ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

公取のセブンイレブンへの排除命令

2009-07-07 10:10:48 | 社会
少し前のことであるが、公正取引委員会がセブンイレブンに対して排除命令を出したことが報道されていた。

売れ残りそうになった弁当を安売りしないように加盟店に圧力をかけていたというものである。加盟店に圧力をかけて価格を維持しようとしたという点で公正な取引ではない、という視点なのだろう。マスコミは弁当が売れ残って廃棄されるのはもったいないので安売りでも売るべきだという論調で報道していた。しかし、私はこれに対してかなり異なった見解を持っている。

だいぶん前のことであるがセブンイレブンの立役者である鈴木敏文氏の書いた本を読んで「後入れ先出し」というのに感心した記憶がある。

牛乳などの生鮮食料品は殆どのスーパーなどで古いものを手前に、新しいものを奥に置いている。しかし、セブンイレブンでは古いものを奥に、新しいものを手前に置くように指導しているという話である。

こうすると当然のように古いものはますます売れなくなり、売れ残ってしまう可能性が高い。その代わりに二つのメリットがある。
① 利用者がセブンイレブンは正直でいつも新しいものを売ろうとするという評判が立つ
② 店主は仕入れの量に敏感になり、できるだけ売れ残らないだけの量を仕入れようとする。そのことで能力が高まる。

私はこの②がセブンイレブンの強さの本質だと思っている。そして今回の弁当安売りを抑えるように指導したのも同じ趣旨ではないかと思う。

確かに売れ残って捨てるのはもったいない。しかし、安売りをして売りさばくのではなく、売れ残ってしまったら捨てるしかない、という状況に追い込んで売れ残らない仕入れ量はいくつか、ということを敏感に判断できるようにするほうが長い目で見れば加盟店にとってもメリットがある、というポリシーではないかと思う。 同時に待てば値段を下げる、といった値下げ期待も防げる。

長い目で見ればむしろこの方が地球にやさしいかもしれない。安易に外部から批判をしないほうがよいと思う