想い出の小箱Ⅱ : 徒然草子

日常生活の中で感じたことを、徒然なるままに記述する。
OCNブログ人「想い出の小箱:レコード・コレクションからの続き。

ドヴォルザーク作曲、交響曲第5番、ホ短調、「新世界より」、作品95 (CBSコロンビア OS-490

2011-12-31 18:10:03 | 社会・経済

ブルーノ・ワルター指揮、コロンビア交響楽団

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今年1年は本当に速く過ぎたように感じるが、あまり良い話題に巡り会えなかった。

リスト生誕200年ということで、リストのピアノ協奏曲を聴く機会が多かった。

印象に残ったのは、ウイーン・フィルと共演した、ランランの華やかな演奏と、プーレーズ指揮、ベルリン国立管弦楽団をバックに、指揮者ダニエル・バレンボイムのピアノ演奏である。

ランランと異なり、とても落ち着いた演奏で、指揮者らしく、オーケストラを見ながらの余裕の演奏で、リストの別の面を見せてくれた。アンコールのリストの小品も味のある演奏で、時々、ピアニストして演奏を聴かせてほしいものだ。

ピアノ演奏をしながらの指揮は、アンドレ・プレヴィンが有名だが、バレンボイムもピアノは意外であった。

今年の演奏会では、イヴリー・ギトリスのチャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルト(キエフ国立フィル)が記憶に残るが、佐渡裕がベルリン・フィルを指揮したショスタコーヴィッチの交響曲第5番はなかなかのできであった。

ただ、今年は地震の影響で、外出を控えたので、あまり、コンサートに出かけていない。

消費増税法案の素案が固まり、平成14年4月に8%、15年10月に10%の段階的に引き上げる案となった。

消費税の増税は、低所得層への影響が重く、格差が問題となっている時期だけに、いろいろな配慮が必要になろう。

所得税の累進税率は50%までは許容範囲と思われるし、金融の軽減税率は、1年繰り上げて廃止しても良いのではないか。その代わり、3年の時限で、金融資産の流動化を進めるため、例えば、1人、年間500万円までの取引について優遇措置を設け、株式市場を活性化させる事が考えられる。日本の株式市場は、外国人投資家のウエイトが高く、変動を緩和する施策が必要であろう。

税に対する国民の意識は、不公平に対する不満が大きく、脱税、既得の優遇措置の見直しを先ずやらねば、賛同は得られないであろう。

さて、来年はどんな年になるのだろうか。今年以上に大変な年にはならないと期待しよう。

今年を締めくくるレコードとして、来年への期待を込めて、ドヴォルザークの「新世界」を選んだ。


The five pennies (LONDON SLH 77)

2011-12-30 14:36:24 | 社会・経済

 パラマウント映画 「5つの銅貨」のサウンド・トラック盤

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29日が今年最後の営業日ということなので、泳ぎ収めにスポ-ツ・クラブへ出かけた。皆同じことを考えているのか結構混雑していた。女性客も結構いたが、昔なら、年末のこんな時期に、のんびり過ごしている主婦は稀であった。今は、電気製品が揃い、おせち料理も、家でほとんど作らないので、時間には余裕があるのだろう。

今年の言葉に、「絆」が選ばれたが、家族皆で部屋や庭の掃除をしたり、子供なりに手伝いで大忙しであった事が懐かしい。

風呂場での会話は、いつの時代もあまり変わりないのだろうか。

「民主党は分裂だね。」

「出て行く奴は、どうせ次の選挙で危ない奴ばかりで、少しでも、自分に有利になればと考えているだけだよ。」

「どうせ落ちるのなら、新党を作って、政党交付金をポケットに入れた方が得だと考えているのさ。」

「民主党はダメだが、自民党もダメだしな。」

「日本では、二大政党なんて無理なのさ。中選挙区の方がましだな。」

「誰がなっても同じだよ。自分のことしか考えてないのだから。」

「・・・・」

江戸時代、銭湯での日常会話で庶民の声を把握したという話があるが、銭湯もなくなり、ブログやツイッターでどれだけ庶民の本音が聞けるだろう。

民主党の消費税アップの時期が決まった。長年不景気が続いているので、大分ボディ・ブローが効いている。私なども、すぐに生活に困るわけではないが、株の含み損が膨らむばかりで、増税前には、もう少し景気が良くなって欲しい。

不公正を正す前提として、国民背番号制の導入を急ぐべきであろう。

今日のレコードは、1959年度アカデミー主題歌賞にノミネートされた、映画「5つの銅貨」のサウンド・トラック盤である。

ジャズ・コルネット奏者のレッド・ニコルスの伝記映画であるが、ジャズ・ファン以外でも楽しめる家族愛の物語である。


High Society (Capitol CP-8273)

2011-12-28 10:56:26 | 社会・経済

映画「上流社会」サウンド・トラック盤

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今年も残り少なくなった。昔と違い、季節感が乏しく、あまり感激もない。

TVでは、年末恒例の十大ニュースや今年の物故者等の特集が組まれている。

大震災と原発事故に明け暮れた1年だったような気がするが、世界では、いろいろな事があった。

いわゆる「アラブの春」、ギリシャに始まる財政危機、異常気象とタイの洪水、アメリカの地位低下と格差抗議運動、原発廃止の動向、ビン・ラディン、カダフィ、金正日の死去等々。

世界中の最大の関心事となった原発事故について、政府の事故調査・検証委員会の中間報告が発表された。ある程度予想されたが、愕然とした。

一番驚いたのは、当事者の勉強不足と問題意識の欠如である。非常用復水器、その他の機器や計器について、あれだけの地震で異常が起きていないかと疑問さえ持たなかったのだろうか。

民間の危険物を扱う工場では、考えられないことだ。安全神話にどっぷり漬かって、何の疑問も持たず、保安院、原子力委員会まで、責任は他人任せの体質だったいうことらしい。

都合の悪いことは、都合良く変えて収めるというやり方が、染み透っているのは原発だけでないという事を認識しておくべきだろう。

私がまだ現役の頃、予算作成で時間を割いたのは、前提条件の設定であった。前提条件を変えれば、いくらでも都合のよい結論が出せるからだ。

政府やマスコミの検討結果も、ほとんどの場合、前提条件が示されない。

最近の例では、年金の出生率、高速道路建設の需要見通し他、ほとんどが、都合のよい結論に導くための前提であったことは、皆が知るとおりである。

今年は、「想定外」という言葉が良く使われたが、前提を都合よく変えれば、想定外になり、想定外となれば、検討の対象外になる。

もはや、政争の事しか頭にない連中に任せてはおけない状況である。

今日のレコードは、映画「上流社会」のサウンド・トラック盤で、アメリカの良き時代のニュー・ポートを背景に、一時、格差社会を忘れさせてくれる楽しい映画である。

ビング・クロスビー、グレース・ケリー、フランク・シナトラ、ルイ・アームストロングとその楽団。素晴らしい顔ぶれである。


A SWINGING CHRISTMAS  (Verve SMV-1076)

2011-12-25 11:10:48 | 社会・経済

エラとクリスマスを  : (歌) エラ・フィッツジェラルド

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来年度の予算案が閣議決定され、民主党がマニフェストに掲げた重要政策は、ことごとく放棄された。

もともと、無理があり、賛成していない政策もあったので、大震災と原発事故という情勢の変化に伴い修正せざるを得ないのは、否としないが、結論に至る検討が、いかにもお粗末な気がする。

例えば、八ツ場ダムの工事再開の決定を見ても、野田首相は4代の大臣が鋭意検討してきた結果だと云うが、国交省の役人と利権に絡んだ人間が集まり、ドタバタで決めた印象が強い。

原発事故で、同じような意思決定方式には問題があることを経験したばかりではないのか。

収入の半分を国債で賄い、累積発行額が年々膨らむという異常事態にあまりにも鈍感過ぎる。

もし、本当に危機感があるなら、公務員制度改革や国会改革といった時代錯誤の既得権の改革に、反対があっても、早急に手をつけるであろう。

このような状況では、消費税のアップは反対が多く、なかなか実現できず、財政破綻の状況は変わらないとすれば、行きつくところは見えている。

来年は、アメリカ、ロシア、中国他主要国でトップが変わる時期であり、日本でも、総選挙は避けられないであろうし、世界が大きく変わる年になりそうだ。

今年は本当に厳しい一年で終わりそうだが、クリスマス位、楽しい1日を過ごしたいものだ。

今日のレコードは、エラのクリスマス・ソングである。定番のビング・クロスビーのクリスマス・ソングとは一味違った、軽快な歌唱である。


THE POPULAR DUKE ELLINGTON (VICTOR SHP-5585)

2011-12-23 12:02:35 | 社会・経済

ポピュラー・デューク・エリントン 

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先日、政府は、「冷温停止状態」になったとして、福島原発の事故収束宣言をしたが、とても違和感がある。

内閣支持率も上がらず、閉塞感の中での焦りのような印象である。

そもそも、メルトダウンしたものが、どのような状態になっているかが把握されていなくて、「事故収束」とは、感覚がずれている。

去年、事故後のブログで、「空気、水、土壌が汚染となると、解決は長期になるので、放射能汚染とどう付き合って行くか」と云う様な事を書いた記憶があるが、いくら、政府が安全と云っても、食品の安全性に、安心できないのは、政府の発表を信頼できないからであり、根本的に、目線のずれがあることが判っていないようだ。

また、政府と東電は、原発の廃炉に向けた工程表を発表したが、完了に30~40年という。

併せて、電気料金の値上げと国有化問題が表面化し、昨日、東電の社長が、記者会見で電気料金の値上げを申請すると表明した。しかし、「値上げの申請は、義務であり、権利である。」という傲慢な態度にあきれた。

「電力の安定供給という義務を果たすためには、値上げをお願いせざるを得ない。」と云うならともかく、このような体質の経営陣は、退陣させないと、改革は進まないであろう。

そもそも、原子力計画は、国のエネルギー政策として進められたものであり、一企業のレベルを超えた問題であるが、電力は、国の産業の基幹であり、地域独占を含め、全面的な改革が必要である。

日本の格付け会社が、日本国債を1ランク引き下げた。国債の格付けは、各国で引き下げられており、別に驚くことではないが、日本の格付け会社が、日本国債を引き下げたということに意味があるといえよう。政府は、この警告をどう受け止めるか。

野田内閣の力では、税制改正一つを見ても、結局、足して2で割る従来方式の継続であり、問題先送り決着しかできない。このままでは、2,3年後には、いよいよ、国債価格の下落という問題が表面化するのだろう。

橋下が大阪市長選で圧勝したが、多少無茶でも、何かやりそうな人間を期待するイライラの表れであろうか。

今日のレコードは、1966年来日の直前に録音した、彼の代表作を集めたもので、ステレオ時代になって初めてのものである。

クーティ・ウィリアムス(tp)、ジョニー・ホッジス(as)、ハリー・カーネイ(bs)他、そうそうたるメンバーによるデューク・エリントン楽団の名盤である。