想い出の小箱Ⅱ : 徒然草子

日常生活の中で感じたことを、徒然なるままに記述する。
OCNブログ人「想い出の小箱:レコード・コレクションからの続き。

THE RED NICHOLS STORY (MCA―3012)

2010-11-30 15:05:07 | 音楽

レッド・ニコルス物語

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大学在学中の誕生日に、誰も祝ってくれる者がなく、河原町に映画を観に出かけた。

めぼしい映画がなく、「五つの銅貨」という映画が目についた。サッチモが出演しているということで、観ることにしたが、あまり期待していなかった。

ジャズは結構聴いていたが、レッド・ニコルスについてはあまり知らなかった。

観終わって、まるで掘り出し物を得たような気分であった。

そして、レコード店を探して、このレコードを購入した。

彼が、日本で知られるようになったのは、1960年に封切られたニコルスの伝記映画「五つの銅貨」によってであろう。映画で、55歳のニコルス自身が演奏したというから驚きだ。

映画も良い出来であった。ニコルスの娘の幼少期を演じた女の子(名前が思い出せない)   は、「禁じられた遊び」のブリジット・フォッセー、「鉄道員」のエドアルド・ネヴェラと並んで、とても印象に残る子役の一人である。今はどうしているのであろう?

下のレコード・ジャケットは、この映画のサウンド・トラックLP(LONDON SLH 77)である。映画のシーンが思い出される。

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ベートーベン ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 (PHILIPS SFX-7513)

2010-11-28 10:19:31 | インポート

ヨーゼフ・シゲティ (ヴァイオリン)

アンタール・ドラティ指揮 ロンドン交響楽団

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チャイコフスキー、メンデルスゾーンと3大ヴァイオリン・コンチェルトと呼ばれているが、私は、断然、ベートーベンのコンチェルトが好きである。

この曲を初めて聴いたのは、高校時代で、受験勉強の気分転換に、手回しの蓄音機で、SP盤を何枚も替えながら聴いた。ヴァイオリンはハイフェッツで、トスカニーニ指揮のNBC交響楽団の演奏によるものである。レコードの保有数が少なかったので、何度も聴いた。

小学校の頃、昭和20年代、まだ外国からの演奏家の来日は珍しく、メニューインやコルトーの来日が大きなニュースになった。ラジオで聴いたメニューインのヴァイオリンの何とも言えない甘い音色が記憶に残っている。

ベートーベンのヴァイオリン・コンチェルトは、オイストラフ、シェリング、スターン他数多くのレコードが発売されており、どれを買うか、随分迷った。当時は、現在のように視聴してから購入するわけにもゆかず、名曲喫茶で聴くにしても、長時間なので、いろいろ聴くことはできない。決め手になったのは、カデンツアの楽譜がついていたからかもしれない。

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THE MILES DEWEY DAVIS JR  1956~1969 (SONP 50164-165)

2010-11-26 14:52:49 | インポート

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これは、マイルスの名演奏を2枚に集大成したレコードである。

マイルスの演奏を初めて聴いたのは、ラジオから流れてきた「死刑台のエレベーター」である。もちろん、その時は、曲名も演奏者も知らなかった。

ただ「これはなんという音楽だ!」という驚きと、身に震えを感じるような衝撃を受けたことを覚えている。

そして、この曲が、モダン・ジャズ入門への足がかりとなった。

それから、いろいろ調べて、ルイ・マル監督の映画「死刑台のエレベーター」のテーマ曲であることが判った。

話は逸れるが、ルイ・マルと云えば、映画「恋人たち」の主題曲に使用したブラームスの弦楽六重奏曲 第一番、第二楽章(後で判ったのだが)がとても印象的であった。

マイルスのレコードは、「クッキン」、「リラクシン」、「ワーキン」ほか、多すぎて、すべてを買うことは難しいが、普通のジャズ・ファンなら、このレコードで、ほぼ、彼の全容を知ることができる。

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ELLA and BASIE! (VERVE PS-8014)

2010-11-23 11:46:44 | 音楽

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エラ・フィッツジェラルドは、1964年1月、ロイ・エルドリッジと一緒に来日した。

大学で下宿生活をしているときであり、コンサートに行くには、食費をセーブしなくてはならないので、諦めていたところ、エラが本当にジャズの好きな人たちに聴いてほしいと、自分で後方の20席を買い取り、特別価格で売り出すとの情報を得て、朝一番に並んでチケットを入手して聴きに行った。確か、500円だったと記憶している。

最後列の席ではあったが、エラとロイの二人のジャズの巨人の競演を聴くことができ、エラの雰囲気も味会うことができた。

 今まで、エラとベイシー楽団の共演レコードはなく、1963年に録音された待望のレコードである。

 下の写真は、「エラのエリントン・ソング・ブック」(Verve VL-1021)で、エリントンとの共演も聴き逃せない。

 大学の入学金が1000円で、入学時の授業料が年間9000円であった。(卒業時には12000円)

若い人たちには、理解できないかもしれないが、間借りの下宿であるから、外食をすることになるが、コメのご飯を食べるには、外食券が必要で、米穀通帳は生活必需品であった。

 好きな音楽を聴くには、食費と天秤にかけねばならなかった。

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チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第1番 変ロ長調 作品23 (Victor SRA-2065)

2010-11-20 17:56:10 | 音楽

ピアノ ヴァン・クライバーン キリル・コンドラシン指揮 RCA交響楽団

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1958年、アメリカ人のクライバーンが23歳で、第1回チャイコフスキー・ピアノ・コンクールで優勝し、世界中を驚かせ、一躍有名になったのは、ご存じの通りである。

この名盤シリーズは、1965年に録音したもので、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番との組み合わせで、お買い得の1枚であった。

浪人して、受験勉強をしているとき、レコード・テープによる演奏会があり、気分転換に出かけて行った。「これからは、音楽は、レコードでなくテープの時代だ。」との説明、宣伝があり、演奏が始まった。

家では、まだ、蓄音機でSPレコードを聴いていた時代だけに、素晴らしい音に圧倒された。しかも、この曲は、まさにうってつけの選曲であった。


後年、コンサートでいろいろな演奏を聴くが、あの時の強烈な印象は忘れられない。