想い出の小箱Ⅱ : 徒然草子

日常生活の中で感じたことを、徒然なるままに記述する。
OCNブログ人「想い出の小箱:レコード・コレクションからの続き。

THE GOLDEN HITS OF LOUIS ARMSTRONG (MCA-7008)

2011-04-30 17:18:51 | アート・文化

 唄とトランペット : ルイ・アームストロング

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3月の大地震の後、都内へ出かけるのをできるだけ控えていたが、「岡本太郎展」が終わりに近づいたので、久し振りに出かけた。

彼の絵は、原色が強烈な印象を与えるが、良く観ると、とても繊細な色使いであることに驚かされる。

岡本太郎は、1970年の大阪万博の「太陽の塔」や「芸術は爆発だ。」の言葉で有名であるが、大阪万博には、いろいろと思い出がある。

当時、摂津市千里ヶ丘に住んでおり、万博会場に近かったので、何度も出かけた。海外旅行など珍しい時代で、外国の文化に直接触れる又とない機会であった。ただ、乳児がいたので、外国人が多数やって来ることで、変な病気が持ち込まれるのではないかと心配したものである。

各国のパビリオンは、どこに入るのも行列であったが、珍しい料理を食べるのが楽しみで、特に、記憶に残っているのが、ソ連館のレストラン「モスクワ」で、ロシア民謡を聴きながらの夕食である。

特に人気があったのが、アメリカ館のアポロが持ち帰った「月の石」、みどり館の「アストロラマ」(世界初の全天全周の映像ドーム)、お祭り広場の行事等々であった。

丁度、日本の高度成長期にあり、活気に満ちていた。今一度、あの時の活気を取り戻して欲しいものだ。

1970年は、ジャズの世界では、転機の年といえるかもしれない。フュージョンが主流へと変化して行く一方で、昔のスタンダードが見直され、優れたレコードが次々に発売された。

その中の1枚を紹介することにしよう。

この年に70歳になったサッチモは、ボーカルでも一流で、大いに楽しませてくれた。

このレコードは、1930年代から1950年代にかけて、デッカに録音したレコードから、特にポピュラーな曲をセレクトしたものである。

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BUD POWELL TORIO Featuring MAX ROACH

2011-04-28 17:12:49 | 社会・経済

バド・パウエルの芸術

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大地震による原発被害時に、社長不在らしいと知って不思議に思っていた。

3月11日、東電の清水社長を緊急に帰京させるため搭乗させた航空自衛隊の輸送機を北澤防衛大臣が、小牧飛行場(愛知)へ引き返させたとの記事があった。北澤は、自衛隊の輸送機は、被災地向けの輸送を優先すべきと考えて指示したと述べたとのことである。

なんと馬鹿な大臣がいるものだ。馬鹿の上に形容詞がつくのだろう。

何が優先すべき大事かが判断できないとは、空いた口がふさがらない。

かってない原発事故で、一刻を争う判断をせねばならない時に、トップの社長が不在では、大きな決断が遅れるのは当然である。これで、ベントの決断が遅れた理由が多少なりと判った。

民間企業のトップは社長であり、防衛大臣は防衛省のトップであるが、自身がトップとしての自覚と職務をしていないので、トップの位置づけが判らないのだろう。

総理大臣は国のトップであるが、最後の重大な決断は自分がせねばならないという自覚と能力がないなら職を辞すべきであろう。

この期に及んで、相変わらず、権力争いをしており、これでは、先が思いやられる。

先日、ウソについて述べたが、発表されている情報には、ウソが多いようである。はずれたほうが良いのだが、どうやら、私の第六感が当たりそうな雰囲気、様相になってきた。

 バド・パウエルは、前に紹介したビ・バップ・スタイルのジャズをジャズ・ピアノの分野に定着させ、「モダン・ジャズ・ピアノの祖」と称せられる。また、現在まで続く、ピアノ、ベース、ドラムスによる「ピアノ・トリオ」形式を創始した。

このアルバムは、1947年(前期)と1953年(中期)の特徴を再現している。


Heifetz plays ZIGEUNERWEISEN (VICTOR SHP-2428)

2011-04-24 10:32:34 | 本と雑誌

ヴァイオリン: ヤッシャ・ハイフェッツ

ウィリアム・スタインバーグ指揮 RCAビクター交響楽団

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NHK教育TVで「100分de名著」と云う番組が放送されていた。つけてみると、ニーチェの「ツァラトゥストラ」を取り上げていた。昔の大学生は、必ず、哲学を学んだようだが、私たちの頃は、哲学は必修科目になっていなかった。教養課程で、授業には出てみたものの、あまり面白くなく、結局、単位も取得しなかった。従って、ほんの表面的なことしか学ばなかったといってよい。

哲学者の三木清が郷里の出身でもあり、夏目漱石を読み、西田哲学を論ずるのは、大学へ入れば当然と思っていたが、専門課程になると、大部分の時間を経済学に費やした。

ハーバード大のサンデル教授のような哲学の講義であれば、もっと真面目に勉強しただろう。

今回の番組は、実にうまくポイントを抑えており、ニーチェの本質を理解していなかったと、自分の勉強不足を思い知らされた。

当時、彼の思想が、ヒットラーに利用されたため、彼の評価は必ずしも高くなかったが、現在の混沌とした時代の中で、再評価され、白取氏の「超訳 ニーチェの言葉」がベスト・セラーになっているそうである。

ニーチェが生まれたのは1884年で、彼は、ワーグナーのファンであり、彼自身も20歳頃まで、歌曲やピアノ曲を作曲しており、「マンフレッド瞑想曲」が残されている。

1884年生まれの音楽家には、パブロ・サラサーテがいる。今回は、彼の代表作である「ツィゴイネルワイゼン」をヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリンで聴くことにしよう。

B面には、ベートーベンの「ロマンス ト長調」、「ロマンス ヘ長調」他が収められている。


METRONOME ALL-STARS  (CBS SONY SONP 50419)

2011-04-21 16:28:27 | スポーツ

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昨日の試合で、巨人が阪神に逆転勝ちをした。それだけであれば、何のことはないのだが、折角の好ゲームが台無しになり、後味の悪い試合になった。

7回裏。1点差で、2アウト、ランナー1,3塁の場面である。打者の打ったフライを2塁手が落球するのだが、それを見逃した1塁の塁審がアウトを宣告する。当然、阪神は抗議をするが、審判団は誤審を認めない。ジャッジをした審判の位置が悪いので、見えにくいのだが、2塁の審判には落球が見えている筈である。検察や警察組織に良くあることだが、仲間意識が優先するのか、誤審を指摘しない。誤審を認めるのは勇気のいることだが、このような審判のレベルだと、とても国際試合の審判は務まらない。

ビデオでは、はっきりと落球が確認されており、早急にビデオ判定を導入し、正しい審判に努力すべきであろう。

実は、それよりも気になったのは、子供たちにとっては、プロ野球選手は憧れの的であり、勝つためには、ウソをついて知らぬ顔をする巨人の選手の姿を見て、どう思うのであろうか。

原発事故の不安心理を利用した詐欺行為が横行しているという。非常に残念なことであるが、ウソに慣れっこになって、罪悪感が欠如していないだろうか。

音楽は、ウソとは無縁の世界である。良い演奏を聴いて、気分を直すとしよう。

ジャズ・ファンなら、誰もが、各楽器ごとのスター・プレイアーを共演させたらと思うものだが、この企画を最初に実現させたのは、今は廃刊になったアメリカ最古の音楽雑誌である「メトロノーム」であった。

1938年から、読者による人気投票を開始し、各楽器の得票数の首位を獲得したものを中心として組まれたオール・スター・レコーディングの夢が実現し、1939年、第1回のオールスター・メンバーによる吹き込みが行われた。

本レコードには、1940年度、1942年度、1947年度、1950年度の録音が収められている。


HARLEM IN TWENTIES (VICTOR RA-5311)

2011-04-19 17:07:52 | 社会・経済

20年代のハーレム・ジャズ : チャーリー・ジョンソンとミズーリアンズ

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今回の東北大震災の日本人の行動に世界が驚き、賞讃の言葉を発している。昨夜、TVを見ていると、全国から集まったガス・メンが、仙台の約30万世帯のガスの復旧工事に携わり、約3週間で成し遂げ、帰省していったとのニュースが流れていた。電気、ガス、水道の復旧は、被災地にとって、待ち焦がれていたことであろう。原発、医療と各分野での活躍に比べ、役に立っていないのが国会議員だ。

参院の予算委員会の様子を少しだけ見たが、全くバカバカしい。自民党の連中は、揚げ足をとるのではなく、先ず、自分たちが進めてきた原子力の安全対策に対し、懺悔すべきではないのか。

世界のあちこちで、宮沢賢治の、「雨にも負けず」の詩が朗読されているという。

私には、この賢冶の詩に想い出がある。

中学2年生の時、担任の先生から、校内の弁論会に出て欲しいとの要請があった。私は、以前のブログでもふれたが、討論会は好きであったが、弁論会は嫌いであった。というのは、当時、弁論会には一つのパターンが定着しており、それが好きになれなかった。

いやいや出場し、その時の弁論会で取り上げたのが、「宮沢賢冶の生涯」である。

冒頭で、彼の「雨にも負けず・・・」の詩を朗読し、絶叫するのではなく、静かに語りかけるという方式をとった。当時の弁論会ではあり得ないことで、私一人だけであった。

「アメニモマケズ カゼニモマケズ ・・・・ソウイウモノニ ワタシハナリタイ」

後で聞いたところによると、採点の際、評価が真二つに分かれたとのことであったが、私にとって、順位など、どうでも良いことであった。

いつの時代も、音楽の世界でも、新しいものが受け入れられるまでには、時間を要する。その時代には評価されず、後になって、見直されるのは良くあることだ。

ハーレムの黒人バンドによるジャズは、「スイング・ミュージック」の基礎をなすもので、このアルバムには、1920年代のハーレムで活躍していた2つのバンドの演奏が収められている。