これは、マイルスの名演奏を2枚に集大成したレコードである。
マイルスの演奏を初めて聴いたのは、ラジオから流れてきた「死刑台のエレベーター」である。もちろん、その時は、曲名も演奏者も知らなかった。
ただ「これはなんという音楽だ!」という驚きと、身に震えを感じるような衝撃を受けたことを覚えている。
そして、この曲が、モダン・ジャズ入門への足がかりとなった。
それから、いろいろ調べて、ルイ・マル監督の映画「死刑台のエレベーター」のテーマ曲であることが判った。
話は逸れるが、ルイ・マルと云えば、映画「恋人たち」の主題曲に使用したブラームスの弦楽六重奏曲 第一番、第二楽章(後で判ったのだが)がとても印象的であった。
マイルスのレコードは、「クッキン」、「リラクシン」、「ワーキン」ほか、多すぎて、すべてを買うことは難しいが、普通のジャズ・ファンなら、このレコードで、ほぼ、彼の全容を知ることができる。