goo blog サービス終了のお知らせ 

博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『少年楊家将』その2

2006年12月05日 | 中国古典小説ドラマ
(前回:その1

『少年楊家将』第8~14話まで見ました。ネタバレ全開でいきます。

楊業は何とか催眠術にかけられた七郎を取り押さえ、天波府(楊家の邸宅)に連れ帰る。その晩、七郎の様子が気になった小琳が天波府に潜入するが、楊一家に捕らえられ、七郎の催眠術を解除させられる。新兵器強奪事件の黒幕が酔紅楼であることを知った楊業は兵を率いて酔紅楼を強制捜索し、新兵器を取り戻します。遼のスパイであった従業員も宋軍に捕らえられ、処刑されますが、耶律斜は間一髪で難を逃れます。一方、天波府に捕らえられていた小琳は仲間が処刑されたと聞き、自決してしまいます。

新兵器を取り戻し、ようやく朔州への出兵が実行されますが、総大将の潘豹は功を焦って自らの手勢だけで朔州城に突入し、耶律斜率いる遼軍に捕らえられます。しかしそのことを知った楊家軍も朔州城へと突入し、潘豹を奪還。

その間に、楊六郎は柴郡主とともに宋太祖が隠した秘宝を捜索します。二人は秘宝が隠された石室にたどり着きますが、この石室の扉を開ける鍵となるのが郡主の亡き父親が秘蔵していた金斧だった。実はこの金斧こそはその昔太宗が太祖を弑殺した時に用いたものであった。郡主の父親は偶然その現場を目撃してしまい、密かに金斧を隠し持っていたのである。金斧に添えられていた父親の遺書により太祖の死の真相を知り、愕然とする郡主と六郎。しかしその金斧は太宗の遣わした間諜に奪われ、太宗の手に渡ってしまう。

太宗は金斧を手に石室へと向かい、財宝を手にしますが、石室の前で待ち伏せていた六郎と郡主も中に入り、太宗に太祖の死の真相を明らかにするように詰め寄ります。しかしその時、やはり財宝を狙っていた耶律斜が石室を破壊させてしまい、(耶律斜、八面六臂の大活躍です(^^;) )太宗と六郎、郡主は命からがら石室から脱出します。

宮廷に帰還した太宗は事が露見するのを恐れ、朔州から帰還したばかりの楊業とその家族を、柴家と結託して宋室の財宝を我が物にしようとした罪で捕らえさせてしまいます。六郎と郡主は公正無比で知られる八賢王(このドラマでは太祖の遺児の趙徳芳ということになってます。)に助けを求める。八賢王は父帝が叔父の弑殺されたことを知ると、自らの裁量で楊一家を釈放させ、楊業とともに太宗に真相を話すよう詰め寄ります。ここに至って太宗はようやく兄帝を自らの手で殺したことを認めた。

事の発端は石室に隠された財宝であった。財宝は太祖が長年かかって貯め込んだものであるが、これを五代の後晋以来遼の手に渡っていた燕雲十六州を買い戻す資金にしようとしたことから太宗と口論となったのである。太宗は領土を買い戻すために巨額の財宝を遼に与えると、遼はそれによってますます兵力を増大させ、宋にとって手の付けられない存在となる。また燕雲十六州を買い戻しても結局は再び遼軍の侵攻を受けて奪われてしまうことになるだろうと反対した。しかし太祖はあくまでも自分の意思を押し通そうとし、石室の鍵となる金斧を二人で奪い合っているうちに物の弾みで太祖を斬り殺してしまった。

……これが太祖の死の真相であった。楊業の提案で太宗が太廟で太祖の霊に許しを請い、玉体の代わりに龍袍を鞭打つことで、八賢王は太宗を許すことにしたのであった。その後、太宗は八賢王に黄金鞭を、楊業に龍頭仗を授け、二人を国家の柱石として遇することを示したのであった。

【 宋太祖が太宗に殺されたのかどうか、殺されたのならその原因は何かというのは現代でも謎とされていて、「千古の謎」なんて言われてますが、こういうしょーもないいきさつで殺されたことにしてしまうのはどうなんだろうと思ったり(^^;) しかもその後、宋は遼に歳幣を贈って国境の現状維持を保障してもらうという、このドラマでの太祖の発想と近い方針を採らざるを得なくなるわけですが…… 】

しかし楊大郎・二郎・三郎・五郎は兄帝を弑殺した不忠不義の君主に仕えることを潔しとせず、軍務への復帰を拒否。楊業は景気づけのために楊家軍の新兵を募集することにした。六郎と七郎もそれに応募するが、更に謎の青年・仇木易も応募し、選抜試験で六郎を破って首席となる。実は仇木易の正体は行方不明となっていた楊四郎であった。彼は幼少の頃になぜか父母に戦場に連れられ、乱戦の中で父母とはぐれてしまったのである。ただ、彼は父母が自分を見捨てたと思い込んで酷く両親を恨んでおり、楊家の人々に頑なな態度を取り、自分の正体を明かしません。(仇木易という偽名も楊家を仇敵とするという意味です。)

一方、朔州から帰還した後の潘豹は五石散を服用するようになって中毒状態となり、ある日街中で発作を起こしてしまうが、たまたま通りかかった羅姑娘に助けられます。彼女に医術の心得があるということで、潘豹は彼女を無理矢理屋敷に連れ込もうとしますが、そこを仇木易が助け、羅姑娘と知り合いになります。

【 医術の心得のある少女というと、どうしてもチャングムをイメージしてしまいますが(^^;) 五石散というのは硫黄などの鉱物をブレンドして精製される覚醒剤みたいなもんです。五石散の服用は魏晋南北朝期に貴人の間で流行したのですが、このドラマでは宋代でもまだ服用されていたということになっているんですね。 】


最新の画像もっと見る

3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (師走)
2006-12-05 22:35:57
粗筋だけ聞くと、とても清々しく思えるのですが、実際はどうなんでしょうね。
返信する
Unknown (飯香幻)
2006-12-06 00:06:38
ちゃらっちゃらららちゃんちゃんちゃん♪
(スラッカンのテーマ)
「いけません羅姑娘さん」
「木易さまこそお気をつけなさいませ」
・・・ごめん。羅姑娘さん完全に脳内で医女服です。
潘豹はさしずめ倭寇おかしらですか。

しかしまあ太祖の死も火曜サスペンスみたいだし、とんでもなさそーな展開ですわ。
返信する
制作側も意識? (さとうしん)
2006-12-06 23:39:42
>師走さま
このパートでもやっぱり不幸の連鎖スパイラルが続いてます。太祖の死因を暴いたことが後々楊家の運命にどう関わってくるのか気になるところですね。

>飯香幻さま
あと、この羅家の娘さんが未知の薬草の効果を自分が服用して確かめるなんてシーンもあり、制作側もチャングムを意識しているんじゃないかと思います(^^;)
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。