山口淑子・藤原作弥『李香蘭 私の半生』(新潮文庫・1990年12月)
先月テレ東系で李香蘭のドラマが放映されたのを機に復刊されたものです。戦前に大陸で女優として活動していた頃のことが中心に扱われています。本人の記憶に頼って書かれた回想録かと思いきや、当時の関係者と再会して記憶を確かめ合ったり、関連する資料にあたったりと、結構手間暇掛けて内容の裏付けを取っているようです。あるいは資料の調査については共著者として名の挙がっている藤原氏が当たったのかもしれませんが。
大戦後の彼女の活動については付篇という形で簡単にまとめられていますが、本書では彼女がなぜ参議院議員として政治活動を行うことになったのかについては全く触れられていません。「政治の分野に立ち入ることは避ける」という共著者同士の取り決めから敢えてこの話題を避けたようですが、本書が最初に刊行されてから年月が過ぎた今となっては、却ってこのあたりの事情について詳しく知りたいところです。
先月テレ東系で李香蘭のドラマが放映されたのを機に復刊されたものです。戦前に大陸で女優として活動していた頃のことが中心に扱われています。本人の記憶に頼って書かれた回想録かと思いきや、当時の関係者と再会して記憶を確かめ合ったり、関連する資料にあたったりと、結構手間暇掛けて内容の裏付けを取っているようです。あるいは資料の調査については共著者として名の挙がっている藤原氏が当たったのかもしれませんが。
大戦後の彼女の活動については付篇という形で簡単にまとめられていますが、本書では彼女がなぜ参議院議員として政治活動を行うことになったのかについては全く触れられていません。「政治の分野に立ち入ることは避ける」という共著者同士の取り決めから敢えてこの話題を避けたようですが、本書が最初に刊行されてから年月が過ぎた今となっては、却ってこのあたりの事情について詳しく知りたいところです。