博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『神雕侠侶』その3

2006年05月03日 | 武侠ドラマ
(前回:その2

第15~24話まで見ました。
英雄大宴の後、小龍女が再び楊過のもとから姿を消し、絶情谷で再会を果たした二人が色々悶着の末に谷を出るまでの話です。ここまででようやく物語の折り返し地点です。

このドラマ、どうやらお花畑が楊過と小龍女の関係を表す鍵となっているらしく、やたらお花畑で二人がいちゃつくというシーンが出て来ます。序盤で二人が玉女素心剣や九陰真功を修業するのも古墓の外に広がるお花畑ですし、前回触れたように英雄大宴で二人が再会した時も背景が唐突にお花畑となります。そして絶情谷はと言えば、もちろん情花が咲き誇るお花畑が一面に広がっております(^^;) しかもバックでは公孫止の侍女が軽功で妖精のようにふわりふわりと飛び跳ねています。

小龍女は楊過と再会しても当初は彼を拒み、絶情谷主・公孫止と結婚してしまおうとしますが、次第に心は千々に乱れ、結局楊過と添い遂げるために二人で公孫止と一戦交えることになります。今回の見所はこの楊過&小龍女と公孫止のバトルなのですが、最初は紳士然としていたのが、楊過と小龍女が再会を果たしたあたりから段々と本性が露わになってくるという公孫止の変貌もなかなかの見物であります(^^;)

しかし公孫止も、行き倒れになっていたところを助けた小龍女に土壇場で結婚を拒否され、しかも彼女の名乗った「柳」姓は楊過にちなんだ偽名。しかもこの件がきっかけとなって死んだはずの鬼嫁と再会するハメになるわ、旧悪は暴露されるわと、哀れと言えば哀れであります(笑)
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『中国のいまがわかる本』

2006年05月03日 | 中国学書籍
上村幸治『中国のいまがわかる本』(岩波ジュニア新書、2006年3月)

反日デモ、愛国教育、歴史問題、都市と農村との格差問題、台湾問題など、現代中国に関わる外交・社会問題とその背景を解説した本です。歴史問題については、過去の日本の侵略や現在の日本の状況を一方的に断罪するという態度を取らず、過去のことは過去のこととして直視する一方で、現在の中国政府が政治的な都合で歴史解釈をねじ曲げていること、特に靖国問題が外交での駆け引きの材料となっていること、また反日デモが政府に対する不満のハケ口となっていることについても指摘しています。

この本ではこのような諸問題を解消していく鍵は中国の民主化にあるとしています。悪化する一方の中国での対日感情についても、そもそも共産党が報道の自由を認めず、日本に関して明日にでも軍国主義が復活するかもしれないといったようなネガティブな情報や意見しかメディアが伝えないことに問題がある。様々な角度から日本の社会や日本人の考え方が紹介されるようになれば、もっと状況も変わってくるのではないかとしています。そういった観点から、日本政府が天安門事件以後中国政府に民主化と人々の人権の向上を促さなかったことに対して批判を加えています。

結論としては、今後も民主化が進められる見込みがない以上、日中関係は良くなることはない。それを踏まえた上で、中国との付き合い方を模索していく必要があるということになります。

この結論については、莫邦富の『日中はなぜわかり合えないのか』(平凡社新書、2005年5月)も同様のことを主張していました。こちらもなかなか面白い本でしたが、本書とは違って日本に対して手厳しい意見が多いです。また、馬立誠の論文「対日関係新思維」についても、本書とはだいぶ見方が違っております。
コメント (3)
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