今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

中津川駅前に車で

2020年07月06日 | 

岐阜県の中津川は、木曽川に沿った東濃の最奥、信州の木曽谷の入口に位置した、今でも升形が残る中山道の宿場町。
そして中山道より更に古い東山道(トウサンドウ)という古代からの道が、天照大神の胞衣(エナ)を埋めたという恵那(エナ)山の北の神坂(ミサカ)峠を通り、伊那谷の飯田に向っている。
また北西の裏木曽街道を抜けると下呂そして高山に達することで交通の要路を形成している。

ここの神坂峠の麓、天照大神の産湯の湯舟があったという湯舟沢にある、温泉ホテルが気に入って定宿にしていることで、中津川という所自体も気に入って、別宅が欲しいくらいの気持ちになった。

なにしろ、あの『徒然草』の吉田兼好(鎌倉時代)も、湯舟沢の風情を気に入って一時、庵を構えたという(ホテルの川を挟んだ向い側にその碑がある)。

実際、湯舟沢の奥の霧ヶ原という高台に別荘分譲地があって、そこの林間にログハウスを建てたら…と夢想したが、やはり一番快適で楽なのは、温泉ホテルで総檜の風呂に入り、上品な会席を食べることだとわかったので、現状で満足している(別荘は毎週末通わないと無駄になるし)。

名古屋宅からいつも自家用車で往復していることもあり、市内の車で行ける名所(奇岩が多い)や日帰り温泉(放射能泉が多い)はすべて巡った。

残ったのはJR中央線の中津川駅前である。
駅前はそれなりに繁華街だから駐車場が見当たらないためだ。
でもそう判断したのは自分の怠慢だとわかった。

駅正面の路上の市営駐車場は30分無料、そして少し奥にある建物の市営立体駐車場はなんと2時間無料だということを、定宿にいる今日知った。

なんだ、そこに止めれば2時間も市内を徒歩で巡れるじゃないか。

さっそく雨の中、駅前の立体駐車場に車を止め、傘を差して駅前に向った。
今回の定宿はあえて素泊りにしており、朝食抜きなので、昼前の開店直後の外食をしたい。
今まで駅前は車では行けないと諦めていた店を探す。

目指したのは、地元中津川のソウルフードだという「五十番」という店の焼そば(Rettyというサイト情報による)。
B級グルメだが、もともと焼そばは好物なので、ここを店めぐりの最初の店とした。
看板が見当たらず店を通り過ぎてしまったが、郵便局の隣と思えばすぐわかる。

大雨の日の始業直後なので、客は一人だった。
メニューを一瞥して、予定通り「焼そば」(500円)をオーダー。
普通盛りでいいですか?と確認してくるが、ここの大盛り(700円)はすごい量らしいので、普通盛りで通す。

数分後出されたそれは、一言でいえば、極太塩やきそば。
麺の太さが、今までにない。
ソース焼そばでないので麺が白い。
でも塩味はちゃんとついている。

卓上にいろいろ調味料があり、ラー油や唐辛子をふんだんにかけるのがおいしいらしいが、辛党でない私は、半分ほど食べてから酢をかける。

地元民が日常食として愛するソウルフードに対しては、一見のよそ者が、食通ぶってハイレベルの基準で論評するものではない。
もともと世にアピールするための”名物”ではなく、庶民的な家庭料理の延長なのだから。
ただ敬意を表すればいい。

駅前には食通もうならせる本格的な蕎麦屋もあるが、これは次回にしよう。

さらに駅前にある元デパードらしいビルには、地元の物産が一堂に集まって販売されている。
この地は栗きんとん系が一番有名だが、その他に漬物やパン、さらには木工品(木曽系)や陶器(美濃系)などがある。
丁度木製の小皿が欲しかったので、それを買った。

今日は大雨が予想されるから、ここまでにして宿に帰るが、次回は駅前の駐車場に車を止めて、昼食も摂りながらじっくり市内を散策したい。

こういうのんびりした気分でいたら、
夕方、中津川市に土砂災害警戒情報洪水警報が発令された。
宿の前の湯舟沢川は黄土色の濁流となっている。
宿一帯は土石流警戒区域に指定されている
そして湯舟沢川が合流する木曽川(中津川市落合)では氾濫危険水位を上回っている。
雨量こそ多くないが、切れ目のない雨が続いて、明日の帰途が心配だ。

→翌朝は、たいした雨もなく、無事帰宅できた。
その翌日は、市内一帯に避難勧告が出たようだが、被害は発生してない。