現状のままでいくと、介護する側のマンパワーが足りないことは、周知されています。

そのため、国を挙げて認知症予防、介護予防、介護サービスの充実や
介護ボランティアの育成に注力しています。

「本人は、自宅で暮らしたい」、
「介護をしている家族を施設に入所させたいけど、お金がかかる」と思っている方もいるでしょう。

そこで今回は、近くにあったらまず検討してほしい、
小規模多機能型居宅介護事業所について紹介します。

☆小規模多機能型居宅介護事業所とは

小規模多機能型居宅介護事業所は2006年に登場した、比較的新しい介護サービスです。

国の基準に基づき要支援者や要介護者となった高齢者で、
在宅での生活が継続できるように支援する施設です。

利用料金は定額制です。

デイサービス(通い)やホームヘルプ(訪問介護)やショートステイ(泊まり)を組み合わせ、
自宅での生活の支援や機能訓練といったサービスを一体的に提供してくれます。                          

自宅で介護をしている家族が、急用で施設に預けたいというときも
柔軟に24時間365日対応
してくれる施設です。


☆介護度に応じて定額で何度でも利用が可能

デイサービスやショートステイ、ホームヘルパーのサービスを単体で、
利用の場合には、それぞれに費用がかかりますが、
小規模多機能型居宅介護事業所の場合には、月額定額で利用できます。

ただし、食費、宿泊費、日常生活費は、別料金です。

要支援1~要介護5までの方が、定額で何度でも利用できます。

例えば、月1回通いを利用しても、30回利用しても同じ料金なのです。

小規模多機能型居宅介護の定額費用は、介護度によって異なります。

負担は1割~3割で、利用者の所得に応じて変わっていきます。

目安は下の図を参照してください。

小規模多機能型居宅介護の利用料金表

☆「通い」「泊り」「訪問」と一体のサービスが受けられる

1つの事業者と契約するだけで「通い(デイサービス)」を中心として、
要介護者の様態や希望に応じて、「訪問(訪問介護)」や「泊まり(ショートステイ)」のサービスを、
組み合わせて利用できます。

顔なじみのスタッフがおり、通い慣れてる施設に泊まり、環境の変化がありません。

そのため、ショートステイで慣れていない施設に泊まるより、
ストレスが、かかりにくくなります。

 

☆急に利用したいときに利用できる

家族が、急に仕事などの用事ができて、介護ができないという場合など、
必要な状況に合わせて介護サービスの利用が可能です。

例えば、

・ 本人をこの時間まで、預かってほしい時は「通い」

・ 留守にするので、自宅に来て様子を見てほしいという時は「訪問」

・ 遠方に行くので、連れてくのは大変というときは「宿泊」

というように、柔軟な対応が可能になります。

☆家族にも本人にもメリット大

利用する本人は、自宅で暮らすことはもちろん、
定額なので、利用料金の心配もなくなり、家族の介護負担の軽減や仕事も継続できます。

介護認定されないとサービス利用ができないので、
介護認定がまだの場合は、介護認定申請をしましょう。

それぞれの介護サービスを別々の事業所で利用するよりも、
一貫したサポートが可能になりますので、
1番本人にとってもメリットが大きいといえます。

お近くに小規模多機能型居宅介護事業所がある場合には、
ぜひ選択肢の1つにおすすめします。
(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)・・ 》