私は秋日和を迎える朝、ときおり小学生の時の運動会を想いだすと、
微苦笑したりしている・・。
昭和26年の春に小学校を入学したが、
この頃は祖父、父が健在で、
ある程度手広く田畑を耕して、農業をしていた。
私は長兄、次兄に続いて生を受けた男の子で三男坊の身であり、
跡継ぎ候補が2人であったので、今度は女の子と期待されていたらしく、
また男の子、と云う視線を乳児の頃から何となく感じたりしていた。
幼児の頃から屈折したいじけたような思い過ごし、
兄2人が通っていた小学校に入学した。
長兄は原則として跡継ぎの身であったので、祖父と父たちは家庭教師を付けて、
長兄はそれなりに答えて、XX小学校60年開校で初めて国立の中学校に入学できた、
と村中の評判となっていた。
次兄は活発で運動神経にも優れ、クラスの人気者であったので、
何かと私はあいつの弟、
という視線を先生、同クラスの人々から見られた。
そして兄達は通信簿を頂く際、『5』と『4』の優れた成績で、
私は同じ小学校でも『3』と『2』で占められいた。
ともかくいじけ屈折した可愛げのない子で、
日陰のような子であった。
こうした状況で、小学校一年の秋、
初めて運動会で50メートル競争に出場した・・。
6人で同時に走ったが、そのうちに頑張れば、
と思っているうちにゴールに着いた。
結果は、後ろから2人目の5位だった・・。
この頃は、走り終えると、1位の旗から6位まで並列されていたので、
私は『5』の旗の後に並ばされた。
何故かしら、私は小学校を卒業するまで、
6人で走るといつも5位が続き、勉強の成績と同様に劣等生であった。
私が長兄、次兄の全(まった)く影響のない私立の都心の高校に入学してから、
心が解放されてか勉強に目覚めて、
体育の授業で長距離の5キロ競争はいつか追いつけると走りながら思い、
上位グループに属した。
私の古いアルバムの中で、一番古い写真の一葉は、
初めての小学校の運動会で、昼食をしている時の情景が写しだされている。
父親の横に秋の陽射しを眩(まぶ)しそうにしている私、
母に抱かれている乳児の妹との4人である。
父親と私が撮れた写真はこの一葉だけで、
私が2年生の3学期を終える頃、父は42歳の厄年に死去された。
私は今でも短距離は弱いのである。
そのうち追いついて抜いてあげるから、
と走りながら思っているうちに、ゴールになってしまうから、苦手である。
その点、長距離は頑張れる時間と機会があるから、
得意であるが、今では走れない。
秋日和のひととき、庭先で煙草を喫ったりして、ときおり幼児の頃を想いだされると、
何故かしら目頭が熱くなったりする時もある。
微苦笑したりしている・・。
昭和26年の春に小学校を入学したが、
この頃は祖父、父が健在で、
ある程度手広く田畑を耕して、農業をしていた。
私は長兄、次兄に続いて生を受けた男の子で三男坊の身であり、
跡継ぎ候補が2人であったので、今度は女の子と期待されていたらしく、
また男の子、と云う視線を乳児の頃から何となく感じたりしていた。
幼児の頃から屈折したいじけたような思い過ごし、
兄2人が通っていた小学校に入学した。
長兄は原則として跡継ぎの身であったので、祖父と父たちは家庭教師を付けて、
長兄はそれなりに答えて、XX小学校60年開校で初めて国立の中学校に入学できた、
と村中の評判となっていた。
次兄は活発で運動神経にも優れ、クラスの人気者であったので、
何かと私はあいつの弟、
という視線を先生、同クラスの人々から見られた。
そして兄達は通信簿を頂く際、『5』と『4』の優れた成績で、
私は同じ小学校でも『3』と『2』で占められいた。
ともかくいじけ屈折した可愛げのない子で、
日陰のような子であった。
こうした状況で、小学校一年の秋、
初めて運動会で50メートル競争に出場した・・。
6人で同時に走ったが、そのうちに頑張れば、
と思っているうちにゴールに着いた。
結果は、後ろから2人目の5位だった・・。
この頃は、走り終えると、1位の旗から6位まで並列されていたので、
私は『5』の旗の後に並ばされた。
何故かしら、私は小学校を卒業するまで、
6人で走るといつも5位が続き、勉強の成績と同様に劣等生であった。
私が長兄、次兄の全(まった)く影響のない私立の都心の高校に入学してから、
心が解放されてか勉強に目覚めて、
体育の授業で長距離の5キロ競争はいつか追いつけると走りながら思い、
上位グループに属した。
私の古いアルバムの中で、一番古い写真の一葉は、
初めての小学校の運動会で、昼食をしている時の情景が写しだされている。
父親の横に秋の陽射しを眩(まぶ)しそうにしている私、
母に抱かれている乳児の妹との4人である。
父親と私が撮れた写真はこの一葉だけで、
私が2年生の3学期を終える頃、父は42歳の厄年に死去された。
私は今でも短距離は弱いのである。
そのうち追いついて抜いてあげるから、
と走りながら思っているうちに、ゴールになってしまうから、苦手である。
その点、長距離は頑張れる時間と機会があるから、
得意であるが、今では走れない。
秋日和のひととき、庭先で煙草を喫ったりして、ときおり幼児の頃を想いだされると、
何故かしら目頭が熱くなったりする時もある。