博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『天意』その5

2018年07月05日 | 中国科幻ドラマ
『天意』第19~23話まで見ました。

東林駅亭での包囲戦は張良率いる援軍が間に合ったこともあり、多大な犠牲を払いつつ何とか項羽・虞姫・韓信の三人は生還。しかしその後も正面突破・正攻法での勝負にこだわり計略の使用を拒絶する項羽と、計略によってできるだけ味方の犠牲を少なくしようとする韓信との間の亀裂が深まるばかり。とうとう韓信は都尉から伝書鳩の飼育係に降格されてしまいます(伝書鳩は銭小芳の助言によって韓信が導入した)。「神」こと女羲と滄海客は、韓信を項羽から離れさせて張良と合同させようと画策しておりますが……

その間に項梁が雑にナレ死のような形で戦死。後任の上将軍(ドラマでは大将軍とも)の人選が問題となります。項羽は当然自分が上将軍の地位に就くものと思っていますが、項氏の傀儡であることに不満を持つようになった懐王(いつの間にか子役から大人になりました)は、張良の入れ知恵で宋義を上将軍、項羽を次将軍とします。項羽は激怒するも、鉅鹿の戦いが終わったら上将軍の座を譲るという宋義の言葉を信じ、意気揚々と秦との戦いに出征。

項羽の軍は敵の罠にはまって占領した宜城で秦軍に包囲されるも、腹に一物抱える宋義は援軍を送ろうとしません。宋義の魂胆を見抜いていた韓信は、項羽に秦軍の包囲を強行突破して宋義のもとに戻り、彼を脅して援軍を得るよう提案。で、単騎舞い戻った項羽に会おうとしない宋義ですが、韓信が授けた秘策により、項羽は宋義を殺害して上将軍の地位を取って代わり、ムリヤリ援軍を確保。一般的には項羽の暴虐のひとつとして数えられる宋義殺害ですが、このドラマでは韓信の献策によるものということになってるんですね。

で、宜城の危機を切り抜けた後、韓信は功績により都尉に復帰しますが、相変わらず項羽は韓信の献策をスルーしながらも彼を側に置き、韓信も相手が嫌がると知りつつ献策を続けて不興を買うという何かのプレイのような関係を続けています。韓信の能力を評価する范増は、項羽に彼を将として待遇しないならいっそ殺害してしまえと嗾けますが、項羽はさすがにそれはできないと拒絶。

懐王が諸将に先に咸陽を陥落させた者を関中王とするという「懐王の約」を発すると、項羽はまたぞろ正面突破にこだわり、秦軍最強の「大風鉄騎」を何とか撃破したと思ったら、その間に張良の策によって迂回路を取った劉邦が咸陽に入城。城中の財宝に浮かれる劉邦を尻目に、張良は秦の戸籍簿や地図こそが本当の財宝だと書庫の中の竹簡類を一所懸命に接収。これ、本当は崖から落ちたまま行方不明の蕭何のエピソードなんですけどね…… そう言えばこの様子を見ていた樊噲に「だんだん丞相に似てきたな」なんて言われていますが、この丞相ってもしや……?

項羽は咸陽に攻め入って劉邦の軍を殲滅しようとしますが、項羽が攻め入ってくる前に劉邦を咸陽から待避させようとする張良と、咸陽で軍民ともに大きな犠牲を出すことを望まない韓信の思惑が一致。二人の主導により項羽と劉邦との間で会談が持たれることになりますが、その会談の場所が問題に。そこで韓信が咸陽の近郊で申屠たちと再会。小芳と蕭何が山寨から旅立った後、彼らは山賊・墓泥棒稼業をやめ、小芳に教えてもらった火鍋で店を開き、火鍋店が繁盛していたのでした。


山賊時代の申屠。韓信は咸陽にほど近い鴻門山の申屠の火鍋店を会談の場所に設定。ここで小芳が申屠の山寨で火鍋を振る舞った話が生きてくるのですか(白目) このドラマ、何気にしょーもないエピソードを伏線として丁寧に生かしてくるんですよね……


ということで鴻門宴@火鍋店です (^_^;) 項羽は唐辛子のきいた辛い方のスープがお気に召したようで、上機嫌で劉邦の差し出した秦の玉璽を受け取りますが、范増は劉邦の殺害を謀っているようで……
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