想い出の小箱Ⅱ : 徒然草子

日常生活の中で感じたことを、徒然なるままに記述する。
OCNブログ人「想い出の小箱:レコード・コレクションからの続き。

The Best of Tommy Dorsey (VICTOR RA-5339)

2011-06-29 15:37:16 | 社会・経済

ベスト・オブ・トミー・ドーシー楽団

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原子力発電について、経営者はどのような認識をしているのか、報道ではなく、直接聞いてみたくて、株主総会に出かけた。

Jパワー(電源開発)の総会は、気味が悪いくらい静かであった。大間の原子力発電所が建設中(工事中断)であり、株主から、「今までいくら投資しているのか」との質問が出たが、なんと、回答は、「答えられない」であった。現状では、工事は凍結になる可能性があり、その場合、特損が発生することになり、経営に多大の影響を及ぼすことは明らかである。経営者は、当然、リスク管理をすべきであるが、「中断は考えていない。」である。

東電の事故でも、リスク管理のお粗末さが表面化したが、相変わらずのようである。

あまりにひどいので、質問しようと、挙手したが、指名されないので、中途退場して、東京電力の総会へ向かった。

物々しい警戒で、入場に際して、手荷物検査が行われていた。会場はすでに満杯で、立ち見の状態であった。しばらく聞いていたが、疲れたので、途中退場した。

現在の投票は、議論を聴いたうえでの投票権の行使ではなく、委任状で、すでに賛否が決しているということであり、開かれた株主総会と云いながら、本当にこれで良いのか疑問に思う。少なくとも、反対票の数を公表すべきではないか。出席した株主は、やりきれない気持であろう。帰宅して、インターネットを見ると、終了時に9000人以上が出席していたというから驚きだ。

東京に出たついでに、明治神宮の菖蒲園に立ち寄った。入場料、500円をとるだけのことはあり、少しは、気分を和らげてくれた。花は季節ものなので、最盛期にタイミング良く訪れるのはなかなか難しいが、今回は、ギリギリだったようだ。

菖蒲、あやめ、かきつばた と、色とりどりの花に見立てて、トミー・ドーシー楽団のレコードを選んだ。

1930年代に、ベニー・グドマンと張り合った、名バンド、トミー・ドーシー・オーケストラの初期から、1944年までの名演集である。

バニー・ベリガン(tp)、バド・フリーマン(ts)、バディ・デフランコ(cl)、バディ・リッチ(ds)等がフューチャーされている。


CLAUDE WILLIAMSON (Capitol CR-8804)

2011-06-27 10:55:44 | 音楽

クロード・ウイリアムソン・トリオ

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先日、辻井信行のラフマニノフのピアノ協奏曲の一部を聴き、全曲を聴いてみたくなり、急遽、チケットを入手した。

当日は、商社の株主総会の集中日で、東京へ出かける予定であり、タイミングが良かった。以前のブログで触れた三菱商事は、インターネットで、K氏の再任に否の投票をして、三井物産の総会に出席した。BPの原油流出事故に係わる損失に一定の目処がつき、社長の経営に対する自信がうかがえた。ほとんどの質問に社長自身が答えていたが、好感が持てた。昨年は、多くの総会で、役員の高額報酬についての批判と公表の要求が出ていた。

私は、三菱商事の社外役員の選任に異論があるが、物産でも、社外取締役の貢献についての質問が出ていた。一人で多くの企業の社外役員を兼務している実体を見ると、そのあり方について、疑問を感じざるを得ない面がある。

さて、夜のコンサートであるが、東京ニューシティ管弦楽団のプログラムは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とベルリオーズの幻想交響曲であった。指揮はカルロス・ミゲル・プリエト、ピアノは、アンナ・フェドロヴァと云う新進気鋭の組み合わせであった。

ところが、ラフマニノフの第3楽章で、とんでもないハプニングが起こった。最前列のピアニストの目の前に座る一人の女性(精神異常者?)が立ち上がり、演奏中に奇声を発し始めたのである。何度もクラシックのコンサートには来ているが、初めてのことであった。当然、会場係りが、退場させると思ったが、何もせずに、演奏が続けられ、第1部が終わった。

彼女は、途中で演奏を止めても良いのだが、最後まで弾き続けたのには、感心した。さすがに、アンコールでは、その怒りを、演奏の中で表現していた。(お見事!)

あまりにひどいので、休憩時間に、東京文化会館の会場責任者に抗議に行った。ところが、驚いたことに、事態を把握していないのである。

1.    第2部では、責任を持って退場させること。演奏者は、気の毒である。

2.    料金の一部払い戻しをすべきである。

3.    第2部の開始前に、事情説明し、責任者が謝罪すること。

以上を、申し入れたところ、料金の払い戻しと言われ、事の重大さに驚いたのか、第2部の前に、音楽監督が謝罪の挨拶をしたが、オロオロしていた。

それにしても、歴史のある東京文化会館で、ほとんど、リスク管理ができていないのは、驚きであった。

幸いにも、第2部の演奏は、満足できるものであった。若い二人の今後の活躍を期待したい。

若いこれからの活躍が期待される二人に、ふさわしいレコードはないかと探したが、見当たらず、このレコードを選んでみだ。

クロード・ウイリアムソンは、1950年代のウエスト・コースト・スクールが生んだ最高の白人モダン・ピアニストの一人である。

このレコードでは、三つのトリオで、そのテクニックを聴かせてくれる。


PATACHOU DISQUE D‘OR (AUDIO FIDELITY YS-2330-AF)

2011-06-25 11:19:53 | 映画

パタシュー、パリを歌う

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株主総会のシーズンになった。世の中の動きに取り残されないよう、毎年、2~3社の株主総会に出かけることにしている。

株主総会だけに出かけるのは面倒だが、コンサートに出かけるついでに、みずほ銀行の株主総会に顔を出してみた。ATMトラブルを起こしたこともあり、東京国際フォーラムのAホールが2階席まで埋まるほどの盛況?であった。

株主から、厳しい質問、意見が出ていたが、賛否の結論は決まっていることもあり、会社の回答は不十分なものであった。以前、ドラッガーの「企業の社会的責任」について触れたが、果たして、この銀行は、社会に必要な企業なのだろうかとの疑問さえ感じさせた。

夜のコンサートまで、時間の余裕があったので、久し振りに映画館で映画を見た。

ナタリー・ポートマンがアカデミー主演女優賞をとった「ブラック・スワン」である。

公開終了間際でもあり、館内には、100人ほどの観客しかいなかった。シニア料金は、1000円であるから、安い娯楽だと思うのだが・・

バレエ「白鳥の湖」は、レニングラード・バレエ団他の公演を、何度か見ているが、性格の違う、白鳥のオデットと黒鳥のオディールを一人二役で踊り分けるのは、プロのダンサーでも難しい。どちらかと云うと、黒鳥のパ・ド・ドゥ等、超技巧を見せるオディールの方が魅力的である。N・ポートマンは、1年のトレーニングで、かなりの部分を自分で演じたそうである。俳優という職業は大変だなと思うと同時に、その能力に感心させられる。

映画は、単なるバレエ映画ではなく、充分楽しめる内容であった。

シャンソン歌手のパタシューは、どちらかと云うと、黒鳥タイプの歌手であろうか。彼女は、パリの下町のマダムの感が強く、美しく、色っぽい。このレコードは、彼女がアメリカを訪問した時に録音したもので、パリを代表するシャンソンが収められ、シャンソンにあまり馴染みがない人でも、耳にしたことのある曲ばかりである。


CHICAGO-THE LIVING LEGENDS  EARL “FATHE” HINES and

2011-06-21 22:29:07 | 本と雑誌

シカゴ・デイト / アール・ハインズ楽団

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先日、久し振りに、大学時代の友人たちと会食をした。3月に予定していたが、それぞ/れが、程度の差こそあれ、被災し、延期になっていた。浦安のU君の家は、液状化で少し傾いてはいるが、生活はできているとのこと、N君は、家財、備品がメチャクチャになり、地震保険で一部補填されたものの、記念の物の価値が全然評価されなかったとのことだが、お互いの無事を確認した。

今日の政治状況、原発問題他、ドラッガーが話題に上った。私は、彼の信奉者ではないが、現状に対して、見事に言い当てているようだ。

企業の社会的責任について述べている部分がある。「社会や経済は、いかなる企業をも一夜にして消滅させる力を持つ。企業は、社会や経済の許しがあって存在するのであり、社会と経済がその企業が有用かつ生産的な仕事をしているとみなす限りにおいて、その継続を許されているに過ぎない。」と。

今回の東電の事故を見る限り、東電幹部は、今一度、ドラッガーを読み直してみる価値がありそうだ。

企業の存続期間に比べれば、音楽の命は長い。クラシックに限らず、民族音楽も、良いものはいつまでも引き継がれるものだ。

アール・ハインズが生まれたのは、1905年であるから、100年以上がたっている。

彼は、ジャズ・ピアノの父の称号を得ているが、シングル・トーンの独特の奏法で、後のジャズ・ピアノに多大の影響を与えた。このレコードは、1920年代にヒットした曲を1961年にシカゴで録音したものだが、とても新鮮である。


SOMETHING COOL (CAPITOL ST516)

2011-06-17 13:59:09 | 音楽

JUNE CHRISTY : PETE RUGORO & HISORCHERTRA

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コンサートに出かけるときは、いつも都内へ出るのだが、幸いにも、地元のホールで良い催し物があった。

一つは、今月下旬に、都内で公演予定の公開ゲネプロで、水谷龍二作・演出の「子供騙し」という演劇である。3月の大震災で被害にあった三陸の田舎の床屋で起こる騙し合いを、3人の俳優が演じている。2002年~05年にかけて、全国各地で上演され、その時は先年亡くなった緒方拳が演じていた役を高橋長英が演じた。東京では、とても無理な話だが、地方の小さなホールのおかげで、最前列の真ん中で楽しませてもらった。こんなチケット代では、申し訳ない気がした。

もうひとつは、N響のメンバーによる、「カジュアル・クラシック」のチャリティ・コンサートである。

第一、第二ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、オーボエ、ピアノの六重奏団で、普段、クラシックのコンサートに出かけない人たちも充分に楽しめるポピュラーな曲ばかりが揃えられていた。出演者が交代で曲の説明をし、プロのトークのように上手くはないが、これも御愛嬌で、演奏者も気分が良かったのか、2曲のアンコールに応え、大いに盛り上がった。義捐金は、このクラスのコンサートのチケット代と思えば、得をした気分であった。

このような活動は、是非、幅広く、継続的に行って欲しいものだ。

アメリカでも、名門オーケストラが倒産の危機にあるとのニュースが流れていたが、地道な活動が、ファン層を広げることになるであろう。

 地味ではあるが、アニタ・オディ、クリス・コナーと並んで、1950年代、スタン・ケントン楽団で活躍した白人の女性ジャズ歌手の代表に、ジューン・クリスティがいる。

彼女の代表レコードは、ジャズ・ボーカルの名盤として、必ずと言っていいほど、紹介される1953~55年に録音されたこのレコードである。スタン・ケントン楽団を退団し、ソロ活動を始めた時のもので、クールな洗練された歌唱である。