宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
７－１ 高額な費用への危惧
来院した患者が、このように話した。「ムシ歯があると思います。その歯だけ治してもらいたいのです。多分、ほかにも数多く治療の必要があると思いますが、それには構わないでください。というのも、十分な余裕がありませんので。」
この言葉は、費用に対する危険性を明らかにしているのである。
この時点で経済上の問題点に関わりたくない歯科医師はこのように話すことになる。
「あなたを悩ませている歯を拝見させていただきましょう。お金に関しては、あまり心配されることはないと思います。というのも、その歯を処置するのにそれほどの費用はかからないと思います。」
経済的な話し合いをさけ、主訴の処置を早期に行うことで、患者の信頼を得たいと考える。そうすることで、後でさらに完全な処置についても話を進められると思うからである。これが比喩的にも、あるいは文字どおりに、最後には“充填基地”になってしまいかねない歯科医師のタイプである。
