宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
1-1 患者の最初の扱い(2)
しかし、実際は明らかに、このことを歯科医師は要求している。歯科医師がしばしば新しい患者に向かって使う表現方法に、「私は、・・・しようと思います。」というのがある。患者から、「・・・していただけませんか。」という言葉を待ちきれない。「レントゲン写真をとろうと思います。」と、ぶっきらぼうに話すことは、患者に自分の意思を押しつけるものである。たとえ穏やかに話そうと同じことだ。
したがって両者の関係は早くから主導権争いということになる。歯科医師はすべての患者を、自分が認識する適切であることを実行する方向に引っ張ろうと試み、患者は患者で”歯医者は誰であれ信用できない”という前提に立って、財布から暗黙の内にお金を脅し取られないよう、さらには小さな訴えが大きな問題とされなるような事態から逃れようとする。