折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

月末の小雨の朝

2007年09月30日 23時34分07秒 | 秋分
                □ 昨日の蕾は今朝開く シャルロット(ER)

◇ けさも雨模様、でも午前9時くらいには上がりました。
  雨に濡れた薔薇、その中でシャルロット(ER)が開花しました。
  久しぶりの黄色いイングリッシュローズに、心は高鳴ります。
  やや小さ目ですが、それはこれも春の薔薇の続きで、夏を越した枝だから?

          

◇ ヘリテージ(ER)も蕾を従えて、まず真ん中の花の開花です。
  これはそれなりの大きさ、やわらかなピンク色の美しさがなおさら引き立ちます。
  雨に濡れた様子がお解りでしょうか。

    

          

               
                           □ ヘリテージ(ER)

◇ このアプリコットピンクも、雨に濡れても健在です。
  昨日の花瓶に生け花にしました。

          
             □ アブラハム・ダービー

◇ 今日も、雨が上がって、午前11時からウォーキング開始。
  帰宅が午後2時半、つまり3時間歩きました。
  約15kmくらいでしょうか。
  アップダウンのきついコースなので、帰りは薔薇の土なんかを下げて、
  いささかダウン気味でした。
  両足のふくらはぎが、今もダルイですね。
  途中で、なぜかこんな歌を思い出しました。
  これ以外は、歌をいっぱいうたいながら(誰にも聞こえない程度に)歩いてます。

          
                    □ アイスバーグ(FL)

 
  (una poesia di oggi)

    都をばかすみとともにたちしかど秋が風ぞ吹く白河の関    能因法師
                                        (後拾遺集)

       都を春霞のたつのといっしょに旅だったが、
       この白河へ着いた頃には、もう秋風が吹いていることだ。

      ※ 古人は、よくお歩きになりましたね。
        現代のマラソンランナーとともに、心から尊敬します。

◇ 九月最後の日曜日、すっかり秋めいて来ました。
  これから、コーネリアもスプレー咲きでたくさん咲きそうな予感。

          
                    □ コーネリア(Hmsk)

◇ 今このチャンスにとばかりに、来年の春には、玄関の門扉を開けて左に目をやれば、
  ムスカリと水仙が見えるように、アプローチに沿って植えました。
  ムスカリはチューリップのベストパートナーとありますが、水仙とよくあるのを
  確信しました。
  アシュガの両脇には、水仙はリップバン・ウィンクルとW.P.ミルナーを植えました。
  水仙は、掘り起こしたり、いただいたりした球根がたくさんありますので、
  そのうちにまとめて植えてみます。

     

     (ムスカリ)
          ブルーパール
          ゴールデンフラグランス
          ボトリオイデスアルバ
          クリスマスパール
          アルメニアカム

     (水仙)
          セイルボート
          ニューベビー
          スカーレット ゼム
          ラスベガス
       
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寝待ちの月は見えませぬ。

2007年09月29日 23時20分30秒 | 秋分
          □ グラミスキャッスル(ER)もう一つの蕾が咲きました。
            夜半の雨に濡れて、やや重たげです。

◇ 中秋の名月から4日経って、ようやく秋らしい涼しい一日となりました。
  この土曜日と明日の日曜日は、こちらの小学校の運動会が学校によって
  分かれて実施されるみたいです。
  明日も雨が降らなければいいのですが…。

       
     □ ミリオンベル・ムーンライトとダイコンドラ・シルバーの寄せ植え。
       さすがにミリオンベルは徒長して、花数が急に少なくなりました。

◇ 薔薇は、蕾がまた一つ開きました。

     

          
             □ アブラハム・ダービー(ER) LA VIE EN ROSE ♪ 
               映画「エディット・ピアフ」は見に行かなくっちゃ。

◇ それから、朝顔の間から、愛らしいピンクが顔を覗かせました。

     
               □ コーネリア(Hmsk)

◇ 他の蕾はもうちょっと待たなければならないようです。

               
                           □ シャルロット(ER)

     
                □ ヘリテージ(ER)

◇ 今日は、半袖では肌寒いくらいの日和でしたので、
  10kmくらい、約2時間ちょっとウォーキングで歩きました。
  行きはよいよいでしたが、帰りはDVD-Rや牛乳とか買い物して重くなりました。
  傘も一応念のため持ってましたので、もう腕がだるくなりました。
  結構汗もかいて、よれよれに近い状態で帰って来ました。

          
             □ ダルマハギ 買ってすぐ地植えにしたものです。

◇ えっ? 他に買ったものがあるでしょうって?
  はい、買いました。
  ブログ友にインスピレーションを得て、Inspire the Next!
  ちと古いコピーですかね、私は日立でもイタチでもありませんが、友達が日立か…。

          
               □ ウィンター・カーネーションとマンデビラ

◇ え~と、いろんな種類のムスカリを50球ほど買いました。
  私の家は玄関が北向き、庭へは左にアプローチが続いて、東から南へのコースです。
  そこで、アプローチのレンガに沿ってムスカリを植えたら、きれいかなあって。
  明日、そういう風に植えてみましょう。

          
            □ これって「コルチカム」でしたっけ?
              先週の日曜日に植えたばかりなのに…。

◇ そうして、お隣さんに飛び出ている花とかを切り花にしたら、こうなりました。
  恥ずかしいけれど、見て下さい。
  家内がいないもので、私がやるしかなかったのです…。

          
  
        □ をみなもすなる生花といふものを をとこもしてみむとてするなり


◇ 言うほどのことではなく、家内がいないから挿してみただけです。

               
                  □ ペンタス、いつまでも次々に咲いてくれました。

       

             □ グラミス・キャッスル
               マンデビラ
               ペンタス
               アメジスト・セージ
               もう一つ、向って左の葉が思い出せません。 

◇ 今日は、午後11時には床について、30分英語、30分源氏物語…。
  それまで起きていられたらの話ですが…。
  ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を聴きたくなりました。

          
        □ 涼しい曇り空で、夕顔が咲き始めるまで、朝顔が咲いてました。

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居待ちの月

2007年09月28日 23時01分30秒 | 秋分
                  □ 読んで字の如く、座って待ちました。

◇ 今夜は旧暦8月18日、特に「居待ち月」と呼ばれているのはご存じのとおりです。
  雲が多く、お月さんも出たり隠れたり、気ままな雲の行方次第というわけです。

          

◇ 今日で仕事がひと山越えて、あとは奈落の底へ転げ落ちるだけでん…ねん。
  帰りにHCに立ち寄って「ウィンターカーネーション・ベリーサ」なるポット苗、  
  寒さには強いらしいですが、カーネーション特有のウィルス病への耐性は不明です。
  だから、試しに一つだけ買いました(300円)。
  去年はガーデンシクラメンと寄せ植えした、ヘデラというんでしょうか?
  俗に言う、アイビー(斑入り)の平鉢に寄せ植えしてみました。
  ちょうど、マンデビラの蔓がここまで伸びてきていて、蕾と一緒にパチリ
  門燈の灯りで、葉や茎が黄色く見えますが、本当は濃い緑色です。

     

          
              □ ウィンター・カーネーション「ベリーサ」
                ナデシコ科・ナデシコ属の耐寒性多年草

◇ あとは、毎度毎度の草野球♪じゃなかった、昨日から今日咲いた毎度の薔薇です。
  朝顔に隠れて、ちょっと気がつかなかったのですが、このオールドローズは、
  すでに花の盛りを過ぎてしまいました。

          
                  □ ジャック・カルティエ(Pol)
                    窓辺にパカラの脚が見えます。

◇ この秋になって初めての薔薇です。
  アイスバーグは、これから咲き続けるはずですが、線が細いようです。
  だから、思ったより花が小さいのが残念です。

          
                    □ アイスバーグ(FL)

◇ これは、グラミス・キャッスル(ER)ですが、この頃秋になったのを
  いち早く感づいたのか、花持ちが非常に良くなりました。

     
          □ グラミス・キャッスル(ER) 朝の様子

          
      □ 遠き山に日は落ちて♪ 夜の帳の中のグラミス・キャッスル(ER)

               
      □ ホワイトにピンクが浮き出して来たような、幻想的なグラミス・キャッスル(ER)

   
   (una poesia di oggi)

        月いでて薔薇のたそがれなほつづく     水原秋桜子


◇ アブラハム・ダービー(ER)も蕾が膨らんで、明日は開花でしょうか。

          
          □ アブラハム・ダービー(ER) バラ色の人生の色そのもの

◇ そして、やっと帰って来ました。
  ウィリアム・シェイクスピア2000(ER)は、我ながら惚れ惚れする花の姿です。

         
         □ ウィリアム・シェイクスピア2000(ER) 夕暮れの花姿

◇ 今日は娘のだから、こんなにきれいに咲いてくれたのかなあ。

  幼稚園の頃だったか「わたし、てんびん座、おとうさんは、何びん座?」
  実は、おとうたまもてんびん座 もう一年の早いこと。


     

               
               □ いずれも今朝の、ウィリアム・シェイクスピア2000(ER)

◇ 今日は帰りに本当は紀伊國屋書店に寄るのが目的でした。
  別冊太陽(平凡社)の「ルーヴル美術館」(宮殿の記憶に刻まれている美の旅)を
  買って来ました。
  まだ、行ったことないから、少々行った気分になりたくて…。
  少し眠いし、タイミングを逸したので、わざとじゃないけど、ブーキャンは休養です。

                    
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立ち待ち月の頃

2007年09月27日 23時59分17秒 | 秋分
         □ まだ欠けたのがよくわからない、立ち待ちの月(十七夜)

◇ 今宵は雲はややかかってはいたものの、立待月が昇ってきました。
  薔薇の葉っぱの間から輝くばかりの月明かりです。

          
                □ ミニチュアバラの「コーネリア」

◇ 薔薇も、いろいろと花が咲き始めました。
  画像はみな、けさの薔薇の様子です。
  まだ秋薔薇ではないのですが、私にとっては値打ちものです。

     
       □ ヘリテージ(ER)次々に咲いて…新芽もたくさん。
         強くて、お淑やかな、秀逸な英国薔薇です。

          
              □ グラミス・キャッスル(ER)は、薄~いピンク
                本来の真白ではないホワイトがゆかしいのです。


◇ 蕾もそれぞれに膨らんできたのがあります。
  もうしばらくしたら、花盛りにならないかなあと、それが楽しみです。

    
          □ ウィリアム・シェイクスピア2000(ER)

          
                  □ アブラハム・ダービー(ER)

               
                           □ シャルロット(ER)
  
◇ 今夜は、ややおとなしい私でしたかね。

          

          
                 □ レオナルド・ダ・ヴィンチ(AT/CL)


(due poesie di oggi) 

     薔薇の香の紛々として眠られず       正岡子規

       ※ いったい明治のどんなバラだったんでしょうね。
         花瓶に挿した薔薇の香りがしのばれます。


     薔薇深くぱあの聞ゆる薄月夜        正岡子規

       ※ 「ぱあの」って、ピアノのことでしょね、きっと。
         一瞬、私のことかと思いましたが、ちょきに負けますし。
         今夜はピアノ曲を聴きながら寝ることにします♪
         ドビュッシーの「月の光」とかですね。
         そうしたら、ほとんどこの句のとおりになりますから…。


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十六夜の朝!?

2007年09月26日 23時58分32秒 | 秋分
                      □ L.D.ブレスウェイト(ER)

◇ 今宵は十六夜の月、東の空に低いうちはよく見えてましたが、
  何せうす曇りで、昨夜の満月のようには参りませんでした。
  今も窓の外に月明かりはありません。
  「十六夜の朝」というのも、何か変ですね。
  私だから許されるかも…それも変!

     
               □ 朝顔の「むらくも」
     

◇ 十六夜と言えば、阿仏尼の「十六夜日記」が思い出されます。
  読んだことがあるかどうか、高校時代に授業か補習で習ったかも忘れました。
  京都から鎌倉までの訴訟のための旅日記らしいです。
  肝っ玉の座った、すごい尼さんですね。

     都を出でしことは、神無月十六日なりしかば、
     いさよふ月をおぼしめし忘れざりけるにやと、
     いとやさしく、あはれにて、
     ただこの返り事ばかりをぞ、またきこゆる。

      めぐりあふ末をぞ頼むゆくりなく 空にうかれしいさよひの月

          
               □ 「キョウコーヒー」じゃなかった
                  「アスティ」に「エンジェルチュチュ」(右端)

  
◇ この冬に「ザ・ダーク・レディ」という名のイングリッシュローズを求めましたが、
  なぜか新芽も伸びずに枯れてしまいました。
  もう頭に来て?代わりに買ったのが、この「L.D.Braithwaite」です。
  ちょうど椿を薔薇にしたような趣きがあります。
  真っ赤と黄色いしべが鮮やかな対称を見せてくれます。
  春よりまだ少し小さい気がしますが、本格的に秋薔薇は大輪になると信じてます。

     

◇ 源氏物語「桐壷」は、お昼休みに読みましたが、ちょっとしか進みませんでした。

   宮城野の露吹きむすぶ風の音に 小萩がもとを思ひこそやれ

     宮中を吹き渡って、涙を催させる風の音を聞くにつけても、
     あなたのところにいる若宮(光源氏)のことが思いやられることです。

     (注)「宮城野」はこの場合宮中を、小萩は宮城野の縁語で若宮をさす。
                               (古語辞典・旺文社刊)

こちらは、レオナルド・ダ・ヴィンチ(AT/CL)、秋の方が花びらの数が多いようです。

          
 
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今宵は十五夜

2007年09月25日 23時49分19秒 | 秋分
                        □ 月にむらくも

◇ 今宵は、年間約12回ある満月のうちでも特別な夜。

     夕顔や月影ほのか窓の外

     中秋の名月庭にあらまほし

     水遣りの背にほのかなり月明かり

  薄雲の合間に、まあるい、まあるい、まんまるい月が一つだけ昇ってきました。

     

◇ 十五夜お月さんに照らされて開いた、たった一輪の夕顔も運がいいなあ。
  庭には365日、月明かりがほしいなあ。
  そんな遠慮がちな性格そのものを詠んでみました。
  私はめったに詠みません(詠めません)が、
  もっと素直に、俳句って詠めないものでしょうか?

          


◇ 今日は、仕事がいくら忙しくてもアフター5の「健康教室」
  ビリーのブーキャンの生徒さんみたいなインストラクターに、
  優しくしごいていただきました。
  だから、今日はブーキャンはお休みです。
  教室の終わった午後7時には、もう十五夜お月さまは東の空にありました。

     
 
◇ 昨日の様子ですが、夕顔の花がどのようにして咲くのかがわかりました。
  そよ風です。
  そよ風が吹くと、真っ白な折りたたんだ部分が少しずつほどけて行きます。
  ほどけて行くときに、パシッとかすかに音がしたような気がしました。

     

          

               

◇ じゃあ、風が吹かなかったらどうなるのって?
  風の神様も、息継ぎと息抜きは、三度のご飯よりも必要なんです。
  だから、いくら瀬戸の夕凪でさえ、いずれ必ずまた吹き始めます。
  そうして、夕顔はかすかな風をとらえて、短時間でお化粧「満月」に花開くのです。
  
         

◇ 源氏物語は、「桐壷」を読み始めて、この和歌のところまで来ました(フ~っ)。

    限りとて別るる道の悲しきに いかまほしきは命なりけり

      今を限りと別れて行く死出の旅の悲しさにつけても、
      生きていたいのは命であることです。

      (注) 「いかまほし」の「いか」は「生か」と「行か」の掛詞。
          「行か」は「道」の縁語。
                              (古語辞典・旺文社刊より)


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今日の日はさようなら♪

2007年09月24日 23時57分57秒 | 秋分
                    □ 爽やかな朝を演じてくれる朝顔達
                      お昼にはさようなら。

◇ 一日、厚い雲がたれこめていましたが、夕方にパラパラと降ったくらいでした。
  どこかまだ、蒸し暑さの残る一日でした。
  朝顔に中に一つピンクの薔薇、レオナルド・ダ・ビンチです。
  この薔薇は、少しずつ数が増えつつあります。
  どう剪定していいかよくわからなくて、まだ剪定前の夏の薔薇が咲いています。

     

          
                □ レオナルド・ダ・ヴィンチ(AT/CL)

◇ 今日は、こんな薔薇が咲いていました。
  夏の名残の花に相応しいホワイト、結構大きい花です。

     
            □ フラウ・カール・ドルシュキ(OD)

◇ 今咲いているのは、みな秋薔薇ではありません。
  剪定をし残したものばかりが今は盛りです。
  でも、夏の猛烈な暑さもほぼ去って、自分たちの出番を今かと待ってたのでしょう。

          
           □ スカボロフェア(ER)夕べは蕾だったのに、すぐ開花。

               
                          □ ヘリテージ(ER) 美しい!

◇ 私が今年気に入った光景の一つ。
  西洋朝顔のヘブンリーブルーと花壇の光景。
  この朝顔の人気が、うなずけるような気がします。

     

          
                 □ ペンタスとよくお似合いです。

              
                    □ 曇り空で、夕方まで咲いてました。

◇ 今日は午後3時半くらいから、庭でゴソゴソやってました。
  この頃は休みになると、どうもお昼寝をしてしまうのです。
  午前中堆肥と花の土を買うつもりが、いろいろと小さいのを買ってしまいました。
  もう一つ、花壇で好きな光景なんです、何の変哲もないですけど…。
  ラベンダーが猛暑の中でもずっと咲いていて、とうとう夏を越しました。
  夏に弱いと聞いていたので、今年一番驚いています。

             

         

          
        □ 八重のギャラクシー・ダリアも咲き出して、とってもきれいです。

◇ 紫式部がお安くなっていましたので、源氏物語の読み始めを記念して、
  庭に「植樹」とまでは行きませんが、単に地植えました。

          
                      □ 紫式部


(una poesia di oggi)

   めぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲がくれにし夜半の月かげ

                            紫式部(新古今集・小倉百人一首)

     久しぶりでめぐりあって、昔見たなつかしいその人かどうかと、
     はっきり見分けもつかないうちに、夜半の月が雲間に隠れてしまうように、
     たちまち帰ってしまわれたことよ。
                                (古語辞典・旺文社刊)

◇ それから、大好きな萩「だるまはぎ」を植えました。
  なんだか、念願叶って、とても幸せな気分です。
  子供の頃から大好きだった花が、やっと庭に来てくれました。
  ちゃんと育ってくれるといいのですが…。

          
                      □ だるまはぎ

◇ あとは、ずっと探していたスノーフレークの球根を南側の紫陽花の近くの
  半日陰に植えました。
  それにスノードロップも追加して植えました。
  まとまって咲かせよう…これがこの秋の球根の植え方にしたのです。
  背丈が10cmくらいにしかならないチューリップも、ホワイトを買って来て、
  昨日植えたピンクの間に植えました。
  これまで植えてた水仙も、掘り返したのを、少し場所をかえて植えてみました。
  まだ、水仙屋さんと百合屋さんできるくらい、たくさん控えてます。

          
    □ 七面倒くさいことは嫌なのですが、さすがに名札を立てることにしました。

◇ ポット鉢で残っていた紫陽花も、地植えにしました。
  地植えにした紫陽花は、おそらく15種類くらいが南側にずらっと並ぶことになります。
  来年の6月を楽しみに待とうと思います。
  今日の趣味の園芸の終わり際、片付けの最中に、薄暗い中、なぜが心惹かれました。

          
                       □ ゼラニウム

◇ パカラは、私たちがテーブルの上で新聞を広げると必ず上で横になります。
  ページをめくっても同じことです。
  うちの奥さんは、頭に来て、広告のチラシから何から、全部かぶせてました。

     

          

               
                □ いつもは、こうして床の間で私と寝てるんですがね。

     

  
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夏がゆく ~ もう秋分 ~

2007年09月23日 02時07分26秒 | 秋分
            □ グラミス・キャッスル(ER) ここにはまだ夏が。

◇ 今日は、午前中は別府まで車を走らせました。
  眩しい夏の日射し、秋分の前日とは思えないほど。

          
               □ 別府湾と国東半島

               
                      □ グラミス・キャッスル(ER)

◇ でも、確実に夏は往きます。
  そして、庭も草花も樹木も、確実に秋に包まれて来ます。

     

          
                    □ ヘリテージ(ER)

◇ 夕暮れに水遣りをしながら、いつものことのように歌を口ずさんでいました。
  私にはどこかしら秋を感じる歌です。
  30年以上前の堺正章さんの歌(テレビドラマ「時間ですよ」)。

          

         
                        □ トレニア


(una poesia di oggi)

              街の灯り          阿久悠

     そばにだれかいないと しずみそうなこの胸
     まるで潮が引いたあとの 暗い海のように

     ふれる肩のぬくもり 感じながらはなしを
     もっともっとできるならば 今はそれでいい

     息で曇る窓に書いた きみの名前指でたどり
     あとの言葉迷いながら そっと言った

     街の灯りちらちら あれはなにをささやく
     愛がひとつめばえそうな 胸がはずむときよ ♪

     好きな歌を耳のそばで きみのために低く歌い
     あまい涙さそいながら そして待った

     街の灯りちらちら あれはなにをささやく
     愛がひとつめばえそうな 胸がはずむときよ 

                   

◇ さしもの猛暑も、もうしょろしょろ往ってしまいます。
  往けば行ったで、一抹の寂しさもあるものです。
  おそらく10月でさえ、真夏日はあるかもしれません。
  「猛暑んなに暑くならないでよ」

          
                    □ ブーゲンビリア

◇ しかし、日本には四季があります。
  しかも、ちょうど昼と夜とが綱引き会う秋分の日を境に、
  私じゃなかった「秋」はそこかしこに入り込み、包み込んでしまうようです。

          
                        □ 藤袴

◇ それで、私は今夜は往く夏を惜しむジャパン、夏にお礼を言います。
  オレの御礼くらいでは、太平洋高気圧を回り込むように吹き込むモンスーンの
  熱風が折れたりはしないでしょうが…。

          
               □ レオナルド・ダ・ヴィンチ(AT/CL)

◇ 夏の歌の好きないくつかも、並べさせて下さい。
  それなりに感じるところがあるものばかりです。
  今日は、まだブーキャンもやってないのでこれから(午後10時)暴れます。
  後ほど、また続きを…と言ったところで、誰もわかんないのに…。



     蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな     芥川龍之介

          



     露涼し夜と別るる花のさま        石井露月

     

          

               
                              □ 夕顔



     花あふひ咲けるかたへに傘ひらきいづこへゆかな雨降る午後は
                                     板宮清治

          



  夏と秋と行きかふ空の通ひ路はかたへ涼しき風や吹くらむ  凡河内躬恒(古今集)

     

          
                    □ 甘木りんどう



     夏山や一足づつに海見ゆる     小林一茶(享和句帖)

          
               □ サフィニア・ブーケ (台風で散々でした)



     ほととぎす鳴きつるかたを詠むればただありあけの月ぞ残れる                                     
                                 藤原実定(千載集)

         
                    □ ドレスアップ・ライム



ほととぎす鳴きつるあとにあきれたる後徳大寺のありあけの顔  四方赤良(南畝帖・狂歌)

           
                     □ ドレスアップ・ライム    



     昔思ふ草のいほりのよるの雨に涙な添へそ山ほととぎす                                                                            藤原俊成(新古今集)

          

         
          □ スカボロフェア(ER) 夏剪定がうまく行きました…が…。    



     馬追虫の鬚のそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想ひ見るべし   
                                     長塚節

          
                    □ ゼフィランサス


◇ 馬追虫のスイッチョンを聴かなくなって、久しいです。

               
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古典文学と私 その三

2007年09月22日 01時30分01秒 | 白露
             □ これも剪定に漏れたアブラハム・ダービー(ER)
               秋薔薇とは言えません、大きさも3分の2くらい

◇ かつて学生時代から三十歳辺りですから、つい最近まで(!?)、
  川端康成や三島由紀夫や谷崎潤一郎や辻邦生の小説のように、
  これぞ日本語とうなずけるような、美しい文章に触れていたくて、
  彼らの小説を憑かれたように読破していきました。

     

◇ 1992年か今年2007年のお正月頃まででしたか…。
  延々15年かけて塩野七生さんの超大作、ライフワークの「ローマ人の物語」全15巻を
  毎年1冊ずつ、刊行される度に、待ちかねたように読み続けてきました。
  ユリウス・カエサルの偉大さに、心打たれたのが約10年前。
  古代ローマの繁栄、パックス・ロマーナにも少しずつボロが見え出します。
  2~3世紀辺りを、塩野さんは「終わりの始まり」(第11巻)と銘打ちました。
  シンプル・イズ・ベストの見事さにプロフェッショナルの心意気を感じたものです。
  それも、五賢帝の最後の哲人皇帝、マルクス・アウレリウス帝の世に…。

               
  
◇ あらら、すみません。
  もっとも興味あるジャンルのことですから、話が横道に反れてしまいそうした。
  
          
     □ アブチロンはうつむいてばかり。アオイ科アプチロン属の常緑小低木。

◇ 私は念願の「源氏物語」を、たとえ注釈はあっても原文のまま読み通してみたいです。
  そのあと、瀬戸内静寂さんや円地文子さん、与謝野晶子や谷崎潤一郎の現代語訳の
  どれかを読んでみたいなと思います。

   いづれの御時にか 女御・更衣あまたさぶらひたまひける中に 
   いとやむごとなき際にはあらぬが すぐれて時めきたまふ ありけり。
                                        ↑
    ※ のっけから、主語がないですね。
      英語は、日記以外は大抵主語くらいはありますし、
      イタリア語は、固有名詞以外は主語がなくても、
      動詞の活用で推測できます。
      源氏物語の冒頭は、↑の部分にあるのです。
      別に透明人間でも、Ms.Spaceでもありません。
      私が想像力と注釈を頼りに、もちろんあまり使いたくなくても
      場合によっては、通常枕代わりの古語辞典も必要です。
      古語辞典を使い始めると、読破するのにいつまでかかることやらと
      いうことに、間違いなく陥ってしまいますから、
      少々はすっ飛ばしても、スピード違反にならん程度に走りましょう。
      今は「秋の交通安全運動」の真っ最中です???

          

◇ ところで、日本古来?の言葉で掛け値なく美しい言葉。
  自分の好きな言葉が、たとえば、二十四節気と源氏物語の五十四帖です。
  もっとも二十四節気は、中国からの輸入品だそうですが…もうすぐ「秋分」。

          

(二十四節気)

  春 立春(りっしゅん) 雨水(うすい) 啓蟄(けいちつ)
    春分(しゅんぶん) 清明(せいめい) 穀雨(こくう)

  夏 立夏(りっか) 小満(しょうまん) 芒種(ぼうしゅ)
    夏至(げし) 小暑(しょうしょ) 大暑(たいしょ)

  秋 立秋(りっしゅう) 処暑(しょしょ) 白露(はくろ)
    秋分(しゅうぶん) 寒露(かんろ) 霜降(そうそう)

  冬 立冬(りっとう) 小雪(しょうせつ) 大雪(たいせつ)
    冬至(とうじ) 小寒(しょうかん) 大寒(たいかん)

     

 (源氏物語)

    桐壺(きりつぼ) 帚木(ははきぎ) 空蝉(うつせみ)
    夕顔(ゆうがお) 若紫(わかむらさき) 末摘花(すえつむはな)
    紅葉賀(もみじのが) 花宴(はなのえん) 葵(あおい)
    賢木(さかき) 花散里(はなちるさと) 須磨(すま)
    明石(あかし) 澪標(みおつくし) 蓬生(よもぎう)
    関屋(せきや) 絵合(えあわせ) 松風(まつかぜ)
    薄雲(うすぐも) 朝顔(あさがお) 少女(おとめ)
    玉鬘(たまかずら) 初音(はつね) 胡蝶(こちょう)
    螢(ほたる) 常夏(とこなつ) 篝火(かがりび)
    野分(のわき) 行幸(みゆき) 藤袴(ふじばかま)
    真木柱(まきばしら) 梅枝(うめがえ) 藤裏葉(ふじのうらば)

    若菜上(わかな じょう) 若菜下(わかな げ) 柏木(かしわぎ)
    横笛(よこぶえ) 鈴虫(すずむし) 夕霧(ゆうぎり)
    御法(みのり) 幻(まぼろし) 雲隠(くもがくれ)

    匂宮(におうのみや) 紅梅(こうばい) 竹河(たけかわ)
    橋姫(はしひめ) 椎本(しいがもと) 総角(あげまき)
    早蕨(さわらび) 宿木(やどりぎ) 東屋(あずまや)
    浮舟(うきふね) 蜻蛉(かげろう) 手習(てならい)
    夢浮橋(ゆめのうきはし) 
                   ※ 以上は宇治十帖と呼ばれています。

     

       
◇ 源氏物語の世界と私のつながりの、きっかけ?といえるものは、
  遥か小学6年生まで遡ります。
  その頃は切手収集が流行ってまして、私もと思って、
  最初に郵便局で買い求めた切手が、源氏物語絵巻の「宿木」でした。
  だから、中学卒業か高校入学後あたりまでは、
  源氏物語って絵巻物みたいに思ってました。
  それが、約千年も前の一大長編恋愛小説、それも紫式部という女性が書き綴った、
  世界に誇れる抒情詩でもあると知って、腰は抜けませんでしたが、
  切手とはあまりに結びつかないものでしたので、わけもわからず驚きました。

          

◇ 中学3年生の担任は国語の先生でしたが、
  君らには源氏物語は読めない、読んでもわからない!
  なぜか、そう決め付けられました。
  なるほど、いづれの御時にかや、いとやむごとなき際にはあらぬが、
  なんてのっけから難し過ぎました。
  エロありグロありオカルトありの54帖らしいです。
  それでも数十年の間、君らには読めないと決め付けられたときの反発が、
  私にはしぶとく残ってます。

          

◇ まずは、桐壺から松風まで、文庫本で3冊分ですが、
  おっちらおっちらと、諦めずに読んでいきたいと思います。
  まあ、54帖を1年に1帖では、私は除夜の鐘みたいな年になってしまいます。
  1年間かけてというのが、良いところではないでしょうか。

          
  
◇ さて、古文の教科書に必ず取り上げてある、「須磨」の帖の一部分。
  学生時代を神戸で過ごしただけに、須磨浦の海岸を思い浮かべます。
  源氏の物語の中では、名文中の名文という評価らしいですね。
  千年もの間、そのような評価が延々と続いていると言うのも驚きです。

    須磨には、いどど心づくしの秋風に、海はすこし遠けれど、
    行平の中納言の、関吹き越ゆるといひけむ浦波、
    夜々はげにいと近く聞こへて、
    またなくあはれなるものは、かかる所の秋なりけり。

     須磨では、いっそう嘆きを尽くさせる秋風の頃となって、
     海は少し遠いけれども、
     行平の中納言が、「関吹き越ゆる」と詠んだという浦波が、
     夜ともなると歌どおり耳のすぐ側に聞こえて、
     ほかにないほど寂しいのは、こういう所の秋であった。


      旅人は袂すずしくなりにけり 関吹きこゆる須磨の浦風   
                      在原行平(818-93)(続古今集)

          
  
◇ ビリーのブーキャンで、きつかったら手をぶらぶらしても、水分補給してもいい。
  でも絶対に最後まで諦めないことを、実際にこの年で学んでいる最中です。
  8月8日から始めましたから、7週間目に入りました。
  物理的にできないこと、興味の湧かないことは無理してまではやる気がしませんが、
  自分に合っていて、やればできるということには、私は変な凝り性を発揮します。
  遣り出したら、たとえ細々とでも、一休みしながらでも、続けることに
  価値を見い出すのです。
  源氏物語をこれから読み続けるのも、そこにあります。

          

◇ 継続は力なり。
  そして、明日は明日の風が吹く。
  だから希望をもって「良かった探し」をしながら、たとえつまづいても、
  お腹以外がへこんでも生きていけるのでしょう。

          

◇ そして学生時代、教養部の経済学の講義で先生が教えてくれた言葉。
  これもずっと私の支えです。
  古典の世界とはやや外れますが…順番も逆かもしれません。

     Cool Head, but Warm Heart!

                   

               

                                     (The End)


  




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古典文学と私 そのニ

2007年09月21日 00時30分12秒 | 白露
                   □ 幽玄の世界を庭の花にたとえたら、
                     たとえばこの桔梗咲き朝顔…。

◇ 今宵は新古今和歌集(New Collection of Ancient and Modern Time:1205)に
  まつわるお話を中心に…夜も更けてまいりました。

     

          

               
                         □ ヘブンリー・ブルー


◇ もう一つ、大人になってから、高校生の頃のいやいや暗記勉強が、
  あとあと、何かしら糧になっていくんだなあと思えることがあります。
  大したことじゃないのですが、知らず知らずのうちに、
  古典文法が体に染み込んで、古典の素養とまではいかなくても、
  「そよ」くらいは身に付いているんです。

          
        □ これは、ゼフィランサスの花でしょうか?葉っぱは別の植物です。

◇ つまり、三つ子の魂百までも "The child is the father of the man."
  訳がわからなくとも、呪文のように唱え続けたもの。
  テストのためには、教科書丸暗記しか手立てがなかったもの。
  それがいつの間にか、私を古典の世界にまで呼び込んでいました。

         

         
                    □ ギャラリーダリア

◇ 唱歌とか学校行事に必ず歌った、文語調の歌詞。
  卒業式でもうあまり歌われなくなった、「いまこそ わかれめ いざさらば♪」
  「わかれめ」は「分かれ目」だと、つまり学友達それぞれの分岐点だと…。
  少なくとも中学生までは、ぼんやりとそう思ってました。
  ホンマは「さあ今、お別れだ」くらいの意味なんですね。

     
               □ 桔梗咲き朝顔

◇ 古文では、「こそ」で強調されたら、動詞は已然形に変化する。
  決意の助動詞「む」が「め」と活用する、それは新鮮な驚きでした。
  文語と口語の違い、ようこんなに書き言葉としゃべり言葉を
  違えられるものかなあとか。
  また、古語と現代語の違い、言葉や言い回しというのは、
  時代とともに変わって行くものなんだとか…。

          
          □ こんなに愛らしい、ちっちゃい「さやか」が咲きました☆

◇ 私は百人一首を始めとする和歌の世界、とりわけ新古今和歌集の幽玄の世界。
  これには興味をそそられて、特に大学生の頃でしたか、
  ずいぶん読みふけった覚えがあります。
  本歌取りに体言止めに七五調…。
  万葉集のあっけらかんと、あるいはズバッとしたストレートな素朴さと比べたら、
  いかにも技巧に走り過ぎの感もあります。
  でも私みたいな「第一印象派」「抒情余韻派」には、とても魅力的な歌集なのです。

          

          
                    □ サマー・ミント



   み吉野の山の秋風さ夜ふけて 古里寒く衣打つなり      藤原雅経

     吉野おろしの秋風が、身にしみるほど吹きわたっているうちに夜が更けて
     この古い離宮の跡である吉野には、砧(きぬた)で布をうつ音も
     寒々と聞こえてくることだ。
                               (本歌取り、小倉百人一首の一つ)   



   [本歌]

   み吉野の山の白雪つもるらし 古里寒くなりまさるなり    坂上是則
                                    (古今和歌集)

     吉野の山に降る白雪はどんどん積もっているに違いない。
     この奈良の古い都もだんだん寒さが加わってくることだ。




   年たけてまた越ゆべしと思ひきや 命なりけり佐夜の中山     西行

     こんなに年をとってから、またこの山を越えようとかつて思っただろうか、
     いや思いもかけなかった。
     思わぬ寿命であるなあ、また小夜の中山を越えようとは。
                                    (体言止め)



[新古今和歌集でも大好きな和歌三首+α]

   秋風にたなびく雲のたえまより もれいづる月の影のさやけさ  藤原顕輔

     秋風に吹かれてたなびいている雲の切れ目から、もれて現れ出る月の光の
     あざやかで明るいことよ。

           ※ 9月25日(火)は、中秋の名月ですね。


   さびしさはその色としもなかりけり まき立つ山の秋の夕暮れ    寂蓮

     一様に常緑の槇だから、特にどの色のためにさびしいということもないが、
     この山の秋の夕暮れの景色は、山全体がまことに何とも言いがたいほど
     さびしいものである。
                           (三夕の和歌の一つ、以下あとの二つ)

   心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ      西行

   見わたせば花ももみじもなかりけり 浦のとま屋の秋の夕暮れ  藤原定家

      ※ これら三首は三夕(さんせき)の和歌と呼ばれています。
        いずれも、三句切れ、体言止めで、幽玄の趣を詠んだものです。




   春の夜の夢の浮き橋とだえして 嶺にわかるる横雲の空    藤原定家

     短い春の夜のはかない、美しい夢がふととぎれて、さめやらぬ目をやると、
     あけぼのの空に横にたなびいている雲が今しも東の山の峰を離れようと
     している。  
                           
                             ※ すべて、旺文社古語辞典より

          
                     □ 桔梗咲き朝顔       

◇ また、徒然草、枕草子、土佐日記、更級日記、源氏物語、平家物語などは、
  (教科書に出るくらいの有名な)名文に限られますが、
  今でもそらんじて言える部分があります。
  特に冒頭部分は、春の小川よりもさらさら流れます。
  (もうあまり自信はないです)
  だからといって、それが表向き何かの役に立っているというわけでは
  ないのですが…。
  ドラえもんとのび太くんじゃないですけど、「心の友」と言う言葉が
  ぴったしです。

          
            □ 毎朝開く朝顔の花。ときどき開く新古今集…。

◇ そしてこの年になって、やっとその意味するところが理解できつつある
  (らしい)ことです。
  文学に触れるということは、古典でも現代文学でもその世界に
  自分を置いてみること。
  そこで自分の生き様を比較し、率直に省みることにあると思います。
  自分の心の中に、生活の中に、文学の世界もしくは、作者の魂を
  受け入れることで、より多様性や奥行きや深みのある柔軟性に富んだ
  人間になろうと励むことなんでしょう。

          
                                   (To Be Continued)


 
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