過熱した報道が、一部見受けられますが冷静に、防空識別圏とは何ぞやと理解しないと対立ばかりあおる結果となるでしょう。
現代国家はどこの国であれ、主権が存在します、当然主権を行使する場合もあるでしょう、今回の防空識別圏の問題も中国だけ防空識別圏を作るなの理屈は通らないでしょう。
中国の場合、相手に強制力を使うことが問題でしょう。
防空識別圏を世界ではじめて設定したのは米国です、1950年12月行政命令(我が国の政令に相当する法規)によって米国沿岸から直線距離にして600Kmから1000Kmの範囲を防空識別圏としています。そしてこの空域に侵入するすべての航空機に対して米国所定の機関に、その位置報告と飛行計画の事前提出を義務づけています。
米国がこのような防空識別圏を設定したのは、かって我が国が米国に対して行った真珠湾攻撃の戦訓が動機であると言われています。航空機が速くなった今日、従来のように領空に侵入される以前の段階において、その兆候を捉えなければ、奇襲攻撃から国土を防衛することができないという問題意識からであったと言われています。
尖閣問題で、防空識別圏を設定したと思われがちですが、将来的には必ず設定したでしょう。これだけ大国となった以上・・・防空識別圏が二重、三重に重なったところで運用上の問題であると思います。
但し「領空」になったらまったく別問題で、当然どの国も空軍力を保有していれば強制力を行使するでしょう。
唯、今回の尖閣問題で中国の防空識別圏設定が早まった可能性はあると思います。
設定前に中国は米国と話し合ってる可能性があると考えるのが自然です。日本の防空識別圏=米国防空識別圏(戦後)でもあります。先般のB52爆撃機飛行もホットラインがありますし・・・
対立が増してきた尖閣問題は、過去の棚上げ論等を再精査したら答えは、朧げながら見えてくる可能性があります。国民に正しく正確な情報を開示しない為、複雑にしてると思います。
中国の防空識別圏は強制力を使う可能性があり、フライトプランの提出が100%必要無いとは言い切れない一面があると思いますが、確かに理不尽な面が多々あります。
やはり冷静に考えることが必要です。中国の防空識別圏は、欧米、日本等のようにデータリンク等がシステム化されておらず各国にフライトプラン提出を求めてる側面があると思います。
ニュースにあるように、自衛隊、米軍に対し中国軍のスクランブルはなかったと言っていますが、日本側の発表も少し疑問です・・・
防空識別圏内での飛行は強制力等に左右されては困ります、特に中国が提出してるNOTAMは現時点では安全確保等のもの・・・NOTAMをまったく無視するのは現実的でないと思うべきです、米国の対応は分かれるところですが、私だったらNOTAMを無視する旅客機には乗りたくないですね、100%安全でないからです。