昨日は教育テレビのETV特集で、51の国と地域、53600人を対象にした大規模な 『国際アンケート』 、なるものが発表されていた。アンケートの結果は、国際戦略コラムのHPに掲載されている。これによると、「日本は日米同盟を今後も保持していくべきか」という設問に対し、世界各国は(韓国も含めて)「賛成」とする国が多く、特にアメリカ自身は64%が賛成であった。
唯一「反対」が圧倒的に多かったのは中国だ。アジアにおいて覇権を握るためには、日米同盟の存在が邪魔でしょうがないのだろう。しかし逆に言えば、アメリカさえいなくなれば、日本などとるにたらない存在、と考えているかのようだ。実際、アメリカ軍のプレゼンスがなくなれば、東アジアは中国のテリトリーになる可能性が高い。そうなれば、中国近海の資源争奪戦、領有権争いは現在以上に熾烈になる。それに対し、日本は憲法の制約上、攻撃用の武力はほとんどない。こういう嫌な現実があるというだけでも、日米同盟の存在意義は十分にあると思う。
しかし私が最も気になったのは、日本では賛成25%、反対29%、分からない46%、という結果が出たことである。なんと、日米同盟の保持について反対の方が多く、賛成の割合は世界平均よりも遥かに下なのだ。日本政府は日米同盟堅持を大原則とし、新聞やテレビなど主要メディアもそれに対して一切否定せず、むしろ日米蜜月の推進派である場合が多い。それなのに、このアンケートの結果はどういうことなんだろうか?
やはり「同盟」などと言いながらも実質的には「アメリカのパシリ」をやらされているに過ぎないことを、日本人もうすうす感づいたからだろうか。日本にとって目に見えるメリットなど無いにもかかわらず、日本の経済構造や社会構造に対するあからさまな内政干渉を繰り返すアメリカと、それに抵抗できず従う日本政府に、いいかげん嫌気がさしたのかもしれない。いや、それよりももっと素朴に、「このままズルズルとアメリカ主導の戦争に巻き込まれそうだ」という危機感なのだろうか。よく分からない。番組では、コメンテーターもこの結果について見事にスルーしていた。(^^)
アンケートの結果をよく見ると、日本人の回答は「よく分からない」が最も多い。東アジアは不安定な地域だからアメリカ軍は必要なのかもしれないが、本当にこのままアメリカべったりで良いんだろうか、と日本人も大いに迷っている姿がうかがわれる。確かに、私も現在の日本のあり方にはすっきりしないものを感じる。
でもそのうちアメリカの世界戦略が厳しくなったらアメリカに押されて結局徴兵制が布かれたりするかもしれませんね。
いくらアメリカの圧力があったとしても、徴兵制だけはさすがの日本政府も素直に従わないでしょう。