夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

ある『介護施設の思わぬ真実』、76歳の私は多々教示されながら、微苦笑と悲嘆と涙・・。

2020-10-17 14:28:55 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市に住む年金生活の76歳の身であるが、
先程、ときおり愛読している公式サイトの【 幻冬舎ゴールドオンライン 】を見たりしていた。

こうした中で、『 認知症の父が入所してわかった、「介護施設の思わぬ真実」  』
と見出しを見たりした。

私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、たった2人だけ家庭であり、
そして私より5歳若い家内と共に、古ぼけた一軒屋に住み、ささやかに過ごしている。

こうした中、過ぎし35年近くのサラリーマン航路は、何かと悪戦苦闘が多かった為か、
17年近く過ごしてきた年金生活は、予測した以上に安楽な生活を享受している。

こうした中で、私たち夫婦にとって難題は、

やはり晩秋期の不安は、いつの日にか、介護・要となり、
介護施設にお世話になる時と思われる。


                    

こうした中、要介護認定されている場合は、
特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)などの介護施設のほか、
有料老人ホーム、 介護型のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などを学んだりしてきた。              

そして私たち夫婦は、いつの日にか『要支援』までであったら、何とか自宅で過ごせると思われるが、
やはり『要介護』になってしまったら、やむなく介護施設に入居すると思案したりしてきた。

しかしながら私たち夫婦は、介護施設を見学など具体的に施設の実態を学んだこともなく、

今回の《・・「介護施設の思わぬ真実」 ・》って、
どのような事態のことですか、と思いながら記事を精読してしまった・・。




この記事は、多くの中高年が直面する「親の介護」問題。

老人ホームへの入居に抵抗を持つ人も多く、
「親の面倒は、子どもが見るべき」と親族一同考えがちだ。

しかし、フリーライターの吉田潮氏は、
著書『親の介護をしないとダメですか?』(KKベストセラーズ)にて、
「私は在宅介護をしません。一切いたしません」と断言する。

親孝行か、自己犠牲か。
本連載では、吉田氏の介護録を追い、親の介護とどう向き合っていくべきか、語っていく。

連載は、『親の介護をしないとダメですか?~父と私の介護録』と題され、
今回は【第13回】の『 認知症の父が入所してわかった、「介護施設の思わぬ真実」  』である。

そして2020年2月8日に配信され、無断ながら記事を連載させて頂く。

  
  
《・・           
滅多に来ない家族が施設に文句を言う必要があるのか?

入所後の壁① 入居者との相性
 
特養(補・特別養護老人ホーム)に入所できる条件は、『要介護3』以上だ。

父は、『要介護4』で、
「排泄や入浴などの日常生活全般に、全面的な介助が必要」。

唯一、食事だけは介助不要。
箸を使えるし、出された食事はいつも完食。

食事は、施設内で作られるので、できたてホカホカだ。
自宅から持参した陶漆器を使えるし、悲惨なムショメシではない。
毎日おやつもついている。
 
ただし、空間認識能力が低いため、とにかく服や床に食べこぼす。
食堂の床は、父が座る席の下だけ、食べ物がこびりついている。
母も私も、行ったら必ず拭くようにしている。

 

入所して、すぐに転倒も経験。
尻餅程度でケガもなかったが、
私たちが知らないところで、頻繁に転んでいるようだ。

しかも結構豪快に。
「(父は)体が大きいから、転ぶと怖いのよね、巻き込まれそうで」
 と入居女性から言われたこともある。

彼女は、身体的な介助は必要だが、認知症はない。
テレビを観て政治談義ができるくらい聡明で、毎朝新聞も読んでいる。

父にも、時折話しかけてくれている。
私も母も、おそらく父も、彼女のことは好きだ。

 

その一方で、大変な人もいる。
認知症で徘徊が激しい人だ。

ずっと歩き回るだけでなく、人の部屋に侵入して物を持ち出したり、失禁や脱糞をしてしまう。
汚れた手で触りながら歩き回るため、入居者からは大顰蹙(ひんしゅく)。

その蛮行にストレスをためる人もいて、
時折職員や、その人の家族に、不満がぶつけられる場面にも遭遇した。
 
その人は、父の部屋にも頻繁に来訪。
ハサミや電気シェーバーが紛失したことも。
返ってきたから問題ない。

が、「夜中に誰かが入ってきて眠れないんだよ」と、
父もぼやいていた。




ものすごく些細なことかもしれないが、
入居者同士のトラブルは、想定外だった。

背景が異なる人の共同生活だから、諍(いさか)いも当然起こる。
 
心の中では映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』と思うようにした。
毒舌のアライグマもいれば、怒ると怖い木もいる。

烏合の衆といったら失礼だが、十人十色。
病気も老化も個性と受けとめるしかない。
 


また、忘れちゃいけないことがひとつ。
父が不快だろうなと、心配しすぎるのもよろしくない。

実は、案外、視界に入っていなかったりもするからだ。
ユニットには10名の入居者がいるが、
父が把握しているのはほんの数人。

つまり、ストレスになる以前に認識していない可能性もおおいにある。
 
施設の対応に文句をつける家族も多く、トラブルの原因になると聞く。
でも、当の本人は、認知症でそんなに理解していなかったりもする。

24時間365日いる入居者がさほど気にしていないのに、
たまにしか来ない家族が、神経質になって
イチャモンつけるケースもあるのではないか。

 

介護施設の職員が、入居者を虐待したり、金を盗んだりといった事件は、
大々的に報道されることが多い。

逆に、職員が入居者の暴力で、大怪我をしたり、
精神的なダメージを負わされている事実は、
報道されにくい。というか、されない。
 
施設に通ってみて、思うことがある。
多くの施設はきっちりしている。
スタッフも身を粉にして働いている。

ごく少数の悪徳介護業者やクレーマーに近い家族がいると、
事件として取り上げられて、大声で拡散されてしまう。
印象操作の恐ろしさ、である。

父はいいケアマネに恵まれて、いい施設に入ることができた。
まずはその幸運を噛(か)みしめるべきだ。
 



★母、「お父さんがかわいそう病」を再度発症

入所後の悩み② 母の罪悪感、再び
 
入所して1か月。多床室のほうも続々と埋まり、施設内は一気に人口が増えた。
呼吸する管を通しているため、びっくりするほど大きな濁音を発し続ける人もいれば、
徘徊して施設内パトロールしている人もいる。

玄関は、中から外へ容易に出られない仕組みなのだが、
業者が開けた隙を見て、外へ脱走する人もいれば、
大声で家族に対する愚痴を言いまくって過ごす人もいる。
 
そんな折、母のあの病が再発した。
「お父さんが、かわいそう病」である。

 

父は『要介護4』といっても、他の入居者に比べれば軽症に見える。

特養(補・特別養護老人ホーム)には、かなり要介護度が進んだ入居者も多いので、
比べてしまうと、父が健康で問題がない普通の人に見えるのだろう。
 
「家に帰りたい」、「こんなところに閉じ込められた俺の気持ちがわかるか?」
父は母に対してのみ、感情剥きだしになって愚痴をこぼすので、
母の中で再び罪悪感が鎌首をもたげてきたのだ。
 
母は、ほぼ毎日電話をかけてきて、
「死を待つだけの施設なんて、お父さんにはまだ早いんじゃないかしら。
ショートステイとデイサービスをうまく組み合わせれば、
自宅でも大丈夫だと思うの」と話す。

いやいやあの「戦慄のインフルエンザ家庭内感染」や
「地獄の16日間戦争」をもう忘れちゃったの? 
母も認知症が始まったかと思うほど、しつこい。
 
おまけに、施設のケアマネージャーにも、相談したいと言う。
多忙な人を捕まえて、無意味な相談をしようなんざ愚の骨頂。
気分は『サンデーモーニング』(TBS)の御意見番・張本勲(はりもといさお)の「喝(かつ)!」だ。



 
「今のまあちゃん(補・父親)は、約3割がまともだけど、
残りの7割は認知症患者なんだよ。

認知症は今後どんどん進んで、
まともなまあちゃん(補・父親)の割合は減るんだよ?」

しかし、感情的になっている母には、まったく響かず。
翌日、ケアマネさんに、わざわざ時間をもらうことになった。


 
ケアマネさんは、穏やかな口調で説得してくれた。
『要介護4』で在宅介護は、現実的にかなり厳しいです。

ご家族にお伝えしていませんでしたが、夜中に排泄の失敗も多いです。
今、特養を退所してしまうと、その後、何年も入所できなくなると思いますよ」
すると、驚くほどあっけなく納得する母。

私も同様の話をさんざんしたというのに! 舌打ち百万回である。
 
母のような昭和初期生まれの世代の人は、
医者だの弁護士だの教員だの、国家資格取得者になぜか弱い。
センセイと呼ばれる人には、敬意を払うのが当然と思っている。
また、プロフェッショナル、専門職の人のひと言にもすぐなびく。

 
ま、ケアマネさんのおかげで、母の病はすんなりというか、
あっけなく収まったのだから、感謝の気持ちしかない。

ケアマネさんも、母の発作を理解してくれているようで、
いやな顔ひとつせず協力してくれた。
ホント、ありがとうございます。・・》
 
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。




フリーライターの吉田 潮さん「介護施設の思わぬ真実」に
導かれて、
多々介護施設の実態を教示されたりした。

こうした中で、特養(補・特別養護老人ホーム)の入居されている御方の
人生の晩年期の十人十色のしぐさ、言動を学び、微苦笑を重ねたりした・・。


しかしながら悲嘆を重ねたりしたのは、
《・・認知症で徘徊が激しい人だ。

ずっと歩き回るだけでなく、人の部屋に侵入して物を持ち出したり、失禁や脱糞をしてしまう。
汚れた手で触りながら歩き回るため、入居者からは大顰蹙(ひんしゅく)。

その蛮行にストレスをためる人もいて、
時折職員や、その人の家族に、不満がぶつけられる場面にも遭遇した。・・》




こうしたことに悲嘆しながら読み、
やがて私は晩年期は、こうしたことだけは避けたいと念願しているが、
認知症に遭遇して、自身の言動が判らなくなった時、どのようにふるまうか・・
このようなことを思い馳せると、涙を浮かべたりした。
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