ウィトラのつぶやき

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寄附講座の閉講式

2015-12-16 08:59:57 | 東工大

昨日、私が勤務している東京工業大学の寄附講座の閉講式を行った。スポンサーであるJR東日本関係者と、標準化で協力してきた日本規格協会、それに東工大の幹部を招いて5年間の成果を報告し、その後簡単な懇親会を行った。

寄附はJR東日本から出してもらっていたが私には鉄道の知識は無く、結局標準化と、無線分野でJR東日本に多少関係のありそうな分野の研究を行なったに留まっており、寄附元がどの程度満足しているか気になっていた。しかし、「満足している、今後も東工大でこのようなアクティビティを続けてほしい」、といったコメントをいただき気持ちよく締めることができた。

私個人にとっては大きな成果があった。まず、標準化分野で日本規格協会と関係ができ、経済産業省系の標準化のアクティビティ関係者のとつながりができたことが大きい。特に元ISOの会長を務めた田中氏と知り合いになっていろいろ話ができたのは私の標準化に対する見方に大きな影響を与えた。田中氏は既に70歳を超えており、引退して規格協会の顧問になっているが、今でも勉強していて標準化の最新動向を高い見地から見ている。昨日も特別講演を行っていただいたが、我々が普通に考えるインターフェイス共通化の標準だけでなく、安全のための標準やISO9000 のようなプロセス標準幅広く標準化というものをとらえ、標準化的発想を高等教育で教えるべきだという内容には感じるものがあった。残念な点は日本規格協会にも田中氏のようなレベルの深く標準化を考えている人が見当たらない点である。

懇親会の場では三菱電機の元社長であった野間口氏が高い見識を持っているとの話が出ており、こういった人を核にして標準化の見識が高まっていけばよいと思う。

無線の分野でも電波の使い方の全面見直しをできた点は大きかった。こちらは私にとって元々の専門分野なので大学に行かなくてもある程度のことはできていたと思うが、具体的な技術的問題解決策を検討するには修士の学生を指導するというのが大きく役立った。今週金曜日には学生と一緒に松山で行われる研究会で発表することにしており、それでこちらのアクティビティも一段落ということになる。


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