宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
どうだろうか。1日に3回、食後3分以内に3分間歯を磨く。この神話をまだ信じて、せっせと歯を磨かれるだろうか。もちろん、「食べカス」を取り除くためでれば、何の問題もない、お好きにどうぞ、だ。しかし、病気の予防目的として、これを未だに訴えていくとすれば、あまりに非常識か、無責任ではないだろうか。
私だけの指摘だが、こうして貴重な結果の得られた実験をしたローバートM.ステファン先生も、ようやくホッとしていただけたのではないかと思う。
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
どうだろうか。1日に3回、食後3分以内に3分間歯を磨く。この神話をまだ信じて、せっせと歯を磨かれるだろうか。もちろん、「食べカス」を取り除くためでれば、何の問題もない、お好きにどうぞ、だ。しかし、病気の予防目的として、これを未だに訴えていくとすれば、あまりに非常識か、無責任ではないだろうか。
私だけの指摘だが、こうして貴重な結果の得られた実験をしたローバートM.ステファン先生も、ようやくホッとしていただけたのではないかと思う。
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
しかし、この”食後3分以内”というのも、おかしな話である。ちょっと、考えていただきたい。一体、”食後”とは、いつのことだろう。人によって、また場合によって、とても早い食事時間もあれば、延々と続く食事もある。
先日も、ある会席の昼食での経験だ。いわゆるフレンチのコース。しっかりと、2時間30分。終わったときには、正直ヘトヘトに疲れていた。もちろん、これは余談。
しかし、データ(もちろん、日本語での説明が誤っているわけだが)では、糖質をとって3分以内に歯は危険な状態になっているので、糖質を含む食事内容のときは、1口食べるごとに歯を磨き、そしてまた1口食べては歯を磨くというようにしなければ、危険な状態を回避できないということになる。あるいは、常に食事を3分以内で終える必要がある。
つまり、糖質をとって3分以内が危険であるということを、”食後3分以内”ということにしてしまった、過ちの上に過ちを重ねてしまったのだ。
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
もう、おわかりだろうか。ステファンには罪はないのだ。ステファンは、しっかりと歯面プラックのpHと記載している。それを、どこの誰だかはわからないが、とにかく歯の表面が危険にさらされると言い出した。
そして、3分以内に歯を磨くという”神話”が形作られた。
別に自慢をするわけではないが、やはり自慢になるか、この事実を指摘したのは、私の知っている限りでは、私だけである。
およそこの分野の専門家と称される人々が、その説明文が誤っている、あるいは不適正であることを知った上で、あるいは知らないままで(これも専門家なら問題だと思うが)、この”神話”に加担してきたのであれば、その罪は重いのではないだろうか…。
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
もう一度、ステファンの図表と、その説明文の適正、不適正を並べて紹介する。たった少しの違いが、大きな誤解を生んだことになる。もちろん、この図表だけがすべてではないと思うが…。
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
前歯の表面真ん中にムシ歯のある人を見たことがあるだろうか、残念ながら(?)私には無い。つまり、前歯の真ん中には「プラック」が形成されないのだ。
そして、その「プラック」が形成され、人にとってマイナスとなる、ステファンの実験のような影響を与えるようになるには、24時間から48時間が必要といわれている。
ということは、少なくとも24時間以内に歯の表面に形成された「プラック」をコントロールしてやれば、どのような糖質をとろうとも、歯の表面が危険な環境にさらされることはないのである。