博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『秀麗江山之長歌行』その3

2016年12月19日 | 中国歴史ドラマ
『秀麗江山之長歌行』第10~15話まで見ました。

劉縯・劉秀は一族を説き伏せて王莽打倒のための舂陵軍を結成し、王匡・朱鮪らを中心とする新市・平林軍と合流。平林軍には前回登場した劉玄も加わっております。この新市・平林軍合流時に劉秀が馬ではなく牛に乗っていますが、これは史実を踏まえたエピソード。

初陣では順調に勝利を飾った舂陵軍ですが、漢軍の主導権をめぐって劉縯らは王匡・朱鮪らと対立。そして小長安聚の戦いでは王莽側の岑彭によって大敗を喫し、劉縯・劉秀の兄弟劉仲や、鄧晨の妻となっていた姉の劉元など、多くの人が亡くなります。ここらへんで兄の陰識や嫡母の理解を得た陰麗華が援軍として舂陵軍に合流。本作では陰麗華は完全に「戦うヒロイン」となるようです。

王莽側へのリベンジとなる泚水・淯陽の戦いでは、逆に舂陵軍が大勝。ここで初めて自軍の敗報を耳にする皇帝王莽が登場するのですが……




『相愛穿梭千年』(邦題『皇后的男人』)の頃の若き日のイケメンぶりは見る影もなくなってますね (^_^;)

この大勝を承け、王匡・朱鮪は劉縯を牽制するために劉玄を皇帝として擁立。これが更始帝です。王・朱らは彼を傀儡にする気満々で、劉玄も泡を食って「自分はその器ではない」と辞退するふりをしますが、その実彼は傀儡に甘んじる気はさらさらないのでした。このドラマの劉玄は武功高手・知謀過人・野心家と三拍子揃った非常にいいキャラクターになっているので、『宮』など于正作品でこの手の厨二病系イケメンを好演したミッキー・ホーなど大物をキャスティングしても良かったと思いますね。

そして更始帝によって劉縯は大司徒、劉秀は太常・偏将軍に任官され、舂陵軍は体よく解体。前後して劉縯は宛城攻略へと出征、劉秀らも漢軍側が押さえた昆陽へと派兵されます。ここで劉秀は太学の同級生で、王莽側の官吏となっていた馮異を配下に収めます。


個人的にこの馮異と劉秀、そして同じく元太学の同級生で隠者となっている、馬天宇演じる厳子陵、麗華にふられて以来登場シーンがない鄧禹を、本作の四大イケメンと呼んでますw

この劉秀らが駐屯する昆陽を、王莽側が42万の大軍を発して攻め寄せてくるということで、劉秀らは敵軍の包囲網を突破して定陵の主将王安に救援を求めますが、王安が救援を渋ると見るやあっさり彼を殺害して定陵の兵員を接収。そして王莽側の官吏であったという経歴を生かして馮異を王莽側に寝返らせ、心ならずも劉秀に捕縛されたということで相手を信用させ、王莽側の2人の主将王尋と王邑の離間を謀りますが……


この昆陽の戦いで、王莽側の部隊として一瞬こういう猛獣軍団が登場しますが、これも史実を踏まえたもの(描写に誇張はあるかもしれません)。このドラマ、割と細かい所で史実へのリスペクトが見えるんですよね。
コメント
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