博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『聊斎 画皮』

2007年08月24日 | 中国古典小説ドラマ
このエピソードの主人公は江華演じる王安旭と潘儀君演じる陳楚彗の夫婦。王安旭は貧乏な家の出ながら科挙に及第し、更に画才によって皇帝・皇后のお気に入りとなった人物で、陳楚彗の方は翰林学士の娘で皇后の姪という名門の出です。王安旭は妻の従兄弟の依頼で人間の皮膚で作られた画紙に美人図を描くことになりますが、この絵から美人が浮き出て実体化し、王安旭の前に現れたことから騒動が始まります。

前回の『陸判』はコメディタッチで、ほぼ勢いだけでラストまで爆心して行きましたが、こちらの『画皮』は全体的にしっとりとして怪談っぽい仕上がりになっております。絵から実体化した美女は実は王安旭と因縁のあった人物の霊が乗り移ったもので、彼女によって王安旭の旧悪が暴露されていきます。

このエピソードの冒頭で陳楚彗が夫と侍女の紫嫣との仲を疑い、紫嫣に無実の罪を着せて屋敷から追い出そうとしたところ、彼女が自殺してしまい、以来屋敷で怪現象が頻発するというくだりがあるのですが、この紫嫣に関する話は後の部分で全く絡んできません。一体何の意味があったのか謎です……
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