折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

チューリップ、清く、明るく…その後。

2009年04月10日 22時06分35秒 | 清明
              □ チューリップ(Tulipa) 
                ユリ科チューリップ属の耐寒性多年草
 
◇ 今週になって、霞の空も春というより初夏を思わせるような陽気(23℃)。
  当然のことながら、数日単位で庭の色が移ろいゆく感じです。
  つい先日まで緑色の蕾の状態だったチューリップの「中咲き」の開花。
  庭を彩る品種が「早咲き」からそちらに変わってきたからなのでしょう。

     

     
       □ にぎやかだった「早咲き」種もそろそろお仕舞い。

     
           □ 緑の蕾から本来の花の色へと…。

◇ ここの庭では、原種系が「早咲き」のようだとは、経験的にわかります。
  「中咲き」「遅咲き」は、同じ品種を何年も育てていないのでわかりません。
  ほとんどが鉢植えが中心、咲き始めたら玄関付近に移動させます。
  せっかくですから、ご訪問のお客様、ご通行中の方々に見てほしいのです。

     

    
       □ フリンジ咲きチューリップ「アリアカード」(オランダ)

     
    □ レモン・イエローの色も、落ち着いて明るくて好きなタイプ。

◇ 私自身が子どもの頃の記憶の中に、チューリップは一つもありません。
  私の子ども達が幼稚園児の頃、プラ鉢のチューリップを休み前に持ち帰って。
  ごく普通の真っ赤なチューリップ、かわいい、かわいい花でした。
  チューリップやコスモス、子どもと一番似合う花の光景かもしれません。

     
      □ 真っ赤なチューリップ咲き(!?)ピュアな明るさです。

◇ 季節はめぐり また夏が来て♪ まだ夏は来ませんが、ときはめぐりました。
  子ども達が小さかった頃、なぜか私とテレビの間に入って見せてくれなくて。

        さまざまなこと思ひだす桜かな     芭蕉
 
  芭蕉の句にちょっとだけ近い思いで、毎年チューリップを見ているようです。

     
     □ これは、ほとんどが昨年掘り上げたものを植え付けた鉢。

    

             

    

    

             
     □ たまたま、淡い色のチューリップばかりになってます。
       みんな、春のやわらかな光の色そのものです。
       隣り合っている花の画像、朝夕の微妙な色の違いが見て取れます。
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宿根スミレ、ホントは通路沿いにほしい花

2009年04月09日 22時16分10秒 | 清明
          □ 今咲いている、スミレ属の花、二種類の宿根草。

◇ 今週は春の高気圧に覆われて、日中気温が上昇します。
  連日20℃を超えるようになって、春の花も咲き進んでます。
  昨年秋の小さい平鉢に寄せ植えしたものです。
  ラベルでは宿根のスミレと宿根のビオラの二種類+ミニシクラメン。

     
        □ こぼれ種から、もう発芽してきたんでしょうか。

◇ そのうち一品種は、葉っぱが深緑の濃さで、シクラメンの葉と同系色です。
  早咲きなのか、三月になると突然、大挙して咲き出しました。
  その名残が続いて次から次へと花芽が出てましたが、さすがに終わりみたい。
  とにかく私好みの可憐な紫色の花、元気ですし原種系かも…。

     
         □ 「ビオラ・ラブラドリカ」(Viola labradorica)

◇ もう一つは、植え付けて数日で枯れてしまった株。
  わずかに緑色の茎が残っていたので1cm未満を残して切り戻し。
  これが先月から急に生き生きとして、斑入り花をつけました。
  葉っぱの緑が初々しくて、次第にその濃さを増して来ました。

     
   □ ビオラ・ソロリア「フレックルズ」(Viola sororia cvs.'Fleckles')

◇ 宿根草と銘打ってますが種を付けますし、そう長持ちはしないはず。
  それよりも、ここの蒸し暑い夏を越せるかが問題で、だから鉢植え。
  花が終わったら門扉の上から、風通しの良い涼しい場所に移動です。
  最低限やれることをやって、ダメだったら再チャレンジか、諦めます。

     
        □ 紫の濃淡の春、なんだかいいものですね。


☆☆☆ 「春爛漫」が似合うかは別として、にぎやかなビオラ ☆☆☆

 ○ ハンギング

     
            □ リビングからよく見える位置。

     
               □ 玄関の門扉横。

 ○ 寄せ植え(鉢)

     
             □ ビオラどうし、門扉の上。

     
      □ 玄関への階段途中、真冬は日当たりのないところ。

             
              □ チューリップとの寄せ植え。
                2ポットで、最終これくらいの
                ボリュームになります。     

 ○ 寄せ植え(地植え)

     
           □ シャルロット(ER)の花壇です。

     
        □ ジュビリー・セレブレイション(ER)の花壇です。


   ☆☆☆ 庭のバラ、この頃 ☆☆☆

             
             □ バラ、ネメシア、スイートピーと
               そしてビオラの寄せ植えです。

     
  □ イヴォンヌ・ラビエ(Yvonne Rabier/Pol/1910/F.Turbar/France)

    早くから蕾が見えていた株で、今シーズンのバラの一番花です。
    ゆっくりと開花してますが、黄色いしべがもう見えることでしょう。
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ハナニラ、赤紫の五つ星

2009年04月08日 22時02分58秒 | 清明
               □ ハナニラ(Ipheion uniflorum)
                 ユリ科ハナニラ属の耐寒性多年草

◇ あれは三月の下旬のある朝、北側の貝塚の樹の下に見つけた一番星。
  それが日に日に数を増していって、今では夜空の星よりもにぎやかそう。
  いつも決まって、四月に入ると一気に咲いて、これもわが世の春なんだと。
  十年くらい植えっぱなし、自家中毒も起こさず、きれいに群れて咲きます。

     
               □ Spring Starflower

◇ 三年ほど前に、園芸店で赤紫色のハナニラの球根を見つけて植えました。
  今年は五つ星になって、目立たない場所ですが、アクセントになっています。
  昨年の暮れに、ハナニラ(花韮)の傍にバラの苗をいくつか植えました。
  そのときに少し間引きしましたので、今年は花の数が減ってしまいました。

     

     

     

◇ こんな涼しげな色でさえ、暖かく感じるこの頃、最高気温も21度に達して。
  バラを始める前には、花の少ないこの辺り一帯でも咲く順番がありました。
  スイセン、ハナニラ、そしてハゴロモ・ジャスミン…。
  花の春も、これを合図にどんどん佳境に入っていきます。

          

◇ そして今日4月8日は、俳人高濱虚子(1874-1959)の命日「虚子忌」です。
  正岡子規の弟子だけあって、心に染みる句がいくつかあります。
  春の俳句を三句拾ってみました。
  今夜は桜餅を一ついだだきましたが、一人で食べてもどうも…。

   
   (tre poesie di oggi)

        三つ食へば葉三片や桜餅        

        この庭の遅日の石のいつまでも

        いかなごにまづ箸おろし母恋し
                              高浜虚子 

   ☆☆☆ クレマチス、この頃 ☆☆☆

     
        □ クレマチス・モンタナ系「ブロウトン・スター」
           (Clematis montana 'Broughton Star')
         「ボチボチ」でも咲くことは咲く、よくわかりました。

     
      □ 隣で咲き始めた花びら(萼片)、一枚だけ開いてます。
        つまり、一枚ずつ「開花」していく「習性」なのでしょう。

     
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ムスカリ、遠慮がちな彩り

2009年04月07日 23時45分01秒 | 清明
        □ ムスカリ(Muscari)ユリ科ムスカリ属の耐寒性多年草
          北側、黄色のチューリップと対角線の右下、確かに地味。

◇ 春霞の空の下、穏やかな昼下がり、桜の花がはらはらと散っていました。
  今年の桜は満開になってからの花もちが、観測以来最長だったとか。
  桜咲く束の間の春を惜しむ気持ちは、心なしか年々強くなっているようです。
  来年は天守閣のある桜の風景を楽しみたいものです…熊本、松山あたり。

   
   (una poesia di oggi)

       久方の光のどけき春の日に
               しづ心なく花の散るらむ     紀友則

     
      □ 今日は車で通勤、帰り道の家まであと5分の三叉路。

◇ さて細短い(!?)東側の通路沿い、このところひそやかに咲いているムスカリ。
  昨春からほとんど放置したままでしたが、何とか咲いてくれました。
  水仙の緑が濃くて圧倒されそう、もう少し幅をもたせた方がいいのかも。
  いずれにしても、やや「作り物風」でも群生の方がこの花の魅力だと思います。

     
       □ 最もオーソドックスな「ムスカリ・アルメニアカム」
               (Muscari armeniacum)
         タイトル画像のムスカリも、この品種です。

    

    

    
      □ 通路沿い、寄せ植え、水場、今日のムスカリ、様々な姿。
        (左下は、ヒヤシンスかもしれません、葉っぱの形から…)
  
◇ 狭い庭の主役を張るには、ムスカリの花は、いかにも地味過ぎます。
  少なくとも、見下ろして歓声を上げるほどの花でもないような気がします。
  それでも、庭にあれば、地面すれすれのところの春を感じることができます。
  一度育ててみると、春を待ちこがれる気持ち≒ムスカリの花の姿なのです。

     
        □ サンゴ礁の海の色、輝くようなムスカリ。
          スレンダーなチューリップとお似合いです。

   ☆☆☆ クレマチス、この頃 ☆☆☆

     
        □ クレマチス・モンタナ系「ブロウトン・スター」
           (Clematis montana 'Broughton Star')
          今日は、75%も(!?)咲いてみる気になったようです。
          開花が、昨日より花びら(萼片)一枚分進みました。
          こんな「ボチボチ」の花、初めてです。


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水仙、自然と人の心の橋渡し

2009年04月06日 22時25分05秒 | 清明
                □ スイセン(Narcissus tazetta)
                  ヒガンバナ科スイセン属の耐寒性多年草

◇ 二十四節気の清明を過ぎて、今週からは春の陽気が戻ってきそうです。
  霞がかった青空に、雲雀が羽ばたきながらひっきりなしにさえずってました。
  折りしも散り初めた桜の樹の下は、ピンクの絨毯が敷き詰められています。
  春の中でも季節は移ろい、人の心にいくばくかの愛惜の情を残すのです。

     
       □ カップ咲き水仙「ヨハン・シュトラウス」(鉢植え)

◇ これから晩春に向かうという頃になって、庭の水仙が見頃を迎えました。
  「見頃」とはおおげさですが、ここにも「わが世の春」が、そんな意味です。
  ひところ、取り付かれたように水仙を植えたことがあります。
  通勤バスの窓の外、暖かくなる頃の水仙の群生は、清々しく感じたから…。

     

     

     
  □ 香り豊かな水仙、シックな佇まいの水仙、雪のような鳥のような…。
    水仙の魅力って、たとえば、この様な感じだと思います。     

◇ 濃い緑の葉がなだらかな曲線を重ね、白に黄色のアクセントの花がすっと…。
  冬の冷たさと春の暖かさを兼ね備え、穏やかでも確かな春の到来を感じる花。
  うちの狭い庭でも、水仙の花は「大地」に根ざしているような感すらあります。
  「水仙」の漢字は「水」と「山」の間に「人」古来水辺に佇む花だったのでしょうか。

     
            □ スイセン「クム・ラウデ」(Cum Laude)

     
             □ スイセン「トレポロ」(Trepolo)

◇ ギリシア神話のナルキッソスの話に通じる心地さえ感じて、愉快な気分です。
  英語の詩で知っているのは、ほんのわずかですが、誰しも高校英語習う「水仙」
  その冒頭の部分が特に好きでした、そらんじて口ずさめる部分は数行だけ…。
  イングランドの湖水地方、憧れの光景を一度この眼に焼き付けたいものです。

     

     
           □ 私には、こういう房咲きが「水仙」


(una poedia di oggi)

          The Daffodils     William Wordsworth (1770 - 1850)

     I wandered lonely as a cloud
     That floats on high o'er vales and hills,
     When all at once I saw a crowd,
     A host of golden daffodils;
     Beside the lake, beneath the trees,
     Fluttering and dancing in the breeze.

     Continuous as the stars that shine
     and twinkle on the Milky Way,
     They stretched in never-ending line
     along the margin of a bay:
     Ten thousand saw I at a glance,
     tossing their heads in sprightly dance.

     The waves beside them danced; but they
     Out-did the sparkling waves in glee:
     A poet could not but be gay,
     in such a jocund company:
     I gazed - and gazed - but little thought
     what wealth the show to me had brought:

     For oft, when on my couch I lie
     In vacant or in pensive mood,
     They flash upon that inward eye
     Which is the bliss of solitude;
     And then my heart with pleasure fills,
     And dances with the daffodils.

   明日4月7日は、その詩人ウィリアム・ワーズワースの生誕の日です。

     
       □ スイセン「リップ・バン・ウィンクル」(カクタス咲き?)

     
       □ スイセン「バルボコデューム」原種系でしょうか…。
         水仙の「林」の中でひっそりと咲いていました。

   ☆☆☆ クレマチス、この頃 ☆☆☆

     
        □ クレマチス・モンタナ系「ブロウトン・スター」
           (Clematis montana 'Broughton Star')
              咲くの、咲かんの、どっち!?

     
    □ クレマチス・パテンス系「ダッチェス・オブ・エジンバラ」
        (Clematis patens 'Duchess of Edinburgh')
      初年度の昨年は咲かなかったので、少しドキドキです。

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チューリップ、清く、明るく。

2009年04月05日 14時53分32秒 | 清明
           □ チューリップ「レディ・ジェーン」
             (Tulipa clusiana 'Lady Jane')
             ユリ科チューリップ属の耐寒性多年草。
             リビングのカーテンを開けたら、「おっはよう~っ!」

               
               □ この原種系のチューリップは、
                 日が暮れるとつつましやか…。
                 それにしても日中は「明るい」貴婦人です。
                              (2009年3月29日)

◇ 今日は暦の上では二十四節気の一つ、「清明」です。
  読んで字の如しで、清々しく明るい、美しさの代表みたいなもの。
  暦便覧によると「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草と知れるなり」
  周りを見れば解りますよね、うちの庭でさえ春の盛り、これから晩春です。

             
               □ こちらは「清々しい」
                 これからあとはすべて、
                 品種名不明。。。

◇ 清さんと明さん、ご兄弟の名前、清明さんって独り占めしている方も…。
  別に姓名判断をしようという訳ではなくて、清々しくて明るい花といえば…。
  私は、チューリップで決まりだと思いますし「清浄明潔」間違いなしです。

     
       □ チューリップは、蕾が色づき出す頃もきれいです。
         ヘレボルスの鉢を置いている辺り。
         まるで北側ですが、2月からは半日陰になります。

     
        □ これは、周りを水仙に囲まれてしまいました。

◇ 四月の上旬ですから、チューリップも早咲き品種でもまだ早いくらいです。
  たとえ蕾でも春を告げる花の代表、庭に本格的な春の到来を教えてくれます。
  これがなければ春ではない、子どもの頃からそう感じていた節があります。

     
          □ 水色のムスカリとの寄せ植えです。
            真っ赤な花との対比を楽しもうと…。
            そこまでは思い出しましたが、品種名が…。

   
   (una poesia di oggi)

        たましいはいかなる色やチューリップ      田沼美智子

◇ 花との付き合いが一番長いのがチューリップのようです。
  結婚して(ギョッ)アパートのベランダから、鉢植えはずっと…。
  なぜだかわかりませんが、子どもの頃の「憧れ」の花だったのです、きっと。

     
        □ 「あなた」の次に細い細いチューリップです。
          「細い」で思い出した、山本志織さん(気象予報士)
          新年度替わりで、もしやと心配していましたが、
          昨夜、気象情報に出てくれて、ホッとしました。


   ☆☆☆ クレマチス、この頃 ☆☆☆

             

     
        □ クレマチス・モンタナ系「モンタナ・スターライト」
          草色の混じったような素朴な花の色が気に入りました。
  
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桜、中空の春の絨毯

2009年04月04日 16時25分03秒 | 春分
             □ 春雨に煙るさくら花   2009年4月4日
               (すべて、大分市高尾山自然公園)

(una poesia di oggi)

     桜ばないのち一ぱいに咲くからに
               生命をかけてわが眺めたり     岡本かの子

◇ こちらの桜の開花宣言、今年は3月17日でした。
  それから二週間以上も経って、ようやく満開を過ぎたところです。
  郵便局に行ったついでに、クレマチス植え替え用の大きな鉢を買いました。
  ただ雨は降り止まず、この時刻も空から雨粒が落ちていて、園芸は延期に…。

     
        □ 少しだけ若葉が見えています、散り初めです。

     
       □ 歩道までかぶさるように、桜の大木は雄大です。

◇ 帰りに桜の写真を収めました…そろそろ見納めです。
  風はほとんどありませんが、花散らしの雨でしょう。
  まだわずかですが、はらはらと散りゆく桜に春の終わりを感じてしまいます。
  どこまでも静かで、時折通る車の音と野鳥のさえずりが聞こえるくらいです。

     
    □ 鳥の姿が見えても鳴き声がしても、名前がわからないのです。

◇ ソメイヨシノが、ここは1,800本でしたっけ、ゴルフ練習禁止の立て看板。
  この桜を下から見上げることが多いのですが、今日は道の反対側の宅地から。
  桜の木よりも高いところから遠くに眺めると、色の柔らかさが断然違います。

     
     □ 階段を登る途中で振り返り見る桜、やや趣が異なります。


(una poesia di oggi)

        さきみちてさくらあをざめゐたるかな        野澤節子

     
 □ 自然公園と反対側の宅地の斜面にも、花木がいろいろ植えられてます。

◇ 春もわずかにこの時節だけが、ものみなすべて桜色に染まるかのようです。
  もう来週には、この景色も一変していることでしょう。
  名残の桜、いつまでも心に留めておきたい、優雅で繊細な春のベールでした。

     
        □ 菜の花は、こちら側でしか咲いていません。


(una poesia di oggi)

        花の雨やがて音たてそめにけり          成瀬桜桃子


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アネモネ、風に春の色があるのなら。

2009年04月03日 22時11分20秒 | 春分
              □ アネモネ(Anemone coronaria)
                キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草
                春の風が、何度も行き交いながら、
                染め上げたようなこの色が好きです。

◇ この花も、昔は名前だけは知っていて、その実、何も知りませんでした。
  今でも、たとえば園芸品種のケシの花との区別がどうもつきません。
  子どもの頃から、星座に興味があって、ギリシア神話に思いを馳せました。
  ○○女神が△△を愛して、嫉んだ××が殺して、そこに咲いたのが…。

     
           □ 来週には「開花」となるでしょう。 

◇ だからアネモネも、ギリシア神話の世界から入っていったようなもの。
  絶世の女神(!?)アフロディーテが愛した美少年(!?)アドニス(Adonis)。
  何の弾みか、イノシシの角に突かれて、はかなくもあっけなく落命。
  アフロディーテの哀しみの血の涙、そこに咲いた花がアネモネ。

     
     □ こんな淡い色のアネモネも、趣があっていいものです。

◇ アネモネの学名は、ギリシア語のΆνεμος (anemos)「風」が語源です。
  英語も"Wind Flower"、十数年前に訪れた、ギリシアにもエーゲ海でも、
  そんな「赤い」風は吹いていませんでした。
  おそらくアネモネの「赤」が、「血」や「命」を表しているということと、
  「風の花」という名前とは「出典」が違うのかもしれません(勝手な想像です)。

     
    □ まだこれからの「アネモネ」バラやオダマキと寄せ植えです。
      この鉢では、濃いピンクの花も咲くのかもしれません。

◇ ラナンキュラスもそうですが、私はどちらかと言えば「パステルカラー」好み。
  アネモネの赤や紫が嫌いではないのですが、淡い変化に富む色の方が…。
  私は早春の風に色があるとしたら、冷たさの方が勝っているような、淡い色。
  春の暖かさは、風の筋となってほんのり刷り込まれているように思えます。

     

     
     □ タイトルのアネモネ、朝夕はそっと閉じて、優しげで清楚。
       ご存じの通り、花びらではなくて、萼片(がくへん)です。

       
       (una poesia di oggi)

          アネモネや手紙短く書き直す     岡本 眸

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ラナンキュラス、春美人

2009年04月02日 22時33分44秒 | 春分
           □ ラナンキュラス(Ranunculus asiaticus)
       キンポウゲ科キンポウゲ属の半耐寒性多年草(球根性一年草)
       学名でもわかるように、西アジア(トルコ辺り)の原産です。

◇ 三年前の春、この花を園芸店で見かけました。
  きれいな女性に見とれてポワ~ンとなって、つまづいてしまうようでした。
  園芸店で見かけるまで全く知らなかった花、それが「ラナンキュラス」です。
  それでもあまりメジャーじゃないみたいなところが、良いのかよくないのか。

     
        □ どこまでも白に近いクリーム色だと思います。

◇ 不格好な球根からは、こんなきれいな花が咲くとは想像もできません。
  私の好きなバラのような花の咲く品種の球根も、こんな田舎にはありません。
  黄色だけは、好みに合うからと植えましたが、庭のどこにも見当たらなくて。
  今年の花は、早春に店頭に並んだポット苗を購入したものばかりです。

     
        □ 黄色を撮るときばかり、春風が舞いました。

◇ バラが好きな私のことですから、花びらの数の多い、淡い色合いがほとんど。
  バラの冬剪定後の殺風景な庭、一足先に春の暖かさ、麗しさを呼び込みます。
  そして、早春の他の花達が咲きあがって来ても、色彩の存在感はさすがです。
  色彩ばかりじゃなく、バラのような花の姿に、一種の虜になっています。

     
               □ 2009年4月1日朝

     
               □ 2009年4月2日夕方
                 左下から時計回りに
                 開花のステップがわかります。

◇ キンポウゲ科の花は、季語になっているものが多いのに、この花は…なし。
  園芸種というか栽培種は、俳句では詠んでもらえないというわけでしょうか。
  「花金鳳花」(はなきんぽうげ)ちょうど七語なのに…日本人は冷ややか!?
  そんな不満もどこ吹く「春風」とばかりに「春美人」は凛として佇んでます。

     
        □ 春の庭に欠かせない花になってしまいました。

     (追記) これで500回になります。
          ここにいらして、見て、読んで下さって、コメントまでも。
          暖かく励まし続けていただいた賜物です。
          感謝の気持ちでいっぱいです。

          向かい合う気持のリセットはしましたが、
          装いは、ちっとも新たになっていませんね。
 
 
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マーガレットは聖歌隊

2009年04月01日 23時54分32秒 | 春分
         □ マーガレット「サンデー・リップル」(!?)違うかも…。
       (英 Marguerite 伊 Margherita 学名 Chrysanthemum frutescens)
           キク科キク属の半耐寒性多年草
           ギリシア語「マルガリーテ」は「真珠」だそうな。

   
  (una poesia di oggi)

          遅い月の出マーガレットは聖歌隊        伊藤淳子

◇ 菊はあまり興味の範疇にはありませんが、亡父が懸崖などに凝っていました。
  マーガレットは、春先のHCに行けば、まあ500円硬貨で最低2円はおつりが…。
  ベランダ、玄関先でも置いてあれば、お花好きのお人柄さえ偲ばれるような。
  そんな身勝手な感覚で、庭や家を飾ろう、自分自身も飾ってもらおうとか…。

     

     
              □ マーガレット「ソレミオ」?

◇ マーガレットらしい、白の一重の花、私も最初はそんな花を求めたはず。
  そのうちにコロンとした白、ピンクの八重と増やしていきました。
  多彩な趣向が可能で、全体をゆるやかにまあるく仕立てるのが好きです。
  うちはすべて東側のほぼ半日陰の花壇、放っておくと夏に繁りッシモ!

     
         □ マーガレット「アンジェリック・ブラッシュ」
           これが昨夏、栄えに栄えました。

◇ マーガレット、その名からして高貴な香りに溢れ、どこか儚くもか弱い感じ。
  思い浮かぶのは、ベラスケスの絵画で有名な王女「マルガリータ」
                (Margarita Teresa von Spanien 1651-73)
  21歳の若さで落命、薄幸の一生というにはあまりに短すぎます。

  マーガレット・ミッチェル(Margaret Mitchell 1900-49)
  言わずと知れた「風と共に去りぬ」(1936)の作者、確か三十代で読みました。

  「若草物語」(Little Women 1868年)ルイーザ・オルコット(Louisa Alcott)
  長女メグ(Meg)は、正式名はマーガレットでしたね。

     
            □ マーガレット「アンジェリック」

     
      □ 春が進むと、全体がなだらかなピンクに染まります。

◇ そんな個人的な印象は別として、繁ったら剪定、水切れをおこさないこと。
  それさえ守れば、茎は木質化してどんな剪定にも耐えるりっぱな株になります。
  九州は暖かいので大繁盛しますが、寒さに弱いそうで、霜や降雪に注意です。
  「春告花」として、一足先の上品な春色が、うちの花壇には欠かせません。

     
        □ これから植えつけのポット苗二つです。
          ラベルに品種名がありませんが、
          八重の「ファンシー・レモン」と思われます。

          まだ咲いていない地植えのが二株あります。
          マーガレットの庭でもあるんだなあと自分なりに感心。。。


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