想い出の小箱Ⅱ : 徒然草子

日常生活の中で感じたことを、徒然なるままに記述する。
OCNブログ人「想い出の小箱:レコード・コレクションからの続き。

LAS OBRAS MAESTRAS DE “PIRINCHO” (Odeon OR-7099)

2012-01-30 13:30:44 | 社会・経済

ピリンチョ追悼 自作自演傑作集

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東電の国有化問題が表面化してきた。電力料金の値上げの前になすべきことがあるのではないかというのが大勢の意見である。コストをベースに電気料金が決められているが、そもそも、コストの計算が妥当であるかに疑問があり、多分、東電や経産省が妥当と考えるものは、一般国民の見かたと大きく乖離しているようだ。

民営化前の3公社5現業は、民間企業とは意識に大きな差があり、東電には、抜本的な意識改革が必要である。

一方、オリンパスについては、責任調査委員会が、監査法人に責任はないとしたという。

果たしてそうだろうか。責任調査委員会のメンバーは、監査法人の役割を充分に理解しているのか疑問に思う。

日本の社会は、どうも、「責任」と云うことに甘いような気がする。

政治家は、秘書の責任で、自分には責任がないと云う。

企業においても、権限が明確でないので、責任が曖昧になる事が良くある。特に、日本の社会では、共同責任で、どこに責任があるかを明確にしない方が好まれる。

私は、在職中に、職務で、過去の「設備投資」案件の評価を実施したことがある。

多額の設備投資をしながら、事業の業績が向上しないので、今後の設備投資決定のあり方を改善するためであった。

設備投資の評価は、数年間の間に、いろいろな情勢変化が絡んでくるので難しく、一つの試算ではあるが、一応の評価をまとめることができた。

この評価資料をどのような形で常務会に提出するかで議論になったが、最終的には、担当専務の判断でボツになった。

この資料を提出すると、この投資で出世して役員になっている者を傷つけ、混乱を起こすというのが理由であった。

株主総会の決算報告でも、多額の「構造改善費用」なるものが、毎年計上されている企業があるが、それによって、企業業績がどのように改善したかは明確でない。多分、充分に把握されていないのが実情だろう。

東証は、オリンパスの上場維持を決定したとのことであるが、何年にもわたる虚偽の有価証券報告書に振り回された投資家はたまったものではない。

むしろ、一度上場廃止にして、再上場を目指させるけじめが必要と思うのだが。

今日のレコードは、タンゴ界の大御所、フランシスコ・カナロの「キンテート・ピリンチョ」による自作自演集で、タンゴ・ファンにはたまらないアルバムである。



グリーク作曲、ピアノ協奏曲 イ短調 作品16 (Angel AAー8412)

2012-01-26 15:59:00 | 社会・経済

ピアノ : ジョルジ・シフラ

アンドレ・ヴァンデルノート指揮 フィルハーモニア管弦楽団

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通常国会がやっと開会した。今まで、閉会していたとは暢気なものだ。

今国会は、野党が解散を要求し、小沢グループの動向が注目されることになるだろう。

少し前になるが、注目されていた小沢一郎本人が出廷し、裁判でのやり取りが細かく報道されていた。新聞報道を読む限りでは、小沢本人を有罪にするには、決定的な証拠がなく、難しいような印象を受けた。

しかしながら、彼の受け答えからは、黒と断定できないまでも、明らかに灰色との印象が強い。

何より、会計報告書の軽視の態度は、国民の税金から支給されている多額の政党交付金を受け取っているという認識がないようだ。

そのような金はなくても、別ルートでいくらでも金は入って来るという事なのだろうか。

以前にも、書いたことがあるが、現在の「政治資金規正法」は、抜け道だらけで、政治家本人が罪になるリスクは小さい。先日、東電から寄付をもらっていた自民党の有力議員が皆、「適法に処理している。」と回答していたが、明らかに、「法」が隠れ蓑の役割を果たしている。

中国漁船が密漁の罰金を払っても、収入の方が多いとか、食品表示法違反に至っては、違反しても、遥かに利益の方が多いと聞くが、どうも、「正直者が馬鹿を見る」傾向が強い世の中のようだ。

民主党大会後に開かれた小沢の勉強会に109人の議員が出席したという。彼らの関心事は、自分の議員という地位の保全であり、国の将来など考えている者は少ないのだろう。

野党議員も含め、多くの議員達が、「増税の前に身を切る改革が必要」と云っているそうだが、本気なら、やってもらおうではないか。

ところがである。岡田副首相が、議員歳費の削減についてコメントしたら、議院運営委員長が、立法府に対する越権行為だとして、注意したという記事が小さく出ていた。そもそも、自分たちの歳費を、御手盛りで決めること自体がおかしいし、自分たちに不利益な事は云わせないように規制する等とんでもないことだ。

現在の政党は、民主党も自民党も志の異なるものの集まりであり、政党の体をなしていない。一度ガラガラポンをやり、組み替えた方が、手っとり早そうだ。

今日のレコードは、グリークのピアノ協奏曲である。この曲は、以前に、ルービンシュタインの演奏するレコードを紹介したが、とても人気があり、コンサートでも良く演奏される。


シューベルト作曲、交響曲第8番 ロ短調 「未完成」

2012-01-23 16:33:51 | スポーツ

ブルーノ・ワルター指揮、ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団

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大相撲初場所は、早々と13日目で把瑠都の優勝が決まり、千秋楽に白鵬が横綱の意地を見せ終了した。

今場所は、日本人大関二人の活躍が期待されたが、今一つ盛り上がらなかった。

国技館に飾られた優勝額には日本人力士がなく、ここ何年も日本人力士の優勝がないので、期待が集まっていたようだ。

今場所の注目取り組みは、白鵬:稀勢の里、白鵬:琴奨菊、白鵬:把瑠都、稀勢の里:琴奨菊、把瑠都:稀勢の里といったところであった。

先ず、日本人大関同士の対戦は、稀勢の里が立ち合いで変化し、琴奨菊に勝ったが、次は、把瑠都が変化して、稀勢の里に勝った。

把瑠都にすれば、又とない初優勝のチャンスであり、非難覚悟で、一つの戦術として、日本人大関同志の好取組を期待したファンを裏切った稀勢の里にお返しをしたことになった。

いただけないのは、日馬富士で、既に勝ち越し、3敗で優勝の可能性もない取り組みでの変化は、意味がなく、温存しておくべきであろうと思うが、数秒で何十万円もの稼ぎになるのだから、非難できないかもしれない。白鵬にも油断が見受けられた。

白鵬が星ひとつの差で千秋楽に把瑠都と対戦していたら、大いに盛り上がっただろう。

観客はつまらないと怒るが、八百長でなく、勝負に拘れば、このような結果になるのは当然かもしれない。多分、ショーであれば、もっと面白い勝負になるのだろう。

戦後、「力道山対木村」というプロレスの大一番があった。多くのファンが街頭のテレビジョンの前に集まったが、アットいう間に終わってしまった。

プロレスはショーであるから、試合前に、面白い試合をして、引き分けにするシナリオが作られていたそうだが、力道山がその約束を破ったと云われている。

真剣に戦えば、以外に見る側には面白くないのが現実なのかもしれない。

今日のレコードは、「運命」と並び、誰もが知っている「未完成」である。

コメントは必要ないだろう。


ベートーベン作曲 ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47「クロイツェル」 (VICTOR S

2012-01-20 15:48:31 | 社会・経済

ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)、アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)

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志木市民病院の小児科入院診療が3月末で中止になるとの記事があった。

市民病院の赤字が志木市の財政に与える影響は大きく、市民病院の存続の是非が以前から問題になっていた。

一時、財政緊急事態宣言を出し、水道料金の値上げ他、市民にその負担を賦課してきた。

どこの地方都市でも共通の問題であるが、小児科と産科は不足している。

近隣市町村の住民の利用が、多く、近隣の6市町が各1500万円/年負担することを了解していたにもかかわらず、志木市長が一方的に決めたとのことで、これに対し、6市町の首長が、応分の負担をするので、存続してほしいとの要望書を提出したとあった。

志木市民病院の小児医療は、年間1億6千万円の赤字で、入院の8割、外来の6割が市外の患者というから、この赤字を志木市民が税金で負担するのは、筋が通らない。

本来、このような広域医療こそ、県がやるべき業務と思うのだが、全く役に立たない。

孫が生まれる時、産婦人科で困っていると聞いたことを思い出す。幸い、小児科には困っていないようで、安心している。

孫も3才になったが、我が家に滞在している時に、もし熱でも出したら、近くに小児科がなく、安心して預かれない。幼児は嫌われるようで、近所の内科小児科医院は、小学生以下は診ないと云う。

人口の減少が問題になっているが、経済的な問題だけではないようだ。

今回の問題も、慰留した現在の小児科の常勤医が近隣の個人病院で小児救急を担うというから、つまるところ、処遇の問題ともいえそうだ。

勤務医は開業医に比べ、負担の割に収入が少ないことが背景にあるようだ。

今年の医療費の見直しでも、結局、この問題は、見送られている。現在の医療制度には問題が多く、どれもこれもとはいかないだろうが、やはり、優先順位付けは必要だろう。

日本の将来を担うのは子供たちだと本気で思うのなら、産科・小児科と保育所問題は優先課題だ。

今日のレコードは、ベートーベンの10曲のヴァイオリン・ソナタで最も有名な作品である。トルストイの小説、「クロイツェル・ソナタ」は、この曲とは何の関係もない。



グローフェ作曲 : 組曲「グランド・キャニヨン」より (CBS OS-649-C)

2012-01-16 11:05:11 | 社会・経済

レナード・バーンステイン指揮、 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団

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「S&P」が、フランスをはじめとする9カ国の国債格付けの引下げを行ったとのニュースが流れ、再び、各国の株価が下落している。

1ユーロが100円を切るなど、数年前には、考えられない出来事である。

確かに、EUは、現在非常に厳しい状況下におかれ、国債の信用不安があることは事実であるが、解決への努力をしている最中であり、更に混乱を加速させるようなことを、このタイミングであえて実施することには違和感がある。

格下げで利益を得るのは誰であろうか。

そもそも、格付け会社は、2008年のアメリカの金融危機の際、無責任な格付けで、世界中を混乱に陥れたが、その責任を充分に果たしていない。

25年ほど前、「ウオール街」という映画があったが、多額の利益の源泉は、インサイダー取引であった。

格下げが行われるとなると、当然のことながら、ヘッジ・ファンドは空売りをする。

格付け会社から、事前に情報が漏れていないといえるだろうか。

現在の金融資本主義経済では、いち早い情報が利益の源泉であり、それにより、膨大な利益を得る者がいる一方、多くの者が、直接、間接に損失を受けることになる。

金融資本主義に潜む悪に何らかの規制をしないと、資本主義そのものまでが否定されることになりかねない。

日本の来年度予算の国債発行額は44兆円と予定されているが、借換え発行額が、170兆円を超えており、このままでは、いずれ、行きづまるのであろう。

国の借金を返すために、国有財産の売却が進められるが、これは、国民共通の財産である。

ギリシャは、他国からの援助以外、打つ手がないようであるが、貴重な文化遺産や国土の一部まで手放さざるを得ないような事態に発展するのだろうか。

資本主義の限界が試されているような気がする。

今日のレコードは、資本主義国アメリカの新しい息吹を感じさせる音楽を選んだ。

グローフェは、ガーシュインと並び、アメリカを代表する作曲家である。