調な作業のようですが、とても難しいことです。
しかし、美しく、堅牢な(それでいて柔らかさも備えた)紬を織るために、目や身体の感覚を鍛え磨いていく最初の大事な過程と思います。

デザインの凝ったものや、変化織りはシンプルなものができてからでいいです。

裏地のない単衣で着ても、背縫いが割れたり、お尻や膝が抜けたりしないしっかりしたものを織れるように、染も織りも中途半端なものを作家ものとして世に出してはいけない、というその一心で日々厳しい指導をしています。
プロになるための最初の一歩です。

来週頭に織り上がり、伸子仕上げをする予定です。



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第6期「紬きもの塾‘14」の日程が決まりました

2014年02月15日 | 紬塾 '13~'14

記録的な大雪になりました。昨夜10時頃の2階のベランダの光景です。

さて、今年度、第6期「紬きもの塾‘14」の日程が決まりました。

受講を希望の方はこちらから「紬きもの塾」を開いて、日程などご確認の上、メール、またはお電話で、
末尾のかたち21からお申し込みください。
3月7日(金)から受付ます。

紬入門基礎コースと染織実習コースに分かれています。

紬入門基礎コースのみを選択することはできますが、新規の方が染織実習コースのみはできません。
基礎コースを終了された方は次年度以降に単独で染織コースのみを受講することもできます。

詳しい内容につきましては過去の『紬塾』ブログをご参照ください。
趣旨をご理解の上ご参加ください。

着物を始めてみたいと思っている方から、着物はたくさん着ているけれど、更に織物についても深く学びたい方まで、少人数で一緒に学びます。

おかげさまで、楽しく充実した会を重ねさせてもらいました。
今期も同様に良い会になるよう努めてまいります。
お申し込みをお待ちしております。


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中野みどり紬の会ーー作品集『樹の滴ー染め、織り、着る』出版を記念して

2014年02月11日 | 展示会




3月1日(土)から4日(火)まで名古屋市の岳見町ぎゃらりぃにて、きものギャラリー睦月さんの主催で私の個展を開催していただくことになりました。

素敵なDMもお作りいただきました。ありがとうございます。
写真は私の紬に仁平幸春さんの染帯を合わせてあります。

DMにも作品集『樹の滴ーー染め、織り、着る』の紹介もしていただいてますが、作品集の中からと最新作を出品いたします。

また、初日(1日)の午後2時から1時間ほどミニ紬塾を開きます。

原初的な紬の話と産地の紬、私の紬などについて簡単に説明します。
また紬糸について、草木の染について、織りの風合い、堅牢性についての話。
そして最後に、着物は着るもの。上記の話を踏まえて着物を羽織っていただき、感触や、身体にまとった時に現れてくる色合いや質感を実際に体感していただきたいと思います。

作品集でも、「創ることと使うこと(着ること)」は分けることではなく、
連動していることをお伝えしたかったのです。

大事な話をコンパクトにまとめますのでお聞き逃しのないように。

まだ紬を着たことのない方から、よくお召の方まで、どなたでもご参加ください。

お問い合わせご予約はきものギャラリー睦月さんまで。
下記メール、またはお電話で。
yokoyama#mutsuki-kimono.jp (#を@に変えて下さい)

出品点数は着物、帯合わせて約20点。  
小物としてはショール、袱紗、帯揚げ、作品集『樹の滴』。

私は1日、2日在廊しています。
ご来場をお待ちしています。




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都知事選を終えて

2014年02月10日 | 自然環境・脱原発
都知事選の結果は、宇都宮さん細川さんは1本化できず、予想通り票を二分しました。
ただ、二人の票を合わせると約194万票あるのですから、エネルギー問題を切実に考えている都民の声にも謙虚に耳を傾けてもらいたいです。

また自民党もおごらずに、原発ゼロを望む都民以外の声無き声にも想像力を働かせて欲しいと思います。
新知事は、私も若い頃から発言を聞いてきましたが、、、
これからは自然に対しても人に対しても謙虚に品格を持って仕事をしてもらいたいと思います。

自然と共にある、質の高い手仕事文化や着物文化を推進したい私にできることは、
これからも自然エネルギーの推進にも関心を寄せ、安心して着物を創り、安心して着物を着てもらえるよう、制作や織物指導、紬きもの塾を通して今後も努力をしていきます。

本当の豊かさは原発のある暮らしには成立しません。
福島の被災された人々を見れば明白です。
私の仕事と暮らし方は分離しません。

西洋の近代知的なやり方は行き詰っています。
日本の自然を上手に生かした共存、循環の発想を深めて欲しいです。
日本には自然という資源はあります。生かして欲しいです。

私は特定の支持政党を持ちませんが、社会において右も左もバランスを持っていてほしいです。それかが民主主義です。

しかし、あまりに低い投票率。高めていく方法をこうじて欲しいです。

さて、私は3月1日からの名古屋での個展に向け追い込み中です。
明日にでも詳細をお知らせします。

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自然エネルギーは安心のつながりを生む!

2014年02月08日 | 自然環境・脱原発


東京は大雪になっています。

今日は都心まで都知事選の細川護煕候補の街頭演説拍手で応援!に出かけたかったのですが、自宅からバス停まで行くのも困難な状況で断念します。

その代わりネット中継で応援します。
昨日までの様子はツイキャスで見ていましたがスゴイ盛り上がりでした。
特に昨日夕方の新橋の演説と聴衆に感動しました。町田も凄かったです。
 
細川さんの演説や対談を聴いていて、困難ではあるでしょうけれど、
自然エネルギーへ、東京から日本を世界を転換していかなければならない大事なチャンスですからなんとか当選して実現へむけて欲しいと思いました。

都政に国政問題の原発を持ち込むなというわけのわからない言い分も理解できません。
都民の生命と財産は、もう一度原発事故が起きれば守れないのですから。
命あっての物種です。

東京の直下型地震も来ると言われて久しいです。
私の父は地理学者でしたがとても心配をしていました。
首都防災の仕事も晩年まで引き受けていました。

地震そのものよりも2次災害が東京のような過密都市では大きいのです。
火災やビルの倒壊、地盤の液状化などももちろんですが、東海村や福島などの原発も影響を受ける可能性もあるでしょう。
原発問題こそ喫緊の課題です。

原子力ムラからの妨害もあると細川さんも言っておられますが、NHKを始めとするTV,ラジオ、新聞などのメディアも本当に東京や日本のこれからを考えているのだろうかと報道の仕方を疑いたくもなります。
なぜもっと原発問題を一応公共放送(?)と言われているNHKはゴールデンタイムに
国民の賛否を交えて議論を深めたり勉強する場、番組を設けなかったのか?
触れて欲しくないというのが本音なのでしょう。

細川さんがおっしゃるように自然エネルギーの開発、拡大でお金も動き雇用も増え経済も回っていくでしょう。
人々の気持ちもすっと風が抜けて、気が立ってくる。
暮らしや生きる方向性が見えてくると思います。

いまだに原発が安いと思っている人は勉強不足過ぎます。
原発は今までも、これからも、廃炉にするためにも膨大な予算が使われ、作業員の被爆も大変なことだと思います。
福島を福島の人々の苦しみを忘れてはいけない。

自然の理の中で私たちは最大限に知恵を絞り暮らしを慎ましくも地に足を付け生きていく。
これは理想論でも絵空事でもないです。

争ったり病に陥らない一番シンプルな安定した生き方です。
紬織りも焼き物も、本質的美しさはこの方法でしか作れないです。

一都民として、一染織家として脱原発を支持します。



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