歯科医師・山田忠生
歯は3つの病気、つまりう蝕(ムシ歯)、歯周病(歯肉炎)、咬合病(かみ合わせの病気)の悪影響をうけている。ほとんどの人はその個人的経験からも、最初の2つの病気の徴候、症状、そして治療については知っている。歯科医師はう蝕や歯周病の診断と治療については、高度に訓練されている。歯科医師は教育や経験を通して、できるだけ早く取り扱うことで、これらの病気の悪影響を最小限にするため、薦められる適切な治療をすることができる。
咬合病は常にそれほど明白に現れるものではない。摩耗、知覚過敏、歯のひび割れ、歯の動揺、歯折、筋肉痛、顎関節痛、頭痛ーーこれらは咬合病の影響であり得るのである。その早期の段階では歯折のような明白な障害が、ときには潜在的な原因を隠していることがある。咬合病であることをできるだけ早期に認識することは、高齢になっても歯を保持する可能性を増大させる。咬合病の徴候について早い段階で認識し対処しれいれば、成人になって経験するブリッジ、冠、義歯などの多くは避けられたかもしれない。