図書館で借りた「少年マガジンの黄金時代 ~特集・記事と大伴昌司の世界~」という本を読んでみた。主に昭和40年代の少年マガジンの紙面を紹介したもので、当時は漫画以外にもいろんな特集があったことが分かる。いかにもその時の時代性を反映したような内容ばかりで、かなり楽しめた。
中でも特に私にとって強烈だったのが、「星一徹のモーレツ人生相談」だ。言わずとしれた「巨人の星」の重要キャラクターである星一徹が、マガジン読者からのお悩み相談に答える、というものだ。昭和44年から45年にかけて連載された企画で、文責は原作者の梶原一騎先生であった。して、その問答内容というのが、タイトル通り「モーレツ」としか言いようがないのである。以下が、その一例だ。
(質問)
おじいちゃんは、テストで百点とったら千円くれると言いました。このまえ、ほしい模型があったので、友だちの百点のテストを自分の名まえにして、千円もらいました。友だちは、五百円くれなければばらすといいます。お金はもうありません。どうしたらいいでしょうか。(三重県・小六)
(一徹の答え)
けしからんおじいちゃんじゃ。日本人が真に日本人らしかった明治の世に生まれた人とも思えん。なんたるありさまよ。そもそも、人間の努力の結果を、しかもまだ小学生をつかまえて、おてがるに金銭で評価するとは何ごとぞ。そんなことだから、きみのごときろくでなしのまごができる。
きみは、もっとけしからん。わしだったら、足こしたたぬまでぶちのめしてやる。
新聞配達でも何でもして、千円を自力でかせぎ、おじいちゃんに返し、いさぎよくすべてを告白し、おわびすべし。さすれば、おじいちゃんのほうも反省なさろう。
そのあとで、その最低の友だちを、五百円のかわりに五発ぶんなぐって、絶交せい。
どうだろうか。今の時代なら、相談者の親から抗議が来ることは必至だ。(^^) 相談したこの小学生もしょうもないガキだが、だからといって「ろくでなし」とか「ぶちのめしてやる」とか言い放題である。星一徹の発想、言葉の使い方、考え方など、いかにも昔の人間という感じで清々しいほどだ。こういうことを子どもに言える大人というのは、今はもういないのではないか。そういえば、相談者の小学6年生も、今では50歳ぐらいになっているはずだ。時代も大きく変わり、一徹のような男は姿を消してしまったのだろうか。
実はこの相談には息子の飛雄馬も答えており、「百点で千円なんて、うまい話。今後は、自力でどんどん百点をとり、おじいちゃんにうれしい悲鳴をあげさせたまえ。」などと言っていた。一徹の回答に比べれば、かなり少年に対して理解のあるものとなっているが、これはこれで問題があるような気がする。(^^)
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です。これからもよろしくお願いいたします。
山田太郎さん> いや、私の場合は100点をとった時に、母親からショートケーキを買ってもらってました。
上田さん> 言い方は強烈なのですが、よく読んでみるとそれほど間違ったことは言ってないんですよね、一徹は。
下田さん> いちいち言うのも飽き飽きしてきたのですが、誰が部長級になりたいなんて言いました? マジレスするのもなんですが、一徹のように昔感覚の人間は、それだけで管理職失格と見なされますね、今の岐阜県では。
回答者が一徹になりきってるところがウケました(笑