休日の23日は勤務先の大学公開で、学科を代表して模擬授業をした(テーマは「非言語コミュニケーション」)。
(女子)高校生相手なのだが、受講者の中にひとりの中年男性がいて、講義の後、教壇の私の所に質問に来た。
その人は教師だといい(それなら大学公開の対象外かも)、自分の表情が陰気なため、生徒とのコミュニケーションがうまくいかない、どうすればいいのいか、という。
その時、他の質問者(女子高生)も待っていて時間がなかったこともあって、その場では、「表情だけでなく、身ぶりや視線など表情以外の非言語コミュニケーションも駆使すればいい」と思いつきの回答で済ませてしまった。
この安直な対応には自分自身不満なので、この場をつかってきちんと回答し直したい。
なぜなら、その講義でも述べたのだが、身ぶりや視線と表情とは伝える情報の種類が異なるのだから、実は代替は難しいのだ。だから表情の問題は表情で解決した方がいい。
まず、中年男性(私を含む)は、生物学的にも社会的にも人間の中では最も表情に乏しい部類に入る。
男はニヤけるのも、悲しむのもいけない、ムスッとしているべきという態度が身についてしまっている。
相談にきたその人も、陰気というよりは無表情という感じ(中年男性の表情として特別違和感はない)。
自分の感情(本音、弱み)を出さない生活が長く続くと、このような表情になるわけで、仕事一途の男性にはよくあるタイプで、仕事はできるが、対人関係的に心の交流がしにくい人(正直言って他人事ではない)。
まず、表情は顔の表情筋によってつくられるのだから、いつも同じ感情でいるとその筋肉パターンが固定化され表情癖となって、変化しづらくなる(たとえば口元がヘの字になって固まっている人は、その不機嫌な表情のために他人からは近づきがたくなっている)。
ならば、その”いつも同じ感情”に手を加えるのが根本的解決への道。
陰気な表情が固定した人は、持続している気分が陰気であり、いつも晴れ晴れしていれば、自然と陽気な表情になるはず。
じゃあ、どうすれば晴れ晴れした気分になれるのか。
根本原因としての自分の性格・生活環境・人生の難問などを変えるのは困難(だからその感情が持続している)。
そこで表面的な対処療法に目を向けてみる。
実は面白いことに、感情→表情という因果関係の逆も真なりで、表情が感情を左右することも可能なのだ。
つまり、あえて明るい表情をすると気分が明るくなることも可能なわけ(絶大な効果は期待できないが)。意識して表情をつくると、そのような気分の自分が頭をもたげる。
だから表情が固まっている人は、役者が日頃やるように、表情筋のトレーニングをするといい。
つまり眉・眼の周囲・口元の筋肉をそれぞれ大きくいろいろな方向に動かしてみる。
そして色々な表情を鏡の前でおおげさにやって、表情筋を動かしやすくするのだ。
さらにブロマイド写真を撮られることを想定して、自分のいちばんいい笑顔をパッと作れるように練習する。
その時、気分も多少は明るくなるはず。
対人関係場面では、相手の話の内容に応じて、意識して表情で反応するようにする(表情以外に声の調子も一緒に変化させる)。
これは共感性のトレーニングなのだが、驚く・感心する・笑うなどを豊かに演じてみるわけだ。明石家さんまのように。
と、この程度のアドバイスをしたかった…
(女子)高校生相手なのだが、受講者の中にひとりの中年男性がいて、講義の後、教壇の私の所に質問に来た。
その人は教師だといい(それなら大学公開の対象外かも)、自分の表情が陰気なため、生徒とのコミュニケーションがうまくいかない、どうすればいいのいか、という。
その時、他の質問者(女子高生)も待っていて時間がなかったこともあって、その場では、「表情だけでなく、身ぶりや視線など表情以外の非言語コミュニケーションも駆使すればいい」と思いつきの回答で済ませてしまった。
この安直な対応には自分自身不満なので、この場をつかってきちんと回答し直したい。
なぜなら、その講義でも述べたのだが、身ぶりや視線と表情とは伝える情報の種類が異なるのだから、実は代替は難しいのだ。だから表情の問題は表情で解決した方がいい。
まず、中年男性(私を含む)は、生物学的にも社会的にも人間の中では最も表情に乏しい部類に入る。
男はニヤけるのも、悲しむのもいけない、ムスッとしているべきという態度が身についてしまっている。
相談にきたその人も、陰気というよりは無表情という感じ(中年男性の表情として特別違和感はない)。
自分の感情(本音、弱み)を出さない生活が長く続くと、このような表情になるわけで、仕事一途の男性にはよくあるタイプで、仕事はできるが、対人関係的に心の交流がしにくい人(正直言って他人事ではない)。
まず、表情は顔の表情筋によってつくられるのだから、いつも同じ感情でいるとその筋肉パターンが固定化され表情癖となって、変化しづらくなる(たとえば口元がヘの字になって固まっている人は、その不機嫌な表情のために他人からは近づきがたくなっている)。
ならば、その”いつも同じ感情”に手を加えるのが根本的解決への道。
陰気な表情が固定した人は、持続している気分が陰気であり、いつも晴れ晴れしていれば、自然と陽気な表情になるはず。
じゃあ、どうすれば晴れ晴れした気分になれるのか。
根本原因としての自分の性格・生活環境・人生の難問などを変えるのは困難(だからその感情が持続している)。
そこで表面的な対処療法に目を向けてみる。
実は面白いことに、感情→表情という因果関係の逆も真なりで、表情が感情を左右することも可能なのだ。
つまり、あえて明るい表情をすると気分が明るくなることも可能なわけ(絶大な効果は期待できないが)。意識して表情をつくると、そのような気分の自分が頭をもたげる。
だから表情が固まっている人は、役者が日頃やるように、表情筋のトレーニングをするといい。
つまり眉・眼の周囲・口元の筋肉をそれぞれ大きくいろいろな方向に動かしてみる。
そして色々な表情を鏡の前でおおげさにやって、表情筋を動かしやすくするのだ。
さらにブロマイド写真を撮られることを想定して、自分のいちばんいい笑顔をパッと作れるように練習する。
その時、気分も多少は明るくなるはず。
対人関係場面では、相手の話の内容に応じて、意識して表情で反応するようにする(表情以外に声の調子も一緒に変化させる)。
これは共感性のトレーニングなのだが、驚く・感心する・笑うなどを豊かに演じてみるわけだ。明石家さんまのように。
と、この程度のアドバイスをしたかった…