香港の活動家・周庭さんらが逮捕された。
いよいよ覇権主義国家※が牙を剝きはじめた。
今なら世界を敵に回してでも、覇権主義を通していけるという自信があるのだろう。
武漢から世界に拡散したウイルスが、まるでその第一弾であるかのよう。
※”覇権主義”とは中国が敵対する米ソなどの大国に向って称した非難用語だが、当時からそれっておのれの事指しているだろうと思っていた。これって、自分がやりたいことを、相手がやっているとして非難する”投影”という心理メカニズムそのままだから。
逮捕の根拠である「香港国家安全維持法」の36条では、罰則の対象として「永住者の身分を有さない者が香港特別行政区以外で香港特別行政区に対して本法に規定する犯罪を実施した場合」とあり (Wikiより)、なんと香港永住権を有さない外国人がその自国内であっても、中国政府批判をすると周庭さんと同じ”犯罪”となる。
ということは、こういう記事を書く私も、それだけで私は要注意人物となってしまい、
少なくとも、中国本土に足を踏み入れることは逮捕覚悟となる。
こっちだって中国政府が天安門事件※(この単語を使っているので、この記事は中国国内では閲覧できない)を隠ぺいしている限り、かの国には絶対行かないと心に誓っているが。
※この事件を鎮圧した人民解放軍は、国民を守る国軍ではなく、共産党を守る軍隊(赤軍)である。共産党は国軍ではなく赤軍を持ちたいから、国軍を否定する。
この法律は、外国人が香港の反政府的活動を支援することを、「内政干渉」として妨害することを実効的にするために、他国に”内政干渉”するという論理矛盾を犯している。
もっともそんな矛盾は気にもしない”ジャイアン”的論理(ご都合主義。ダブルスタンダード)を通すつもりだ。
しかも現代の国際常識では、ある国が自国民を好き勝手に扱ってよいということはなく、人権弾圧は国家を越えて非難されるべきものである(国法を超える法律的根拠はないが…この国が国連の常任理事国に居座っているから)。
なので私も自国民を思想弾圧するその政府を遠慮なく非難する。
というより、その法的根拠である「香港国家安全維持法」そのものを非難する。
こんな国に対して、私は、尊敬する古代中国文明の正統な後継とは認めない。
もし孔子様が現代に蘇り、彼の理想とした「礼治」※に最も近い国を選ばせたら、近世を通して”礼法”が広く深く国民に行きわたっている日本を選ぶだろう(政治家の質は問題だが)。
※礼治とは、法の強制がなくても、人々が自己制御で社会秩序を維持できる状態。その自己制御できる人を「士」という。日本の江戸時代の(寺子屋)教育は武士に限らず、この「士」を育成することにあったため、『論語』が基本テキストとなった。礼治に対立するのが法治。日本はもちろん法治国家であるが、コロナ対応1つをみても、まだ礼治(論語の精神)が作用している。→『なぜ論語は「善」なのに、儒教は「悪」なのか』(石平)を読んで
追記:翌日保釈されたが、そもそも逮捕容疑が本人に説明されず、法の施行後に該当する行為をしていないという。
どうやら権力が恣意的運用するとことの”見せしめ”らしい。
もう一度言うが、こんな国が国連の常任理事国なので、拒否権を行使できるのだ。