夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

映画好き鎌田實医師が選ぶ「大好きな音楽映画」ベスト10、高齢者の私は学び、やがて私のベスト10は・・。

2020-08-31 14:37:10 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市に住む年金生活のまもなく76歳の身であるが、
先程、ときおり愛読している公式サイトの【 NEWSポストセブン 】を見たりしていると、
映画好き鎌田實医師が選ぶ「大好きな音楽映画」ベスト10、

と題された見出しを見たりした・・。

私は
諏訪中央病院名誉院長の鎌田 實(かまた・みのる)さんにに関して、
お逢いしたことはないが、テレビで視聴したり書物を読んだりして、
 敬愛を深めている御方となっているが、
今回、鎌田 實さんが映画好きと知ったりした。



私は東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)の秋、
映画の脚本家になりたくて、大学を中退して、
映画青年の真似事をした時代もあったりした・・。

このような関係で、鎌田 實さんは映画のどのような作品が好感されているか、
ほぼ同世代の私は、知的好奇心に負けて、記事を精読してしまった・・。

この記事は、『週刊ポスト2020年8月28日号に掲載された記事のひとつであり、
関連の公式サイトの【 NEWSポストセブン 】に8月21日に配信され、

無断であるが記事の大半を転載させて頂く。 


《・・新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、
行動自粛が呼びかけられてからかなりの期間が経った。

2019年より前とは違う生活を心がけるにあたり、疲れてきた人も目立つなか、
諏訪中央病院名誉院長で長野県茅野市在住の鎌田實医師が、
コロナ疲れを吹き飛ばす映画鑑賞法について紹介する。

 

3月からの5か月間、自宅のある茅野を出たのはたった2回。
取材や仕事の打ち合わせは、オンライン、
テレビやラジオの出演もオンラインで、難なく行なっている。

毎週のように講演会などで全国をまわっていた“旅暮らし”が、
もう大昔のことのようだ。

浮いた時間、古い映画を見始めたら止まらなくなった。
まず『モロッコ』。

久しぶりに見たが、何度見てもすばらしい。
90年前にこんな映画が作られていたなんて、信じられない。

監督はジョセフ・フォン・スタンバーグ。
外人部隊の基地があるモガドールという町に、傭兵としてゲイリー・クーパーがやってくる。

マレーネ・デートリッヒが演じるのは、食い詰めた歌姫。
シルクハットのシルエットで登場するシーンは、実に美しい。

恋に落ちた2人だが、クーパーは鏡に口紅で グッドラックと書いて、
砂漠の戦場へと去っていく。

デートリッヒは、婚約を決めたお金持ちに別れのキスをして、
砂漠に向かって歩き出す。

勇壮な鼓笛隊に送られた兵士のあとを追って、
ハイヒールを脱ぎ、灼熱の砂漠を素足で歩き始めるエンディングは実に見事だ。

デートリッヒはこの映画の後、大女優になっていく。
アガサ・クリスティの『検察側の証人』を原作にした、ビリー・ワイルダー監督の『情婦』では、
タイロン・パワーを相手役に、妖艶な美しさを見せつけている。



ゲイリー・クーパーの作品も追っかけてみた。
彼がアカデミー主演男優賞を取ったのが『真昼の決闘』。

西部劇のぼくのおすすめは、この作品か『荒野の決闘』。
ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダ主演の『荒野の決闘』は、
女性が見ても楽しめるのではないか。

この映画が作られたのは、ぼくが生まれた年の2年前の1946年。
 大学生になってから、文芸座の3本立てで観たような記憶がある。

小説にも飛んでみた。
映画『モロッコ』と同じ、モガドールを舞台にした小説『空気の名前』(アルベルト・ルイ=サンチェス著、白水社)という小説を、
数年前、アフリカを旅行しながら読んだ。

女性へと脱皮していく少女を、メキシコ出身の作家が美しい文体で描写している。



映画館に少しずつ人が戻りつつあるなかで、
『海の上のピアニスト』が約20年ぶりに4Kデジタル修復版と、
当初イタリアで公開された170分版で、8月21日からロードショーされる。

DVDで見たが、映像が美しく、すばらしい。
監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』や『鑑定士と顔のない依頼人』のジュゼッペ・トルナトーレ。

生まれてから一度も船から下りたことのないピアニストが、
ジャズピアニストと船の上で対決する。これが圧巻だ。

映画と音楽は、切り離すことができない。
映像を見ると音楽を思い出し、音楽を聴くと映像を思い出す。



そこで、記憶をたどりながら大好きな音楽映画ベスト10という遊びを始めてみた。

1位は、見終わった直後だったこともあって、やっぱり『海の上のピアニスト』。

2位は2年前大ヒットした『ボヘミアン・ラプソディ』。

3位は第二次世界大戦におけるワルシャワを舞台にした、ロマン・ポランスキー監督の『戦場のピアニスト』。
『ローズマリーの赤ちゃん』のポランスキーが、こんな映画を作るのかと思って感動したのを覚えている。

4位は、天才モーツァルトを描いた『アマデウス』。
映画としてうまくできているなと思った。

5位はキューバの日常を描いた音楽ドキュメンタリー『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。
音楽を楽しんでいるオッサンたちがいると思うとうれしくなった。

6位は『セッション』。
鬼コーチとドラマーというスポコン的映画だが、鬼気迫る演奏に気分が高揚する。

7位は、『ブルース・ブラザース』。

8位は『Ray/レイ』。レイ・チャールズの伝記映画だ。

9位はぼくが大好きなチェット・ベイカーを描いた『ブルーに生まれついて』。
麻薬の売人から顎を砕かれ、前歯を失ってからトランペットの演奏が難しくなり、歌うようになった。
この歌が暗くていいのだ。

10位は『ジャニス リトル・ガール・ブルー』。
ジャニス・ジョプリンのドキュメント映画だ。


こうやって考え始めると、ベスト10では収まりきらない。
『シェルブールの雨傘』は20歳のカトリーヌ・ドヌーヴが美しく、ミシェル・ルグランの音楽もすばらしかった。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』もいいし、
『天使にラブ・ソングを・・・』も大好き。

『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス空白の5年間』という映画もなかなか渋いいい映画だ。
『ピアノ・レッスン』は、映像も美しくて音楽も優れていた。




しつこい性分のぼくは、今度は、音楽映画じゃなくて、
映画音楽だったら何が好きかな、と考えた。

1位は『カサブランカ』の「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」、

2位は『明日に向って撃て!』のバート・バカラックの音楽、

3位は『死刑台のエレベーター』マイルス・デイヴィスのトランペットの即興的な演奏が渋くてすごい。

4位は黒澤明の『七人の侍』。

5位は『ロッキー』。「ロッキーのテーマ」は筋トレの定番である。

こうやって、コロナ自粛中に遊んでいると、あっと言う間に時間が経っていく。(略)・・》

注)記事の原文に、あえて改行を多くした。



私の午後の大半は、随筆、ノンフィクション、近現代史、総合月刊雑誌などの読書が多く、
或いは居間にある映画棚から、20世紀の私の愛してやまい映画を自宅で鑑賞したり、
ときには音楽棚から、聴きたい曲を取りだして聴くこともある。

こうした中、ブログの投稿文を綴ったり、数多くの御方の投稿文を読ませて頂き、
多々シニア世代の日常生活を学び、人生の確かな教科書と学んだりしている。




私は恥ずかしながら青年時代に、映画、そして文学青年の真似事をして敗退し、
やがて音楽業界のあるレコード会社に35年近く勤めた為か、
書物やビデオ・テープ、DVDなどの映画作品、或いはレコード、カセット、CD、DVDなどの音楽作品は、
程々に所有している。

たとえば、その日に観たい映画は、居間にある映画棚が引き抜いて、
少し大きなテレビ画面を通して、鑑賞している。

             

そして私なりのつたない鑑賞歴でも、魅了された作品は、何回でも観るタイプである。

例えば邦画の場合は、『二十四の瞳』、『東京物語』、『浮雲』、『雨月物語』等である。

洋画に関しては、『街の灯』、『市民ケーン』、『第三の男』、『逢びき』、『ライムライト』、
『ジョニーは戦場に行った』等は、10年ごとに観たりしている。

或いは最初の一ヶ月に於いて、少なくとも10回以上熱中して観る映画もある。
邦画の『七人の侍』、『用心棒』、『駅~STATION~』、
洋画の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、『ディア・ハンター』、
『ゴットファーザ Ⅱ』などが鮮明に記憶に残っている。
               
このように若き時代の一時には、映画館に通ったりして、程ほどに映画作品を鑑賞してきたので、
1966(昭和41)年頃までに上映された作品は知っているつもりであるが、
その後は数多くのサラリーマンと同様に多忙な時代を過ごしたので、余り鑑賞する機会がなくなった。

            
 

定年後は年金生活をして、ときおり居間の映画棚に保管してあるビデオテープ、DVDの1000作品ぐらいを
居間のテレビを通して鑑賞したりしている。

しかしながら、2000年(平成12年)の頃までに制作された作品が圧倒的に多いので、
古き良き時代の映画の愛好者のひとりかしら、と微苦笑する時もある。

そして私は、その時に観たい映画作品は、何故かしら、やはり季節に応じて観てしまう。


 
          
冬の季節の時などは、『アラビアのロレンス』、『プラトーン』、
『イングリッシュ・ペイシェント』等の砂漠、荒野、ジャングルの背景が多くなる。

そして夏の時節は、『ドクトル・ジバコ』、『カサブランカ』、『かくも長き不在』等の
寒冷地、静寂な戦争を背景にした選定が多くなったりしている。

不思議なことであるが、猛暑の夏の時、『アラビアのロレンス』の砂漠、
『戦場にかける橋』の熱帯林の背景は、やはり暑くて落ち着かないのである。

かといって、居間を寒いぐらいに冷房を冷やして、
鑑賞するのは映画の内容からして、おかしな事と思ったりしている。

このようにして私は鑑賞しているが、1950年代、1960年代の公開された作品が圧倒的に多く、
ときおり私は、どうしてかしらと微苦笑したりしている。

                          

そして私の拙(つたな)いなりの観賞歴であり、映画青年の真似事をして敗退した身なので、
感銘させられた作品には、リスペクト(尊敬)や敬意をしている上、
過ぎし年に私はベストテンを勝手に選定している。

映画専門雑誌の名高い『キネマ旬報』の1999年10月上旬特別号 として、
『映画人が選んだオールタイム・ベスト100の外国映画編』を購読し、
私なりに喚起させられて、まもなく選定した私の洋画のベストテンである。

①『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』セルジオ・レオーネ監督(1984年)
②『ディア・ハンター』マイケル・チミノ監督(1979年)
③『イングリュシュ・ペイシェント』アンソニー・ミンゲラ監督(1979年)
④『ピアノ・レッスン』ジェーン・カンピオン監督(1993年)
⑤『かくも長き不在』アンリ・コルピ監督(1961年)
⑥『街の灯』チャールズ・チャップリン監督(1931年)
⑦『ゴットファーザー(三部作)』フランシス・F・コツポラ監督(1972・1974・1990年)
⑧『自転車泥棒』ヴィットリオ・デ・シーカ監督(1948年)
⑨『ジョニーは戦場へ行った』ドルトン・トランボ監督(1973年)
⑩『逢びき』 デイヴィッド・リーン監督(1945年)

数多(あまた)の感動をもたらしてくれた作品の中より選定するのが、
もとより酷な作業で、『時』が人生にもたらす影響をヒントに選定したが、
いずれがベストワンになっても良い作品とも思ったりしている。

そして選定の際に於いて、 『第三の男』キャロル・リード監督 (1949年)、
『市民ケーン』オーソン・ウェルズ監督(1941年)、『アラビアのロレンス』 デイヴィッド・リーン監督(1962年)、
『許されざる』クリント・イーストウッド監督(1992年) 、『カサブランカ』マイケル・カーチス監督(1943年)等は
最後まで検討させられた作品でもある。 《1999年9月29日、私の日記より》

そして小説、映画、音楽などの選定する時は、その人の性格、人格、思想を表わす、と改めて気付かされたりしている。

             

この後も、キネマ旬報』の1999年10月下旬特別号として、
『映画人が選んだオールタイム・ベスト100の日本映画編』を購読し、
私なりに喚起させられて、まもなく選定した私の邦画のベストテンである。

①『駅 STATION』降旗康男 ・監督(1981年)
②『用心棒』黒澤 明・監督(1961年)
③『人間の條件(全六部作)』小林正樹・監督(1959~61年)
④『東京物語』小津安二郎・監督(1953年)
⑤『七人の侍』黒澤 明・監督(1954年)
⑥『浮雲』成瀬巳喜男・監督(1955年)
⑦『雨月物語』溝口健二・監督(1953年)
⑧『飢餓海峡』内田吐夢・監督(1964年)
⑨『切腹』小林正樹・監督(1962年)
⑩『砂の器』野村芳太郎 ・監督(1974年)

洋画と同様に、【時】が人生にもたらす影響をヒントに選定したが、
上記のいずれがベストワンになっても良い作品でもある。《2003年8月16日、私の日記より》

こうした選定作業の時、その人の人生を歩いてきた思考の全てが反映する、と改めて感じたりした。 




このように当時の私は選定したが、邦画に関しては、ここ数年は、
小学5年生の時に、独りで映画館で観た『楢山節考』木下恵介・監督(1958年)が、
私のベストワンだ、と思い返したりしている。

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