宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
この時点で、歯科医師は患者に次のように語りかけるとよい。「さて、ジョーンズさん。私の許へ来られることになったトラブルについて今日、何ができるかを診る前に、他にあなたを悩ませているものがあるかどうかを調べなくてはなりません。何といっても直面するトラブルを解決するだけでは効果はないでしょう。いっしょに処置できたかもしれないのに、数日のちに再び来院することになるかもしれません。それはあなたを悩ませているものと深い関係があることもあり得るのです。」
人間というのは何か一つ気になることがあるときには、急を要しない他のことについては考えが及ばない、ということがわかっている。実際に何かを私に話そうとしておりながら、それをしばしば完全に忘れていることがある。
「今日、問題となったものについては処置しましたので、しばらくあなたを悩ますことはないと思います。次にあなたが希望される個所はお口のどこでしょうか。」
必要以上にプレッシャーをかけないようにしながら、歯科医師は患者が”当惑する”まで、この方法を続ける。いろいろと問題点が引き出されると、その病歴をとる。そして、”処置”される。さらには患者が解決してほしいと思っていることに進むよう導いていくことになる。