今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

夢分析

2013年01月20日 | お仕事
定宿(中津川温泉のホテル花更紗)に泊まり込んで、後期授業の提出物のチェックをしている。
その1つは夢分析のレポート。
心理学科の1年生に、「心理学概論」という授業で夢の話をした後、
自分の夢を分析させる課題を出した。
そのレポートを見て、期待した以上に深い分析をしてきた例がいくつもあった。

そもそも夢の解釈に客観的な”正解”はない。
それでも夢を分析することに価値があるのは、
自分の心との腹蔵のない対話がなされるため。
すなわち、ある1つの夢について、連想し解釈を加える過程で、
心の防衛が解除されて、自分の無意識(無自覚)に気づき、
あるいは今の自分の心の在り方が投影されて自覚される。

たとえば、”怖い”という印象しかなかった夢が、
精細に分析することによって、別のより深層の主題が見えて
その夢を”怖い”と体験させた意味(心)が理解できるようになる。
逆に、ストーリー的には怖いはずなのに、ちっとも恐怖を感じなかった夢も、
分析することによって、その理由(心)が見えてくる。
学生は自分の夢を分析することで、驚きをもって自己との対話を深めることができた。

また、ある学生は母の夢を分析することで、その母が決して口にしない本心に接し、
母への理解を深めた(他者の夢を解釈する場合、夢主の連想についての質疑応答が必要)。

夢分析は、自分の本心を知りたいという思いで自己防衛を解除できれば、
真の自分に触れることができる。
そのためには、「夢辞典」的な参考書は不必要。
夢は自分自身の意味世界の表現だから。
自分自身の”連想”を深めることがポイント
(誰もが見る定型夢に限って、人々に共通する意味がある)。
まずは、過去に見て忘れられない”怖い夢”を分析してみよう。