ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

日本のガラパゴス化

2009-07-31 15:33:28 | 経済
日本がガラパゴス化している、という話をここ数年聞くようになった。これは私が携帯電話ビジネスに深くかかわっているから特に感じるのかもしれない。

日本の携帯電話は21世紀の初めころは世界で最も進んでいた。単なる電話だけでなく様々な情報を携帯電話経由で得ることができ、新しい使い方が次々と開拓されてきた。当時はアメリカのベンチャーなども何とかして日本市場に入ろうとしており、私もそのような人とよく合ったりしていたものである。

しかし、日本の発展は日本市場に留まっており、世界に輸出されることはなかった。それは日本がPDCという世界で日本でしか使われていない方式を使っているからだとされて、私などもいわゆる第3世代の方式は世界標準にすべく骨を折ったものである。

目的は達成され、日本の3G 携帯電話方式は世界共通方式である。そして、日本のサービスは依然として世界最高レベルである。それにもかかわらず日本のメーカー、特に端末メーカーは海外でほとんどビジネスをできていないところから「ガラパゴス諸島のようだ」と言われているのである。

その理由はいろいろあるのだが、大きな理由の一つが世界で実質的標準であるGSM方式を使っていないからだといわれている。世界で3Gのサービスを始めている国はたくさんあるのだが、日本と韓国以外はGSMが主流で3GはGSMの高級機種くらいの感覚である。

しかしそのGSMも最近では日本国内で発売される端末にも搭載されるようになってきている。 また、最近ではiPhoneやAndroid端末といったアメリカ発の端末が注目を集めている。このようなアメリカ発の技術が主流になると日本のガラパゴス状態は解消されるだろう。しかし、それはなんだかさびしい話である。

そんなことを感じていたら最近もう一つ「ガラパゴス」と言われそうな話に気がついた。「電子マネー」である。EdyやSuicaなどの電子マネーは応答が速く、小銭がいらないので私は重宝している。また「お財布ケータイ」といって携帯電話で電子マネーを扱うこともできる。

アメリカでは小切手やクレジットカードが現金よりも多く使われているそうだが、日本では電子マネーが現金の代わりになっていくのではないかと感じている。

ところがこの電子マネーがガラパゴスの候補なのである。日本の電子マネー、特にSuicaは応答が速く、世界の最先端を行っているようだが、どうも世界の電子マネーの潮流は日本対日本以外、ということになりそうなのである。 そうすると、いずれは日本のシステムを捨ててどうやって世界に合わせていくかを考えないといけなくなるだろう。

日本システムが世界に広がれば問題はないのだがその可能性はほとんど無いように思う。 早い段階から対応策を考えておく必要があると思う