ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

日本はGDP何位?

2009-12-16 10:51:25 | 経済
日本は世界第2位の経済大国だと言われている。今年は中国に抜かれると言われているが昨年まではGDPが世界第2位だったからである。しかし、私はこれに違和感を感じている。

GDPとはGross Domestic Productの略でそれぞれの国で生産された付加価値の総計だとされている。2008年時点でGDPの世界のベスト3は
アメリカ: 1400兆円
日本:   490兆円
中国:   440兆円 (1$=100円で換算)
と日本は世界で第2位の経済大国。 私の違和感は付加価値の計算方法から来ている。GDPの算出方法には分配面からみる方法と支出面からみる方法があり、分配面からみると

国内総生産=雇用者報酬+(営業余剰・混合所得)+固定資本減耗+(生産・輸入品に課される税-補助金)
となっている。大きく言うと所得の合計と利益その他がGDPを構成している。

ここで私が思うのは中国人の給与の安さである。特に内需関連のサービス業、レストランのウェイトレスとか、ビルの掃除の人とかの給料は日本の1/5くらいではないかと思う。しかし彼らがつける付加価値と日本人がつける付加価値に大きな差があるとは思えない。

製造業に関しては熟練の技術とか製品の品質とかに違いがあるので、日本の工場で働く人のほうが高い付加価値をつけていると言えて、それが価格や製品に反映されているといえるが、それでも給与が安いことが中国が世界の工場となっている大きな理由だろう。

このような、付加価値が変わらないのに、賃金が安いという現象は、本来は為替変動で調整されるべきものだろうが、中国政府は為替を殆ど米ドルにリンクさせて変動させていないので中国のGDPが抑えられているように見えているのだろう。

日本のように中国から比較的近い国で、同じ仕事をしても給料が何倍にもなるとなれば本来なら移民が大量に入ってくるはずである。しかし、これは日本政府がブロックしている。

要するに中国の付けている付加価値という意味での【本来のGDP】は日本よりもはるかに高いのではないか、ということである。私の感じでは実質付加価値では2008年時点で中国は既に日本の2倍くらいあるのではないかと思う。

日本が世界第2の経済大国と言われながらも存在感が薄いのは、単に政府が弱いだけではなく、実質的にももっと下がっているということだと思う