想い出の小箱Ⅱ : 徒然草子

日常生活の中で感じたことを、徒然なるままに記述する。
OCNブログ人「想い出の小箱:レコード・コレクションからの続き。

THE BEST OF CARMEN MCRAE (Ever Clean KP-7076)

2011-07-31 14:08:15 | 音楽

ザ・ベスト・オブ・カーメン・マックレー (唄)

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5月のブログで触れたが、ドミンゴの「オテロ」の上映会が、銀座ブロッサムホールで開催されることを知って出かけた。

指揮者のリッカルド・シャイーが、「死ぬ前に、オペラを一つ観れるなら、ドミンゴのオテロを観たい。」と云っていたが、1985年のメキシコ大地震で多くの愛する人たちを失い、彼は、すべてのオペラのオファーをキャンセルした中で、災害復興基金のためのコンサートと本作、「オテロ」の映画撮影だけは続けた。

監督は、フランコ・ゼフィレッリ、ロリン・マゼール指揮、ミラノ・スカラ座管弦楽団をバックに、プラシド・ドミンゴ、全盛期の作品である。さすがに素晴らしい。

オペラ劇場で観る十分の一以下の料金で、映画でなければ表現できない効果も見られ、充分、満足できるものであった。

ただ、少し気になったのは、オテロがデスデーモナに疑念を抱く経緯は、説得力不足の感がした。

開場前に、多くのファンが並んだが、40代の女性たちが、友達の順に割り込んできたので、「皆、暑いのを我慢して並んでいるのだから、後ろへ並びなさい。」と注意したら、悪びれる様子もない。以前に、女性の活躍に触れたが、その一方で、日本女性の良さがだんだん失われて行くようだ。

オペラの場合、歌唱と演技で表現できるが、その点、バレエには制約がある。BS放送のプレミアム・シアターで、バレエ公演を放映している。

先日、パリ・オペラ座バレエ団の「椿姫」を観た。オペラでは、何度か観ているが、バレエの「椿姫」は、初めて観たのだが、良くここまで表現できるものだと驚いた。

表現と云えば、ジャズ・ボーカルの歌唱力も捨てがたい。

このレコードは、キャップから出た3枚のLPから、14曲を選んだジャズ・ボーカル・シリーズの1枚である。

彼女は、1954年、ダウンビート誌の新人第1位に選ばれ、その後10年間に、常勝エラと並んで、一度、1位に選ばれている。

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THE BEST of “FATS” WALLER & HIS RHYTHM-PIANO SORO 

2011-07-29 14:25:36 | アート・文化

ファッツ・ウォーラーのすべて

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熱中症にならないよう、外出を控えていたが、「ぐるっとパス」の期限が、近付いてきたので、久し振りに、展覧会に出かけた。

松岡美術館は、「西洋絵画の中の人びと」と題し、シャガールの「婚約者」他、派手さはないが、良い作品が展示されており、観覧者も少なく、落ち着いて観ることができた。

東京都庭園美術館では、「皇帝の愛したガラス」と題して、エルミタージュ美術館所蔵のガラス・コレクション、200点弱が展示されていた。庭園美術館は、この種の展覧会には、最もふさわしい場所であり、一見の価値がある。

「ぐるっとパス」の宣伝をするわけではないが、この二つの展覧会へ行くだけで、元をとった勘定になる。

ついでに、自然教育園に立ち寄った。白金という一等地に、これだけ緑の自然が残っているのは、貴重な財産である。

ここで、久し振りに、シオカラトンボに出会った。小学校の3年生の夏休みから、昆虫採集を始め、大学受験で断念するまで、夏休みは、昆虫採集に明け暮れていた。

カブトムシ、クワガタ、カナブン等を採るには、どうしても、同居するスズメバチを避けることができない。体長5センチ以上のオオスズメバチを採取したり、蜂の巣を突っついたりしたが、幸い、スズメバチに刺された経験はない。

小学校を卒業する時、標本を教材に寄贈してほしいといわれて、求めに応じた。

夏になると、昆虫の展示があるが、自分の採取した標本を思い出しながら、見入ってしまう。

今年は、こんなに暑いのに、蝉の声が聞こえない。今の子供達は可哀そうだなと思う。

今日の1枚も、ジャズ・コレクターズ・アイテムの中の1枚である。

1930年代のファッツ・ウォーラーのレコードは、SP時代に沢山発売されていたが、日本でLP化されるのは、これが初めてである。

A面は、ファッツ・ウォーラー・アンド・ヒズ・リズムの演奏、B面は、彼のピアノ・ソロである。

あまり知られていないが、彼は、史上最初のジャズ・オルガン奏者である。


Benny Moten‘s KANSAS CITY JAZZ (VICTOR RA-5341)

2011-07-27 14:06:04 | 社会・経済

カンサス・シティ・ジャズ : ベニー・モーテン楽団

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アナログTV放送が終了した。初めて、テレヴィジョンなるものを知ったのは、昭和25年、小学生の時、西宮で開催されたアメリカ博である。父に、連れて行ってもらったが、あまりの人の多さで、子供はつぶされて危ないというので、テレビ館には入らずに帰ったのを思い出す。アメリカ文化が憧れの的であったころである。

TVの記憶と云えば、昭和29年、電気屋の前で、多くの大人に交じって見た「力道山対木村」のプロレス、中学1年の時、毎日、学校帰りに電気屋に寄宿していた友人を訪ねて見た相撲放送、三々五々、食堂に集まり、皆で一緒に見た会社の寮生活、本当に驚いたアポロの月着陸の映像と、時代に応じて生活へのかかわり方が変わり、いろいろな想い出と重なる。

デジタル画像は、自然の風景、世界遺産、美術番組等を見ると、本当に綺麗だなと思う。

しかし、今では、インターネットで世界中のことを見ることができるので、TVも転換期にあるのだろう。

先日、囲碁の本因坊戦をインターネットで、観戦した。山下本因坊が、3連勝のあと、3連敗したが、決勝の第7局を制して防衛した。そういえば、将棋の名人戦も、森内名人が、同じく、3連勝のあと、3連敗し、決勝の第7局を制して防衛した。

実力が伯仲した二人が戦うのであるから、一方的になるのはおかしいのだが、勝負の流れと云うのは、本当に怖い。その勝負の進行を見ることができるのは、大きな楽しみである。

キャデラックや電気製品に囲まれたアメリカ人の生活を映画で観て憧れたものだが、同時に、音楽に魅せられた。アナログ放送で、音は決して良くはなかったが、FENで流れる音楽は、新鮮であった。ジャズである。

今日のレコードは、RCAビクターが驚異的技術で、ジャズの歴史的名盤を再生したXレーベルから再編集したものである。ジャズの歴史上、重要な位置づけにあるカンサス・シティ・ジャズの大御所的存在であったベニー・モーテン楽団の1926年~32年の演奏を収めている。


LOUIS ARMSTRONG & DUKU ELLINGTON (ROULETTE MJ-7015)

2011-07-23 17:30:20 | スポーツ

サッチモ ミ-ツ デューク !

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日本のプロ野球のオールスター・ゲームが始まったが、華のある選手が少なく、かっての江夏の9連続三振のようなわくわく感はない。セ・パ交流戦があるから、夢の対決でもなく、当然かもしれないが、3試合もやると、夢のゲームでなくなってしまう。

先日、TVで大リーグのオールスター・ゲームを観たが、子供のころは、生放送で観るなど、考えられなかった憧れの試合である。デマジオやマントルと云った当時のような大型のスター選手がおらず、ジーター、リベラ、ゴンザレス、レイエスと云ったスター選手が欠場で、初出場の知らない選手が多く、随分小粒になった感じがする。

夢は、手の届きそうな距離になると、それは、もう、夢ではなくなってしまうのだろう。

初めて、海外出張し、サン・フランシスコの金門橋の前に立った時、歴史のシーンに思いをはせたローマのコロッセウム、イグアスの滝の雄大な自然を目前にした時、本当に此処に自分がいるのかと、夢のような気がしたのを思い出す。

夢の共演が実現したレコードを取り上げてみよう。

以前に、ジャズ雑誌の人気投票で選ばれたによるオールスター・プレーヤーによる演奏、「メトロノーム・オール・スターズ」を紹介したが、このレコードは、デューク・エリントンが、単独で、ルイ・アームストロングのオール・スターズに参加した珍しい、貴重なものである。

1961年の録音で、サッチモがエリントンの作品を演奏したのも、これが初めてである。

個性の強い二人であるが、奇妙に調和しているのが不思議である。


Sarah Vaughan on Stage (Mercury SM-7228)

2011-07-20 10:33:08 | スポーツ

サラ・ボーン・ベスト・ステージ

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女子サッカーがワールド・カップでまさかの優勝をして、その話題で盛り上がっている。大変な快挙であることは間違いない。今まで一度も勝ったことのない相手に、この大舞台で勝って優勝したのだから、大いに喜べばよい。逆に、相手は、格下相手に負けられないと、随分プレッシャーがかかったことだろう。PK戦に持ち込んだところで、勝ち運は向いていたといえそうだ。

男子より、女子の方が世界水準に達しているものが多いようだ。後進国やイスラム圏ではまだまだ、女性解放が進んでいないことも、一つの要因だろう。

しかし、勝つだけでなく、負けても印象に残る試合もある。

先日のウインブルドン・テニスでの、クルム・伊達公子とビーナス・ウイリアムズの対戦はそのひとつであろう。実は、試合にならないと思い、録画しなかったのだが、翌日、763668という結果を見て驚いた。後日、試合の一部を見たが、素晴らしい試合内容であった。いつまでも、ウインブルドンの記憶に残る試合となるであろう。

それにしても、私も、もう少し若かったら、まだまだやれると、彼女に勇気づけられたことだろう。最近は、若いということに目が行きがちであるが、経験がこんなにも素晴らしい財産であることを示してくれた。

女性の、いろいろな場での活躍を見るにつけ、日本の政治の場でも、女性がもっと活躍すれば、日本も変わるのではないかと云う気がする。残念ながら、現在の議員、首長の中には、期待できる人物が見当たらないが。

ビリー・ホリディ、エラ・フィッツジェラルドと並び、女性ジャズ・ヴォーカリスト、御三家の一人が、サラ・ボーンである。

このレコードは、シカゴのナイト・クラブで、1957,8年に録音し、廃盤となった2枚のLPをまとめたものである。彼女の歌は、大ホールのステージより、こじんまりとしたナイト・クラブでの歌唱に真価が発揮されるように思える。