博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『天意』その2

2018年06月18日 | 中国科幻ドラマ
『天意』第4~8話まで見ました。

さて、墓泥棒蕭何は申屠の山賊団の一味で、申屠からは恋人のように思われているのですが、それが嫌で山寨から抜け出そうとしておりました。何だかんだと山寨に連れてこられた銭小芳も山寨脱出に協力しようとして、手持ちのスマホで見ていた『ショーシャンクの空に』をヒントにしようとしたり(しかし肖申克だの安迪だのという名称で映画の筋が語られると、漢籍に載ってる故事のように聞こえてくるから不思議ですね)、申屠と配下たちを酒宴で酔いつぶさせて山寨から脱出しようとして、余興で小芳がダンスを披露したらなぜかインド映画のダンスシーンのようになったりと、割とやりたい放題です。



一方、韓信は相変わらず神の使者()滄海客につきまとわれ、「死んだ季姜に会わせてくれるなら取り引きに応じてやるよ」と無理難題をふっかけますが、「季姜は死んでないぞ?」というわけで、季姜こと銭小芳のいる山寨に十二辰(24時間)限定で飛ばされてしまいます。小芳には当然季姜としての記憶が残っておりませんが、韓信は彼女が何らかの事情で記憶を失ってしまったのだろうと解釈します。相手が韓信だと知った小芳は蕭何と三人でやはりスマホで自撮り。

しかし沛県で役人をしているはずの蕭何が墓泥棒で、淮陰でうだつの上がらない人生を送っているはずの韓信が官府の指名手配なのはおかしいのではないかと気付きます。ひょっとして小芳は我々が知っている過去ではなく、違う世界線の過去に飛ばされてしまったというオチになるんでしょうか?はたまたこの世界は我々の世界の遥か未来で、一旦文明が滅亡した後に石器時代からやり直した世界ということだったりするんでしょうか……?

その頃、山寨に近づく怪しげな軍団が…… 申屠の山賊団のライバルにあたる禿鷲団がその正体なのですが、その頭目はこんな人です!!



何となくカリブ海で海賊をやってそうなナリですね。山賊団同士の戦いということで『三国志 趙雲伝』こと『武神趙子龍』を思い出してしまったのは私だけでしょうか…… で、韓信が参謀役に収まり、小芳も持ち前の科学知識で申屠・蕭何らを助けて危機を切り抜け、十二辰の期限がきてしまった韓信は小芳に祖先伝来(晋の韓厥の子孫という設定になっています)の「無影剣」を託して滄海客のもとに戻り、小芳は申屠らから山寨を救った英雄として新たな老大(頭目)に推戴されます。

小芳は申屠と蕭何を何とかカップリングしようとし、「私の時代だとそういうのは普通だからね?」「彩虹(レインボー)って知ってる?」と声をかけたりしています。LGBTのシンボルマークとしてのレインボーは中国でも受け入れられているんですね。 というか申屠がいつも蕭何のことを気に懸けていてどんだけ蕭何のことが好きなんやとなってしまいますが (^_^;) そして勢い余って秦の時代に火鍋を発明してしまう小芳。山寨の食材をあさっててなぜか明代に海外から入ってきたはずの唐辛子があるのを疑問視していますが、このあたりも違う世界線もしくは遥か未来の話かもしれないというのが絡んでいるのでしょうか…… しかし韓信の行方が気になる小芳は山寨を発つことにし、彼女を「女神」と崇める蕭何がお供をすることになります。

で、神の使者()滄海客ののもとに戻された韓信は、同じく神()に選ばれてしまった張良を探すというミッションを授かります。



張良は従妹の天依とともに同志を集めて官府襲撃を計画していましたが、内部から計画が漏れて追われる身となり、天依が秦軍に捕らえられてしまいます。そこを韓信と出会い、協力して彼女を救出し、東方へと逃れます。ここで韓信の謎の師匠の正体が尉繚であること、張良がかつて滄海客から異術を授かり、また彼から授かった医療器具で互いの血を入れ替えることによって奇病に冒されている天依の命が保たれていることなどが明かされます。

咸陽の始皇帝は河南郡の日照りによる災害などを顧みず阿房宮や長城の建設を推し進め、滄海客(始皇帝に対しては東海客と名乗っている模様)・女羲から見放されておりましたが、彼自身は滄海客から不老長寿の秘法を授かるという大望を諦めず、自ら東方に巡幸して滄海客と仙薬を探し求めることに。その情報を得た韓信・張良は、途上で待ち受けて暗殺を決行しようとしますが…… ということで次回以降博浪沙に突入するようですが、韓信が元ネタの力士倉海君の役回りをつとめることになるのか、はたまた倉海君→滄海客が絡んでくることになるのか?
コメント
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