博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『武媚娘伝奇』その11

2015年08月12日 | 中国歴史ドラマ
『武媚娘伝奇』第59~64話まで見ました。

出産の日が近づく媚娘ですが、工作員を侍女として忍ばせての流産の陰謀が発覚。その侍女を排除してようやく一安心と、高陽公主の誕生祝いの席で祝杯として茶を飲んだところ、にわかに異変が生じてお腹の子を流産。やはりこのドラマでも妊娠は地獄展開の始まりということになるのですか……

流産によって宮廷に留める理由が無くなったと、媚娘を寺に戻すよう高宗に要請する長孫無忌。一方、高陽公主は流産によって媚娘が先帝の太妃という立場からフリーになったのだから、いっそ自分の側室として迎え入れてはどうかと高宗に提案。

一方、高陽公主は流産によって悲嘆に暮れる媚娘には、黒幕は王皇后であると思い込ませ、それとなく皇后への復讐心を煽ります。そして公主から媚娘が懐妊したら男であっても女であっても赤子を殺せという遺詔を太宗が残していたことを知らされた媚娘は、闇落ちして高宗の側室となることを決意。遂に主役が闇落ち\(^o^)/ 流産の黒幕は実のところ王皇后でも蕭淑妃でもないことが視聴者にはわかるようになっていますが、ここまでの展開を見てると真の黒幕は誰かもう何となくわかってきますよね……

で、高宗は長孫無忌ら群臣の反対を押し切り、媚娘を自らの昭儀として迎えることに。ここで呉王が太宗の太妃からその子高宗の昭儀へと転じた彼女を「あなたは父皇への愛情などどうでもよいのか」と詰りますが、すかさず「真情(本当の愛情)は一時のこと、権力は一世のこと」と切り返します。このドラマにもようやく『宮廷の諍い女』ばりの名台詞が出てきましたね。

媚娘に対抗するため、長孫無忌らは未だ子供のいない王皇后に、生母劉氏の身分が低い陳王李忠を継子として迎え入れ、太子の座に即かせるよう提案。宮中で母一人子一人で暮らしてきた李忠母子はそれに難色を示しますが、ならば王皇后一派は劉氏の毒殺を図るに違いないと読み、敢えて毒殺を行わせてそれを高宗に暴露し、王皇后を追い落とそうと画策。段々発想が黒くなってきた媚娘ですが、一瞬良心を取り戻し、やはり皇后の手が回る前に李忠母子を自分のもとで保護しようと思い立った所、タイミングが一瞬遅く、劉氏は毒を盛られて余命七日の状態に。正確には皇后が毒殺を命じたわけではなく、その配下の侍女たちの画策のようですが……

今まで高宗の側室としての身分が与えられなかったことで、皇后に含むところがある劉氏は、媚娘と相談のうえ敢えて服毒して皇后と李忠との対面式に臨みます。そして与えられた茶を飲んで毒死したところ、タイミングを見計らってやって来た媚娘と高宗がそれを目撃。たちまち皇后が劉氏の毒殺を図ったに違いないということになりますが、ここで李忠が、母親が服毒していたことをバラしてしまい、皇后の嫌疑が晴れます。そして皇后は目算通りに李忠を継子として引き取ることに。

一方、皇后一派の陰謀により媚娘が呉王と密会しているらしいという噂を耳にした高宗。実のところ不倫とかそういう話ではなく、媚娘が呉王を自派に取り込もうと接触しているだけなのですが…… ともかく夜な夜な媚娘の跡を付けてみたところ、承慶殿内で、かつて太宗とともに社交ダンスを踊ったことを思い出し(その1を参照)、呉王と踊ってる媚娘の姿を目撃してしまい…… 呉王の媚娘に対するぎこちない態度が何だか童貞臭いのですが、ここまで呉王の妻妾や子らしき人々は登場せず、常に身辺にいるのは亡き母親に仕えていた侍女の青玄のみ(それも煬帝の外孫にあたる呉王を隋朝復興の旗頭に仕立て上げようという目論みあり)という状態なので、そのあたりは(察し)というやつかもしれません……
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