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日本の根本的な問題 その2 低い経済成長

2010年11月20日 23時10分46秒 | 時事

 バブルが崩壊し、日本経済の成長が止まってから、20年が経つ。この間、失われた10年だとか20年だとか言われているが、この「失われた○○年」というフレーズは今後、意味がなくなると思う。この先いつまで待っても、「失われた」状態がなくなるとは思えないからだ。つまり、これから高度成長などはありえないだろう。経済が成長しなければ、雇用は悪化し、労働環境も悪化する。企業の元気がなくなれば、税収はまったく伸びず、財政赤字も解決の目途さえ立たない。日本が持つ富は、少しずつ減っていくことになる。社会全体が持つ資産が減っていけば、それにつれて様々な国内問題が発生していくことは明らかだ。
 ではなぜ、低成長しかしなくなったのか。これも、日本が豊かさの臨界点に来たことに根本的な原因があると思う。日本だけでなく、それなりの豊かさを手に入れた先進国は、どこも経済成長率が低い(一時期のアメリカを除く)。というのも、人間の欲望には限界があるからだ。ある点まで豊かになって物資が行き届けば、経済成長の原資ともいえる「人間の欲望」は、肥大化にストップがかかると思う。竹中平蔵あたりが考えるように、次々とほしい商品が現れ、人々はそれを得るために無限にがんばり続ける、というわけにはいかないのである。電化製品などは性能も耐久性も十分に良くなって、国民すべてが手に入れたい物など、社会の進化に伴って少なくなっていくだろう。日本は20年前に豊かさを実現し、「欲望の限界点」にまで到達してしまった、ということではないだろうか。
 それから、経済のグローバル化、という要素も大きい。企業など経済主体の活動が地球規模になれば、当然、日本も外国からの影響を強く受ける。「水は低きに流れる」という言葉があるように、付加価値のそれほど高くない仕事などは、自然に発展途上国へと流れていくことになる。特に日本は、中国が市場開放し、グローバル経済に参入したことの影響をもろに受けることになった。90年代以降の中国の工業化である。それに伴い、低いところへ水が流れるように、仕事が日本から中国へと移っていった。いつの間にか、世界中の工業製品の大部分を中国製が占めるようになり、それらの生産にかかるコストも著しく下がった。その結果、中国による大生産の影響をもろに受ける日本は、物価も下がり長期のデフレを経験することになった。日本海を隔てて隣同士の両国は、80年代以前の著しい物価の差を、経済のグローバル化によって少しずつ縮めていった、というわけである。これでは日本が大きな経済成長をすることなど、望むべくもない。
 問題は、日本の企業が持つ国際的な競争力である。頼みの技術力でさえ、現在は韓国に、将来的には中国にも追いつかれそうな雰囲気である。先進国である日本が対応していくには、やはり少しでも付加価値が高い商品やサービスを生み出していくしかないと思う。

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3 Comments

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Unknown (ksboon)
2010-11-21 17:44:53
全く先行き不透明ですね



思うに日清日露戦争くらいから延々昇り調子で(上がり下がりはあっても)来た日本も百年たって賞味期限が来た感じがします



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Unknown (yosikuri2000)
2010-11-21 19:02:54
何もない。君のいうとおりだ。日本は国内では需要が見込めないから海外特に人口が多い途上国の中国、インドへ輸出して経済を活性化する他方法がない。経済は成長できず、国債は増発し日本国の破綻が刻一刻と迫っているね。
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Unknown (willow)
2010-11-23 21:05:18
ksboonさん> ヨーロッパも凋落したとはいえ、未だ国民生活は豊かです。日本も相対的に国力が低下しても、国民の安全と生活が確保できるようになればいいのですが。

yosikuri> 中国市場に頼るしかないというのは分かるけど、頼りすぎても中国に首根っこを押さえられることになるからね。中国だけでなく、インドや東南アジアの発展にも期待し、市場を分散したいところだ。
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