「パティシエになりたーい!」ブログ。

元パティシエ・オペラのお菓子の話やらオタクっぽい話やらのごちゃ混ぜブログ。

「赤毛のアン」のいいセリフ・46話~47話

2015-11-04 23:30:43 | 赤毛のアン
第46話「マシュウの愛」より
ああ……クライマックスが近づいてくる……。そういう予感に震えるしかない回です…。
でもスタートから画面は大変に美しい。「赤毛のアン」はもう最初からずーっと背景美術が美しいですが、今回はこれでもか!!ってくらい見せてくれます。…本当に綺麗…。なんかこういう画集とか出てないのかな… って、あ、あった。
井岡雅宏画集―「赤毛のアン」や「ハイジ」のいた風景 (ジブリTHE ARTシリーズ)
クリエーター情報なし
徳間書店

今度図書館で借りて来よう…。
自分の部屋で目覚めたアンが、目覚めた直後に幸せそうに笑って、天井に映る、揺れる木の影を見るシーン、とてもいいです…。そんで首だけ動かして実際の窓(緑色のカーテンがかかってる)からまぶしそうな光が漏れているのを見て、まっすぐ前に向き直って、この一言。
「…ああ!良く寝たわ。こんなにのんびりできたのは何か月ぶりかしら。…レドモンドに立つまでの3ヶ月をこのアボンリーで過ごせるなんて、とても満ち足りた気分だわ…!」
いいセリフだなあ…。起きていきなりこれだもんね。本当に「満ち足りた気分」なんだなってすごいわかるし、やっぱり試験まではゆっくり眠れることなんてなかったんだろうなあという、アンの想像を絶する努力まで感じることができてすごいです。
久々の幸せな朝ごはん。マシュウが仕事に出かけるのを見送ってから、やはり少し顔色が悪そうだと心配そうに言うアン。マリラの話では、あのアンが突然帰って来た雪の日の後もひどい発作を起こしたらしい…。でもマシュウは休んでくれない。ただ、今は働き者の雇い人のマーチンが頑張ってくれてるから、マシュウの負担もずいぶん減ったって。アンもものすごい成績を収めてこうして帰ってきたし、大きな心配事はなくなったんだって…。
そこへ、慌てた様子でリンドさんが駆け込んでくる。朝からどうしたのかマリラが聞くと、アベイ銀行がいよいよ本当に危ないらしいという情報をゲットして、マシュウに知らせに来てくれたらしい(いい人だなあ…)。
色々な噂が飛び交っていて、銀行にはもう預金を下ろそうとする人が殺到しているらしい。お父さんが付き合いのあったアベイさんを信じたい気持ちはわかるけど、と言いながら頑張って説得するリンドさん(ほんと…いい人だなあ…)。最初はそれでも大丈夫だ、という感じだったマシュウも、大口の債権者である知り合いの人に会って事実確認をすることに決めるマシュウ。それでいざ会ってみると、その人はそれはただの噂だと笑い飛ばしたので、マシュウも安心して帰ってくる…。…うん、多分この人はマシュウに嘘は言ってない…。本当に大丈夫って、信じてたんだろう……。
そしてその結果を聞いて一応、安心したアンは、当初の予定通り「思い出の場所」を一人で巡ることにする。相変わらず美しいそれぞれの場所(お花がすごいわあ…きれい…)。…でも、アンの顔はなんとなく晴れない。やっぱり銀行の件が心配なのかなと思ってたんだけど、アンが牧師館に寄ってアラン夫人と話す中で、理由がわかる…。
帰って来てみて気づいた。マリラとマシュウは本当に年老いた。二人とも体に不安な所を抱えてるのに、今度は自分は4年間も二人をほっておくことになる…。本当は、家にいて二人の手助けをした方がいいんじゃないかって…。
でもアラン夫人が指摘し、アンも素直に認める通り、だからといって奨学金を手放そうとかそういう決意をしてるわけではない。本当は、もっと自分の目指す道を究めたい。だからこそ、辛い…。
「じゃあ、辛いままレドモンドカレッジに行くしかないんじゃないかしら。」
ここでアンが大学を諦めて、マリラとマシュウの手助けをすると決めれば、それなりに二人は楽になるし嬉しいかもしれない。でもアンの夢や希望を自分で諦めたということが、一生悔いを残すのは確実…。
「人間は苦しいからといって、悩みを切り捨てるわけにはいかないのよ?それが人間の良心というものなの。」
ここ、すごいハッとした…!普通にアラン夫人の言葉を真剣に聞いてた…!
どういう道を選んでも、悩みからは逃れられない。であれば悩みながらも、二人への感謝を忘れずに大学へ進んで自分の勉学に励むのがアンにとっては一番いいんじゃないか、って…。なるほどなあ…。そういう悩みをアンが持ってることが嬉しいって…。
「人生というものは割り切れなくていいのよ、アン。…いいえ、割り切れてしまってはならないの。…もちろん、あなたもここへ来て、悩みがきれいさっぱり解決するとは思わなかったでしょうけど…わかってもらえたかしら?」
まずこの優しい語り口がいいんだよねえ…。アンも少し笑顔になって帰っていく…。
帰り道、マシュウを見つけて駆け寄っていくアン。…さあ、ここからです。今回のサブタイトルはきっとここからのシーンのためにあります。超有名なシーンだろうけど…。
今日もこんな夕方までかっちり働いていたらしいマシュウ。アンが体のためにももっと休まないとって言うんだけど、「のんびりやる」ということができないらしい。いつも忘れちゃうんだって…(マリラも言ってたね…)。
「…もしあたしがマシュウの欲しがっていた男の子だったら、今頃は大いに役立って、色んな面で楽をさせてあげられたのにね…。それを思うと、男の子だったらよかったのにって、どうしても思っちゃうの…。」
「…そうさのう。わしはなあアン、1ダースの男の子より、お前にいてもらう方がいいよ。…いいかい、1ダースの男の子よりもだよ?…そうさのう、エイブリー奨学金を獲ったのは男の子じゃなかったろ?女の子さ。…わしの女の子だよ。わしの自慢の女の子じゃないか。」
「マシュウ…!」
「アンはわしの娘じゃ。」
言い終わって歩いて行くマシュウを追いかけるアンが、後ろから腕を組んで……二人が寄り添うように笑顔で歩いて行くんだよね…。その先にはマリラが待ってて…。いい、シーンだなああ…;;
そして今日も素敵です、ナレーションさん!
「この夜の、平和な美しさ、香りに満ちた穏やかさは、アンの後々の思い出になった。…それは、アンの人生に悲しみが降りかかる前の、最後の夜だったから…。」
な、ナレーションさん……!!

第47話「死と呼ばれる刈り入れ人」より
どんなに心の準備をしていても号泣は避けられない回。そしてその瞬間は…驚くほど急に訪れます。
天気のいい、平和な一日。マシュウもマリラもそしてアンも、それぞれが張り切って仕事をしてます。アンが窓辺のお花を替えようと、庭のスイセンを詰んで家に戻ると、マリラの声が聴こえて……慌ててアンが駆けつけたその目の前で、マシュウが胸をおさえたまま、ゆっくりとドアのところで倒れてしまう…。雇い人のマーチンとマリラがマシュウをソファに運び、マリラは必死にマシュウに呼びかけ、心臓マッサージを施すけれど、マシュウは目を開けない…。
すぐにマーチンに事情を聴いたリンドさんがやって来る。マリラと場所を代わり、顔を見て、脈を診て、心臓に耳を当てて…
やがて、辛そうな顔で顔を上げるリンドさん。その両目からは、涙が…。
「レイチェル…。」
「ああ、マリラ。どうにも、しょうがないようだ…。」

目を大きく見開くマリラ。必死にマシュウの体を揺すり、名前を呼ぶ…。
「まさか、まさかマシュウが…」
「そうなんだよ、アン。たぶん間違いないよ。マシュウの顔を見てごらん。あたしみたいに度々ああいう表情を見た者にはわかるんだよ…。」
(ちなみにリンドさんは、ご自分のお子さんも2人亡くしているそうです。育てたのは10人)
マシュウの体にすがるようにして、号泣するマリラ。アンは…固まったまま…。
マーチンが呼んできたお医者さんは、マシュウがほとんど苦しまずに逝ったのだろうという判断だった。何かとてつもないショックを受けたせいだって…。お医者さんが帰った後、床に落ちた新聞に気づくリンドさん。そこには…、あのアベイ銀行が倒産した、というニュースがあった。きっとこれを見たせいでマシュウは…。
リンドさんが泣きながら、だから忠告したのにって言うんだけど、それをやや強い口調で止めるアン。リンドさんもすぐにはっとして、マリラに謝る。今更言っても仕方ないこと…だよね…。でもマリラは無反応。
呆然とマシュウを囲んだままの4人の中で、最初に冷静さを取り戻したのは…やはり、リンドさんだった。ほんとここから、すごい…。人生経験の差が、あと何よりも気丈で冷静な対応っぷりが……。
マリラはもう泣いてはいないけれど、強いショックを受けていて、リンドさんの言葉は耳に届かないようだった。なのでリンドさんは部屋の外にアンとマーチンを呼んで指示を出す。
「…今はマリラをそっとしておくしかないから、あんた達にしっかりしてもらわなきゃならないよ。」
アンは涙を流さないものの、十分ショックを受けてるということはわかりつつ、でも今はしっかりしなさいって感じで優しく、でもてきぱき指示を出すリンドさんがすごいです…。アボンリー中から弔問客が訪れ、棺が届き、静かにざわついているグリーンゲイブルズの中で、常に周りを見て、時には嘆くマリラを慰めて…。
夜。アンの部屋に訪れて、今夜は泊まっていこうかと提案するダイアナ。
「ありがとう、ダイアナ…。あたしが一人でいたいと言っても、誤解しないでくれるわねダイアナ…?…怖くはないの。」
「アン…。」
「今度の事があってから、一度も一人っきりになったことがないの。だからそうしたいの。……黙ってじっと静かに納得がいくまで考えてみたい。私にはどうしてもよく飲み込めないの。マシュウが死ぬなんてことはありえないって気がするかと思うと、…それはもうずっと昔のことで、それ以来こんななんとも言いようのない鈍い痛みに悩まされてきたように、思えたりするの。…ごめんね、ダイアナ…。」
ナレーションさんによると、ダイアナはこのセリフ、よくわからなかったようです。…なんだかひどい気もするけど、まあ、…わかんないわな。うちもよくわからない。
加えてダイアナには、今のアンの状態もよくわからないものだった。マリラはいつもの冷静で感情をあんまり表に出さなかったのが嘘のように、人前でも号泣してる。でもアンは泣いていない。泣いていないだけで、苦しんでるってことはすごくわかるんだけど……。
「しかし、優しいダイアナは、何も言わずそのまま立ち去った。……アンが、悲しみの第一夜を、一人で過ごせるように…。」
ナレーションさん;; ダイアナもここ辛いだろうなあ…。一番の親友の力になれないんだものね…。
…アンが一人になってからしゃべらないので、ナレーションさん引き続き大活躍です。
「前の日の夕方、アンと一緒に歩いたマシュウは、今や厳として侵しがたい安らぎの色を額に浮かべながら、下のほの暗い部屋に横たわっているのだ。……しかし、涙は出てこなかった。涙の代わりに、あの、前と同じ何とも言いようのない鈍い痛みのような切なさがこみ上げてきて、アンを、苛み続けた。」
アンは窓辺でいつしか眠ってしまって、短い夢を見た。…夢というか…断片的な、マシュウのイメージ。そして、あの昨日のセリフが聴こえてくる。「1ダースの男の子よりも」……。
「アンはわしの娘じゃ。」
そう言って、昨日と同じように行ってしまうマシュウ。アンが名前を呼ぶと、笑顔で振りむくけど、また、闇の中へと進んでいってしまう…。
それから、大声でマシュウの名前を呼びながら、号泣するアン。……ううっ、見てるだけで辛い;;
その声は、マシュウの横に座っていた1階のマリラにも聴こえた。2階に上がって、泣き続けているアンをなぐさめるマリラ。
(ここから、何度見ても普通に泣いちゃうので、書くの大変でした…ほんとに…)
「ああ、マリラ…!思う存分泣かせて…。泣く方があの痛みほど辛くないの…!……マリラ、しばらくの間あたしのところにいて。あたしを抱いてて…そんな風に…。」
マリラの膝の上で泣き続けるアン。
「…ダイアナにそばにいてもらうわけにはいかなかったの。あの子はとても親切で優しいけど、今度のことはあの子の悲しみじゃないでしょう?あたしの心の中まで入りこんでなぐさめてくれることはできないわ…。これはあたし達の、マリラとあたしの悲しみなんですものね…。ああ、マリラ…!マシュウがいなくなってこれからどうすればいいの…?」
「二人で力を合わせていくことだよ、アン。…あんたがいなければ、もしうちへ来ていなければ、あたしはどうしたらいいかわからなかったろうよ。」
「マリラ…。マリラ……!」
「ああ、アン…。これまで、あんたには少しきつくあたりすぎたこともあったかもしれないけど、だからといって、マシュウほどあんたをかわいがっていなかったなんて思わないでおくれ。」
このマリラの言葉に何度も首を振り、また涙を流してマリラに抱きついて泣くアン。
「…あたしはね、こんな時でもない限り思った通りの事を口に出して言えないんだよ。今ならそれができると思うから言うけど、あんたはね、…あんたのことは自分の腹を痛めた子のように愛しいと思ってるんだよ。」
「マリラ…。」
「グリーンゲイブルズに来てからというもの、…あんただけがあたしの喜びでありなぐさめだった…。」
「マリラ…!」
「アン…。」
抱き合って、涙を流し続ける二人……。いやあ、ここ、ほんとすごいですよ…。アンの声優さんはこのシーン、ずっと泣きっぱなしの演技し続けてるし、マリラの声優さんも、前半は割と冷静にしゃべってるんだけど、最後の方の涙で震えるセリフとかすごい…。こんなシーンでなければ「マリラのデレ、キタコレ!!」ってなるんでしょうけど(一瞬で台無しにすんな…)、見てたらそんな風に言えないです…。ほんと、何度見ても、一緒に泣いちゃう…。
ってかこの回、特にこの部分でしょうけど、声優の皆さんが泣いちゃって泣いちゃって収録が中断しまくりだったそうです…。そういうエピソードがあるのも納得です、このシーン見ると。

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