『九道本』(全6話)を鑑賞。
荊州の民172名が開封府まで押し寄せて地域一帯を統括する転運使の王倫を訴えるところから今回の話が始まります。先頃荊州では大規模な水害がおこったが、その原因は王倫が治水工事の費用を着服して手抜き工事をさせ、その結果豪雨によって堤防が簡単に決潰してしまったからであると言う。包拯は荊州の民を保護して訴えを聞き入れるが、王倫は開封に手下の荊無命を派遣し、荊州の民のリーダーである胡大海を暗殺させてしまう。
この王倫という男は都の大官にも顔が利き、目上の者には紳士的に振る舞い、下々には厳しくあたるという典型的な貪官であった。包拯は彼を開封に呼び出して取り調べを開始するが、彼はあの手この手で包拯の追及をかわしていき、なかなか尻尾をつかませない。
更に彼には燕燕という義理の妹がおり、仁宗の後宮に入って寵姫となっていた。ある日燕燕は大理国から献上された珍珠衫という装飾品を仁宗より賜るが、これは本来龐貴妃に与えられるはずのものであった。王倫は龐貴妃とその父親の龐太師の権勢を恐れ、珍珠衫を龐貴妃に譲るよう燕燕を説得するが、聞き入れられない。王倫は開封一の富豪の李君候も珍珠衫を所有していることを知ると、荊無命に命じて李君候の一家を皆殺しにして珍珠衫を強奪させ、西域の胡人から購入したと偽ってこれを龐貴妃に献上した。李君候一家殺害事件の捜査も受け持つことになった包拯は、この事件の背後にやはり王倫がいることを察知する……
このエピソードに出て来る王倫は前回の『紅花記』の古長玉とはまた違う意味で手強い悪役です。包拯が手を打ってくる前にその対策を練り、追及をかわし続けます。李君候一家殺害事件でも、唯一生き残った侍女の莫愁に対して小細工を重ね、自分こそが命の恩人であると彼女に信じ込ませることに成功します。更に後になって彼女が王倫を疑い始めると、今度は李君候が実は彼の一族の仇であるという作り話をこしらえ、それを信じ込ませます(^^;) このあたりの手練手管が今回の見所ですね。しかしそんな彼の所行が燕燕に知られてしまい……
荊州の民172名が開封府まで押し寄せて地域一帯を統括する転運使の王倫を訴えるところから今回の話が始まります。先頃荊州では大規模な水害がおこったが、その原因は王倫が治水工事の費用を着服して手抜き工事をさせ、その結果豪雨によって堤防が簡単に決潰してしまったからであると言う。包拯は荊州の民を保護して訴えを聞き入れるが、王倫は開封に手下の荊無命を派遣し、荊州の民のリーダーである胡大海を暗殺させてしまう。
この王倫という男は都の大官にも顔が利き、目上の者には紳士的に振る舞い、下々には厳しくあたるという典型的な貪官であった。包拯は彼を開封に呼び出して取り調べを開始するが、彼はあの手この手で包拯の追及をかわしていき、なかなか尻尾をつかませない。
更に彼には燕燕という義理の妹がおり、仁宗の後宮に入って寵姫となっていた。ある日燕燕は大理国から献上された珍珠衫という装飾品を仁宗より賜るが、これは本来龐貴妃に与えられるはずのものであった。王倫は龐貴妃とその父親の龐太師の権勢を恐れ、珍珠衫を龐貴妃に譲るよう燕燕を説得するが、聞き入れられない。王倫は開封一の富豪の李君候も珍珠衫を所有していることを知ると、荊無命に命じて李君候の一家を皆殺しにして珍珠衫を強奪させ、西域の胡人から購入したと偽ってこれを龐貴妃に献上した。李君候一家殺害事件の捜査も受け持つことになった包拯は、この事件の背後にやはり王倫がいることを察知する……
このエピソードに出て来る王倫は前回の『紅花記』の古長玉とはまた違う意味で手強い悪役です。包拯が手を打ってくる前にその対策を練り、追及をかわし続けます。李君候一家殺害事件でも、唯一生き残った侍女の莫愁に対して小細工を重ね、自分こそが命の恩人であると彼女に信じ込ませることに成功します。更に後になって彼女が王倫を疑い始めると、今度は李君候が実は彼の一族の仇であるという作り話をこしらえ、それを信じ込ませます(^^;) このあたりの手練手管が今回の見所ですね。しかしそんな彼の所行が燕燕に知られてしまい……