以下文は主にウォール・ストリート・ジャーナル、Frankfurter Allgemeine Sonntagszeitung、CHECK PINT RESEAECH、BBC・NEWS(5月2日)、過去のスノーデン氏発言、夕刊フジ、ウィキペディア等々を参考に一側面を記していますが、素人個人のファーウェイ観等で誤英訳による可笑しな解釈が多々あると思います。一部著作権に反しないコピー等文があります。文はまとまりのない日々のフィクション程度の雑日記とします。
何故、華為技術(Huawei/ファーウェイ)は米政府の問題、標的になってきたか?どのような会社で主に何を作っているか?
昨今、安倍首相は会見で「情報の窃取、破壊、情報システムの停止と悪意のある機能が組み込まれた機器を調達しないようにすることが極めて重要であると認識しています。」と語っています。
麻生太郎財務相はファーウェイに部品供給をしている日本企業があり、日本にも影響が出ることを覚悟しなければならないと発言しています。
何処のメーカーにしろ悪意、悪意の可能性を秘めてる器材は調達しないことが日本の国益を守ることになると思います。中国には2017年施行の国家情報法があり、第7条では全ての組織、国民は国家の情報活動に協力しなければならないと記されています。安倍首相はファーウェイを名指しこそしていませんが国益、安全保障を意識した会見でもあったと思います。
一例としてドイツ、フランス、韓国等は独自策のようです。
韓国の場合・・・日本と違い、主要IT企業は当面、取引継続するようです。ファーウェイの5G基地局は重さ40キロ、男性であれば1人で取り付け可能で設置コストを格段に下げられると言われています。韓国ではこのファーェイ製5G基地局が18000局設置済みのようです。
ドイツの場合・・・5Gファーウェイ製品を排除せよという、米国の要請を拒絶する意向を固めています。米国はドイツに対し、ファーウェイ製品を使用した場合、機密情報の共有の停止を言われていましたがドイツはこれを無視するようです。更に、ドイツ紙Frankfurter Allgemeine Sonntagszeitungは、ドイツ政府の匿名筋の話として米国の一部の政府関係者はドイツ政府が5G導入にあたって講じようとしているセキュリティ対策が十分であるとの認識を示したとも伝えています。ドイツ政府の決定はファーウェイが中国政府の要請を受けて、スパイ行為を行っているという明確な証拠はないとする通信業界の意見を考慮したようです。
フランスの場合・・・5Gインフラ設備に関わるフランスのセキュリティー関連法案が4月に国民議会(下院)の第1読会を通過しています。国家安全保障の観点から、5G用の基地局などインフラ整備については国の事前認可制度を導入するものです。違反した者には1年の懲役と15万ユーロの罰金が科せられ、違反企業は企業名を公表、75万ユーロの罰金、国内事業活動の5年間または永久停止処分の罰則を受けます。現地メディアの多くは、ファーウェイをフランス国内の5G用通信機器市場から締め出すのが狙いと報道しています。
アニエス・パニエ=リュナシェ経済・財務副大臣は4月10日付のル・モンド」紙のインタビューで、ファーウェイを脅威に感じているか?のインタビューに対し、5G関連機器がサイバーセキュリティーの面でリスクになることは確かだ、我々はこの点を考慮しなければならないとしつつ、ファーウェイを大手通信機器メーカーの1つとして他社と同様に捉えている。ファーウェイがノキアやエリクソンのようにフランス国内市場に投資することを歓迎する。サムスンなどほかのメーカーの参入も歓迎すると述べています。
5G(第5世代移動通信システム:高速・大容量化、超多数端末接続、超低遅延、超高信頼性等)は世界が決めた標準規格で中国は30%以上の特許を保有しているとも言われています。特に自動化運転等々、私達にとって極めて身近な技術で5Gを制することは通信世界の一部をも制するとも言われ、米国は大きく後れを取っています。ファーウェイ排除はファイブ・アイズ(第2次世界大戦後の安全保障体制の基礎であった米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)にとって相当の焦りがあったからでしょう。勿論勿、安全保障上のリスクも考慮されているでしょうが・・・
一つの見方として、このまま5Gのみならず中国の通信技術等が進めば、これまでのような対中国情報収集が難しくなるとも言われています。スノーデン氏のこれまでの記事、発言等からインターネット、通信網、パソコン、スマートフォン等は開発者等が自由に情報を得られるよう作られていると理解するのが自然にも思えます。リークされた書類によると、米国はこれまでファーウェイのシステムにハッキングを仕掛けていたと言われていますし、プリズムと呼ぶ米情報収集活動を念頭にした場合大きな制約を受けます。特に政治体制等が異なる国で独自に開発された場合許せないでしょう。スノーデン氏自身が述べているように白人世界(ファイブ・アイズ)の所有物等でもある通信技術・情報等々、ファーウェイを排除しなかったらこれまでの白人優位の通信世界は大きく変わるでしょう。
ファーウェイは世界最大の通信機器(ネットワーク上のデバイスの接続を助ける基地局や携帯電話の中継塔も含む)メーカーでした。韓国のサムスン電子に次ぐ世界2位の携帯電話メーカーで米国では殆ど携帯を販売していません。世界で最も成功した中国企業とも言われ、米国インテルを上回る約18万人の従業員、欧州、アフリカ、南米等世界中に通信ネットワークを築いています。会社は株式非上場で従業員持ち株制度を導入しており中国人の従業員8万人が株式保有、創始者任氏の持ち分は1.4%のようです。(外国籍従業員には別のインセンティブ(社員や組織の意欲を引き出すために、外部から与える刺激策等)プランがあるようです。)、業績の浮沈がそのまま従業員の報酬に直結する、組織に緊張感をもたらす仕組みが取り入れられており、経営手法は孟氏(任氏、CEO・会長の娘、カナダで逮捕)が米国IBM本社を手本にしたとも言われています。
2018年の売上高925億ドル(約10兆4000億円)で、中国の電子商取引大手アリババグループの3倍を上回ります。売り上げの約3分の1、昨年は約130億ドルが研究・開発(R&D)費で世界トップクラスです。
創業者の任氏(現在74歳、CEO・会長)は、山奥の貧しい家の出身で1983年に中国人民解放軍(PLA)除隊、1987年に深圳で2万1000元(当時のレートで5600米ドル)の資金でファーウェイを設立・創業、軌道にのるまでは貧しい日々が続いたとも述べています。株式の1.4%を保有、人民解放軍在隊時は通信インフラ等に携わったとも言われており、除隊するまでの10年間通信網の構築に携わっていると言われています。この人民解放軍勤務が任氏の問題の一つとも言われ、バックドア・プログラム疑惑、通信データの抜き取り疑惑等で米国のやり玉にあがっていました。
任氏はファーウェイを設立する数年前、娘(カナダで逮捕)の孟氏と息子の任平を故郷である南西部の貴州省で教師をしている両親の元に送っています。任氏はかつて子供たちにもっと多くの時間を一緒に過ごしてくれる父親と、子供たちが成長するための基礎を築いてくれる父親のどちらがいいか尋ねたことがあると語っています。子供たちは自分たちの将来のための基礎づくりの方を選択したと述べています。
任氏は創業以来質素な生活面が垣間見れ、出張時は誰も同行させず、1人でスーツケースを引いてタクシーを呼び、持っていく資料を自分でタクシーのトランクに入れ、空港に向かう・・・巨大企業のCEOのイメージからは程遠いようです。日本人歌手の千昌夫の大ファンで、北国の春(1977年発売の千昌夫のヒット曲名)という著書を2001年に上梓(じょうし:書物を出版すること)しています。 特にこの著書の中で、日本の厳しい経済環境等を教訓に自社の停滞期を細かく分析、歌になぞらえて、冬の時代を耐え抜けば、春がやってくるでしょうと述べています。ファーウェイ経営はIBM手法+日本式(生産体制はトヨタを退職したエンジニアの方などから学び、品質管理制度に日本のものを採用、世界でも最高品質の日本、ドイツ製の製造機械等々を多用しています。)+孫子の兵法(戦略)と言えると思います。
5Gはどんな価値を提供するでしょうかの質問に任氏は・・・一人ひとりのビットあたりのコストは10分の1から、もっと言えば100分の1になっていくでしょう。そうなれば経済的に豊かでないどんな地域でも、人々は教育を受けることが出来ます。小さな子どもたちは世界中を見られるようになります。
5Gの覇者に最も近いと言われたファーウェイ、中国の通信機器メーカーであるファーウェイ(Huawei/華為技術)の社名はもともと格安(中国政府の多額の支援金のためとも言われています。))スマホユーザーの間では定番スマホとして知られる存在だったようです。ファーウェイはスマートフォン端末市場において、韓国サムスン電子に次ぐ第2位の地位にあると共に、通信インフラ(基地局設備)においてもエリクソン、ノキアに並ぶ世界のトップメーカーでエベレストの南壁、北壁にも基地局を設置しています。携帯電話市場において端末、基地局の両方を制することは5G等戦略上極めて大きいと言われています。
2012年には米議会の報告書で、ファーウェイは国家安全保障上の脅威だと名指しされました。事実上、米国市場から排除、米国での好機をうかがいながら、世界進出を加速させたようです。実はこの国家安全保障上の脅威という言葉を日本に対しても使用しています・・・皆さんも是非この品目を調べてください、簡単に見つかるはずです。
私達は普段意識しませんが、携帯電話は端末、基地局が相互通信を行うことで通話、データ通信が行われますが基地局を越えて移動しても途切れることなく通信が継続する必要があります。特に、経済協力開発機構(OECD)36カ国の大半が華為の移動通信設備を使用していると言われています。国、地域を超えても提携先(ローミング先)の異なる携帯電話キャリアのネットワークにもきちんと接続される必要があり、相互接続性をインターオペラビリティと言われています。携帯局の基地局間は有線で結ばれ、バックボーンネットワークと言われ通信セキュリティーの肝とも言われています。基地局設備は各世代の通信規格が標準化されているので基本的な仕様はキャリアが異なっても共通、国、キャリアによって細部仕様が異なっているようです。何処でも携帯電話が繋がるためには、当然、細部の仕様対応可にする必要があります。
基地局、端末両方のノウハウ蓄積があるメーカーが当然、機器開発のコストやリードタイムの面で有利です。実用化される5Gで、そのポジションに一番近いのがファーウェイと言われてきました。現在までファーウエィは実害が無い?米国は覇権?を維持したい等々、大きな葛藤があったかも知れません。何故なら5Gを制するのは通信世界等を制するからでしょう。
5G通信の経済効果は一説では30兆円以上と予測され、その中核を担うのはファーウェイだと言われてきました。ファーウェイは本格導入後には、あらゆる機器にイノベーションをもたらす可能性がありました。ファーウェイは全てが水泡に帰すような昨今の状況です。
5G最先端市場は中国です。基地局数はアメリカの10倍とも言われています。牽引するのはファーウェイです。日本ではスマートフォン端末でよく知られており、アンドロイド端末では世界シェア2位でした。非上場のため、その売り上げの約50%は通信事業の研究開発への積極投資を続け、毎年売上高の10%以上を投資してきたようです。通信と端末の両方で技術的に競争力がある企業は世界でもファーウェイが断トツで、製品化スピード、品質は他社に負けないとも言われてきました。
ファーウエイの何が、何故、問題となっているのか?
ファーウェイの問題?は、次世代5G通信網の市場を席巻、国策企業、他国のサイバー・セキュリティが脅かされる。マルウエアRottenSysの混入疑惑、バックドア・プログラムの混入疑惑、通信データの抜き取り情報漏洩疑惑等でしょう。2014年情報を盗聴・抜き取っていたとされるレッドスキンズ事件がありますが、真意の程は精査していないので何とも言えません。中国には2017年施行の国家情報法があり、第7条では全ての組織、国民は国家の情報活動に協力しなければならないと記されています。ファーウェイといえど党から命じられれば拒否できないでしょう。
ファーウェイのRottenSys被害(?)の実例
中継基地局から個人データが抜かれていると言われ、ソフトウェアに「RottenSys 」マルウェアのプログラムが組み込まれていると指摘されています。システムWi-Fiサービスという名前に偽装されてインストールされ、Wi-Fi接続のアプリケーション・・・2014年情報を盗聴・抜き取っていたとされるレッドスキンズ事件(決定的証拠は?)、ファーウェイが最初から仕組んだのか、それとも被害者なのかは不明のようです。
ファーウェイが情報の抜き取り等を行なう根拠として、創立者の任氏が元・人民解放軍出身で中国政府と深い繋がりがあるからではと言われています。これらは可能性ではありますが、何処の国も安全保障に至っては可能性は排除するでしょう。
実際のRottenSysマルウェアの被害は、無断でする広告表示機能だと言われています。RottenSysは、悪意のあるアプリであることを見破られないように、当初はすぐには活動をしないように設定されており、代わりにC&Cサーバーに接続して、悪意あるコードを含む追加コンポーネント一覧のリストを送信し、C&Cサーバーからコンポーネントをダウンロードします。必要なコンポーネントがすべてダウンロードされると、Androidアプリの仮想化フレームワーク「Small 」を使ってコンポーネントを並行して実行し、ホーム画面やポップアップウインドウ、フルスクリーン広告を表示するようになるようです。
RottenSysは広告表示をするために中国Tencentの広告プラットフォーム「Guang Dian Tong 」と中国Baiduの「 Baidu ad exchange 」に接続されています。一例として過去の10日で13,250,756回の広告が表示、そのうち548,822回がクリックされています。これにより、実行者は少なくとも115,000ドル( 約1,200万円 )の利益を得たことになります。
これらは報じられている疑惑ですが、やはり余計なソフトウエア・プログラムRottenSysであり危険と認識すべきでしょう。ファーウェイが危険だとする根拠は広告収入を得るRottenSysウィルスの混入疑惑と、データの抜き取り疑惑ですが、実害としての被害の報告は昨年の時点では無いようです。
バックドアとは、 無許可で利用するための通信接続のことで、他人のコンピューターに無断で侵入できるバックドア疑惑が真実なら個人データの抜き取りが行われている可能性も否定できないでしょう。
米下院情報特別委員会の2012年の報告書はそうした懸念を公式に取り上げ、ファーウエイが国家の安全に脅威を投げかけていると指摘していますが、世界で具体的な大きな被害はない様で懸念が先走りしていたでしょうか?
米国は次世代通信規格5G開発でのファーウェイの急成長により、いずれ米企業が同社から機器を購入する羽目になりかねないとの懸念を膨らませてきました。ファーウェイがこれまで通信機器部門で主に競合していたのはスウェーデンのエリクソンとフィンランドのノキアで米企業ではないようです。
昨今のファーウェイ談では、自社については従業員持株制による企業で中国政府の命令を実行しているわけではなく、業界は共通のサプライチェーンを共有、機器は競合他社の製品と同様に安全ですと広報しています。ファーウェイは英国で機器を販売するため、同国当局者が研究所(英政府当局者も参加する委員会が監督)に立ち入ることをほぼ無制限に認めていました。
ファーウェイ創業者任氏の娘である孟晩舟氏とは?
過去10年以上にわたり、孟晩舟氏(モンワンジョウ・46歳、)は1972年に中国四川省の成都で生まれ、16歳の時、母方の姓を名乗り、キャシーとサブリナという英語名を持っています。第2外国語は日本語で、一家で日本に行くとドラッグストアに行くのが楽しみだったようです。
ファーウェイを世界最大の通信機器メーカーへと変貌させるため、問題となっている少なくとも7つのパスポートを使い分け世界中を縦横に動き回ってきたとも言われ、過去11年間に中国旅券を4通、香港旅券を3通、計7通の旅券の発行(再発行?)を受けていたとも言われ、米国へは過去33回入国していたようです。
孟氏は投資家、銀行家、各国政府に対し、ファーウェイが信頼できる企業であるとの安心感を与えようと努めてきたようです。ファーウェイの最高財務責任者(CFO・副会長)であり、人前に姿を見せない同社創業者の娘である孟氏は、昨年12月1日にバンクーバー空港に降り立った瞬間、世界を舞台に展開される苦しい戦いの矢面に立つ人物となったようです。
香港発のキャセイパシフィック航空便からの降機直後に、米当局依頼のカナダ当局によって逮捕されましたが、保釈後はバンクーバーにある高級な2軒の自宅のうちの1軒で生活、常時監視下に置かれ、午後11時から午前6時までの外出禁止状態にあり米国への引き渡しを待っています。引き渡し手続きは遅々としたものになるとみられています。身柄を米国に引き渡された場合、孟容疑者は複数の金融機関を騙そうとした罪に問われ、最大30年の禁錮刑に問われる可能性があるとも言われていますが、水面下で米中は協議しているとも言われています。
米国では対イラン制裁にファーウェイが違反したとして、銀行をだました疑いで裁判にかけられる見通しです。同氏はこれらの容疑を否認しています。カナダの法律では、カナダで犯罪とされない行為に関し第3国で処罰を受けさせるために身柄を引き渡してはならないとしています。孟氏の逮捕後、ファーウェイに対する世界の圧力は強まっています。ファーウェイは以前から、米国で厳しい監視の目にさらされていました。米当局は、ファーウェイの通信機器が米国民に対するスパイ行為に使われる可能性があるとの懸念から、自国の主要ネットワークへのファーウェイ製品の使用を実質的に禁止しています。対し、ファーウェイ側はこうした疑念を強く否定してきました。
オーストラリア、ニュージーランド、英国等は、次世代通信規格5Gネットワークの展開にはファーウェイを排除するようです。5Gモバイルネットワークの英国内での構築をめぐっては、一部の英メディアが、英政府内では全てオープンしており問題がないと思われるファーウェイ製品の使用を限定的に認める計画だと報じていました。ファーウェイ側は英国で機器を販売するため、同国当局者が研究所(英政府当局者も参加する委員会が監督)に立ち入ることをほぼ無制限に認めていました。
2019年5月1日、夜の会議でメイ首相はウィリアムソン国防大臣に対し、同氏が不正な情報開示(一部ファーウェイ導入計画等々の外部漏洩)に関わっていたことを示す有力な証拠となる情報を得たと伝え、国防大臣は辞任しました。以後、メイ首相の辞任は5G問題(ファーウェイを対応策でドイツ、フランスを意識していたとも?)も一部潜んでいると見る向きもあるようです。
孟氏の逮捕によって、ファーウェイは世界中の主要金融機関との関係を築いてきたキーパーソンだった人物を失いました。同氏はファーウェイの行動の秘密めいたベールをはがし、同社の透明性、独立性を世界に示す上で、重要な役割を果たしてきました。孟氏は、マダガスカルからミャンマーにいたるまで、ファーウェイが急速に事業を拡大した各地を日常的に訪問していました。バンクーバーで逮捕された際もメキシコ、コスタリカ、アルゼンチン、フランスを回り、中国へ戻る予定となっていた出張の途中で、米国へは過去33回入国していましたが今回は米国へ立ち寄ることは避けています。米検察当局によれば、2017年に捜査について知ったからだと言われています。孟氏は、この件に関するインタビューの求めに応じていません。
ファーウェイの創業者である任正非氏にとって、娘の逮捕は個人的にも、企業経営面でも大きな打撃となりました。ファーウェイを生み出した任氏は、めったにマスコミに登場しませんが逮捕後、娘に会えず非常に寂しいと語っています。
任氏は、ファーウェイの深圳オフィスで会見し、軍経歴、その後のファーウェイ立ち上げに要した年月によって孟氏を含めた子供たちと長い間離れて暮らすことになったと振り返っています。特に任氏は孟氏との関係について、彼女が子供だったころは、それほど親密ではなかった。その後は、ファーウェイを創業したことで、私はファーウェイの生き残りのための戦いを強いられたと語っています。1日に16時間を職場で過ごしていたとも話しています。
事の起こりは米国のビザ(査証)発給拒否から起きています。孟氏は1992年に華中科学技術大学(湖北省武漢市・九州大学等の協定校)大学を卒業してから1年後、米国留学を計画したが英語力が不十分だとして移民当局に拒否されています。このため、創業6年の父の新興企業(ファーウェイ)に入社しています。会計・財務の部署で出世の道を駆け上がり、当時同氏と一緒に働いていた人たちは、同氏が準備を怠らないプロフェッショナルで、厳格な父よりソフトなスタイルを持つ人物だと振り返っています。
2005年にはIBMとの提携のかじ取りをし、頻繁にIBMの本社を訪問、同社幹部らからファーウェイを世界的な企業にするための手法を学んでいます。この提携は、ファーウェイを通信機器の模倣品メーカーから一流の国際的な企業に変える後押しとなったようです。孟氏は2010年までの間にCFOに昇進し、同社取締役の一人になっています。以後、ファーウェイの成長が始まります。2011年には自社ブランドの端末事業を立ち上げ、翌年には任氏が3人のCEOを起用すると発表し、3人が交代で日々の経営にあたっています。同時にファーウェイが米国での事業拡大を模索するなか暗雲が垂れ込め始めます。それは、同社機器が安全保障上のリスクを生じさせる恐れがあるという米当局者の懸念によるものです。
2012年には米議会の報告書で、同社が国家安全保障上の脅威だと名指しされました。決定的な証拠は示されていなかったものの可能性が問題となり事実上、米国市場から排除されました。ファーウェイは米国での好機をうかがいながら、世界進出を加速させていました。孟氏は、ファーウェイを近代化させる取り組みにおいて中心的な存在でした。
財務に関する活動拠点をロンドンに移し、国際基準に合うように税務体制を刷新、同僚たちによると、孟氏は会議が始まる前までに報告書の全ページに目を通すような人物だったようです。ファーウェイが非公開企業として買収を模索したり、米国での新規株式公開(IPO)について協議したりしていた際に、ウォール街の銀行家たちと連絡を取り合っていた同社幹部の一人だったようです。ファーウェイが顧客や海外の銀行との関係を構築するために創設した年次金融フォーラムを主宰していました。これはニューヨーク等で開催、過去には米連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務めたアラン・グリーンスパン、ベン・バーナンキ氏、元オバマ政権当局者のローレンス・サマーズ氏が講演しています。
2014年にはモスクワでロシアのウラジーミル・プーチン大統領とともに壇上に立つと、同社が初の海外オフィスをロシアに設けて以降、いかにして170以上の国々に進出し、同社ネットワークが世界の人口の3分の1にサービスを提供するまでになったかについて講演しています。
中国の習近平国家主席は2015年に英国を公式訪問した際、同社ロンドンオフィスの一つを視察しています。この時、孟氏は深紅のドレスを身に付け、青いスーツを着た父と習主席の横に並んだ。スタッフは「The Song of China」という歌を歌っています。この歌には、全ての国は教えを請いたいとわが国にやって来るだろう。わが国は天に寵愛(ちょうあい:上の人が下の者を可愛がる等)される国であり、誰も止めることはできない。という歌詞があり、中華思想です。
任氏はファーウェイ内で、決して自らの後継計画を明かしませんでした。2013年のスピーチでファーウェイで自分の後継者になれるほどのビジョン、性格や決意を持つ人物が家族内に一人もいないと主張しています。ファーウェイには、任氏の兄弟や息子などの親族がいるが、最も目立っていたのは孟氏でした。孟氏は目立たないように行動、社内のカフェテリアで社員と並んで食事することが多かったようです。
カナダの裁判所提出文書では、孟氏は2007年までの結婚で3人の息子をもうけています。現在の夫である劉曉棕氏との間には娘が1人、劉氏はファーウェイのメキシコ事業を立ち上げた際の役員でしたが2006年に同社退社
孟氏と劉氏は2007年に結婚、結婚の立会人にはファーウェイの取締役が含まれていましたが、この人物は香港企業スカイコムを経営、孟氏はかつて同社の役員を務めていたが、スカイコムは、華為技術親会社の管理会社が2007年に完全子会社化、孟氏は当時、管理会社の幹部だったようで2008─2009年にスカイコムの取締役を務めていたようです。同社はテヘランに支社がありイランの大手通信会社に携帯ネットワーク機器を提供していたようで、この機器提供により米国側は盗聴が不可能になったと言う説があります。米検察当局はファーウェイによる対イラン制裁違反容疑事件においてスカイコムがイランでファーウェイの隠れみのとなっていたと主張しています。
昨年、8月にトランプ米大統領が国防権限法にサイン、中国2大通信企業である、ファーウェイとZTE(中興通信)の製品の米政府機関での利用を禁止、4月に米国市場から締め出されるZTEに続き、ファーウェイも標的となったようです。米中経済安全保障調査委員会(USCC)が技術系コンサルのインテロス・ソリューションズ依頼レポートでは、米国の安全保障を脅かす中国ICT企業として、ファーウェイの存在が指摘されていたようです。特に覇権を争う分野の中でも安全保障上も最重要で、絶対に次世代通信規格5Gの主導権を中国に奪われたくない米国のみならずファイブ・アイズにとってもファーウェイは潰したい企業NO1でしょう。
厳格なセキュリティー管理を自負するファーウエイ側・・・
我々は技術的に検証可能なことは全てやっています。でも、最初から黒だと決めつけている相手に、それは事実ではないと証明することは非常に困難、技術で解決できることではありません。
米国に脅威を抱かせるほどに成長したファーウェイは世界30社以上の通信事業者と5G実証実験を実施していました。スマホ出荷台数とサーバー出荷台数は、いずれも世界シェア3位、通信事業者向けネット
ワーク事業、コンシューマー向け端末事業、法人向けICTソリューション(エンタプライズ)事業の3大事業のそれぞれで世界首位を狙える、れっきとしたグローバルカンパニーでした。何と言っても特筆すべきは、非上場のため潤沢な研究開発(R&D)予算が可能のようです。2017年のR&D投資は約1兆5509億円で米アマゾン、米アルファベットに続く世界3位です。中国のITジャイアント、アリババやテンセントと異なり、M&A(合併・買収)の行使には消極的で自前成長を基本原則、経営者が乱脈経営に走ることはできないようです。会長職は半年ごとに3人の持ち回りで代わる輪番制を採用しているようです。
私達日本にも大きな影響を与えるファーウェイ問題、日本が避けて通れない高齢化社会下での5G等活用の世界・・・ファーウェイ報道の世界の主要メディアは雲上人のツールでもあり、オーソライズ(正統化、権限を与える等)されていると思うのが自然です。
ファーウェイを可笑しくしたのは中国政府かも知れません。2014年のレッド・スキンズ事件(決定的証拠?)のように、ファーウェイを利用し情報益を得ていたんじゃないかと言われる中国政府、公・私的にもファーウェイ製品を購入するには相応の信頼関係が無ければ難しいでしょう。トランプ政権は自国民益のため自国ファーストを貫くでしょう。
ファーウェイは2018年にすでに独自OS商標登録すべく申請を出しているとも言われています。任氏はスペア・タイヤ(OS)は早くから準備していたとも言っていますので独自OSは完成しているでしょう。任氏は孫子の兵法を厳守していると思います。
リーダー等に資金援助された昨今の香港での民主化デモ等々、中国へのイメージダウン策、ファーウェイ問題と切りはなすことは出来ないでしょう。
今後、先進国等でのファーウェイ発展には信頼関係が大切で中国政府に大きくかかっているかも知れません。
日米同盟を意識した安倍首相の会見、「情報の窃取、破壊、情報システムの停止と悪意のある機能が組み込まれた機器を調達しないようにすることが極めて重要であると認識しています。悪意、悪意の可能性がある機能が組み込まれた機器を調達しないようにすることが極めて重要であると述べているように日本も国益、国民益を考えるべきで特に安全保障を考えた場合、ファーウェイのみならず問題がある機器、可能性は全て排除すべきでしょう。異論があるかも知れませんが日本が置かれてる立場を考慮した、日米の未来を考えた策も大切だと思います。
アメリカの水準を大きく超えてしまったファーウェイの技術力・・・孫子の兵法を厳守するでしょう。ファーウエイ問題は世界、日本の未来社会等を大きく左右する問題であることは間違いないように思います。