歯科医師・山田忠生
アートマラソン’04のプログラムです
歯科医師・山田忠生
18ー4 要約
患者教育は治療中も継続していかなくてはならない。
患者が、(完全に)治療中に落伍をする必然的な理由にはその地域からの転居、あるいは死亡しかないので、歯科医師は治療期間中のどのような中断についても徹底して調べなくてはならない。
落伍をしてしまう最も頻度の高い理由は、興味の喪失である。
1・各来院時の初めに予定されている治療、その目的、完全な計画との関連性について話し、治療中の危険性を説明、期待できる効果について指摘する。
2・各来院の最後に、実施された治療と、治療後の危険性について簡潔に見直し、家庭管理を指導し、次回来院の治療について説明する。
3・治療の各段階の完了ごとに、患者にそのことを知らせ、将来の危険性について再確認する。
歯科医師・山田忠生
「なぜ」という質問には、「なぜなら」という返事になる。私たちはいつも、自分の行動を意識しながら行っているとは言えないのであるから、「なぜなら」という返事は、まず常識的なものでしかない。つまり、それは口実や言い訳であり、専門用語では”合理化”である。合理化については関心をもっている人もいるが、専門職業上のインタビューや、相互関係にはほとんど価値のないものである。
「なぜ」という質問に代わるものとしては、以下のように患者に話しかけることである。「はっきりとしないのですが…」、あるいは「状況がよく呑み込めないのですが、もう少しお話をしていただけますか」。このような問いかけは患者を刺激することなく、反感を抱かせることもない。つまり、患者への関心や支持の姿勢を表していることになる。合理化を引き起こすかもしれないが、直接的な「なぜ」という質問に比べて、患者は防御姿勢をとることは少ないはずである。
歯科医師・山田忠生
咬合病
審美的な修復が、短期間しか保持できない大きな一つの理由は咬合病である。病気として明らかなことは感染、生来の弱さ、あるいは正常な生理的機能を減じるような環境ストレスなどの結果としての、異常な組織の状態であるということである。咬合病は、まったくこのようなことと合致している。何百万ドルもの金額が、毎年のように歯頚部の摩耗と知覚過敏の治療のために使われているが、ほとんど咬合病と認識されていない。過度な歯頚部の知覚過敏と、歯頚部の摩耗(楔状欠損)は咬合病からのダメージである。適切な考えをもつことなく、しばしば修復物で治療されている。
咬合性外傷(咬合病の一つ)は過度な知覚過敏と激痛の主要な原因である、という証拠が事実を指摘している。何百万というⅤ級の修復が、適切な診断か問題の原因ーつまり咬合病を治療するということではなく、毎年のように歯頚部の楔状欠損として処置をされている。臨床的な経験と証拠とが、この歯頚部の欠損と咬合性外傷との関係を示している。
歯科医師・山田忠生
2週間以上先まで新患者を登録してしまうことは、行わない方がよい。2回目の予約(コンサルテーションと相談のための時間)は、1回目予約から10日以内にしたいものである。あまり先までスケジュールを決めてしまうと、新患者を診なければならなくなった場合に、融通がきかなくなってしまう。この方法であれば1回目予約と2回目予約の間が、それほど長く空き過ぎるということはない。
新患者の再診療計画表は、ある週は新患者で手一杯だが、次の週は一人もいないということにはならないようにとの着想から作られている。仕事のバランスを保ち、あなたとスタッフが新患者治療に対して、新鮮な気持ちですぐに応じることができるような助けとなる。