経済統計が発表され、日本の失業率は2%という完全雇用状態の数字である。
失業率の高い諸国から見れば、夢のような国に見えるだろう。
しかしながら、日本人の幸福感は高くないといわれる。
その理由の一つは、老後の不安にあるようだ。
一方、現状に対する不満は少ないようで、選挙結果に表れている。
完全雇用とはいえ、非正規雇用の問題は深刻なようだ。
先日発生した京大IPS細胞研究所の不正論文の背景にもこの問題があるようだ。
なんと、研究員の90%が非正規雇用の研究者というから驚きだ。
この研究者は、1年間の契約雇用で、3月までに成果を挙げなければ、雇用が継続されるかどうかわからない立場だったそうだ。
基礎研究の成果を2,3年で求めることには無理が多く、こんな状態が続けば、若い研究者の海外流出は避けられないだろう。
働き方改革などと叫んでいるが、もっと足元を見ないと、日本独自の研究開発には期待できなくなるだろう。