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「半分、青い。」で方言が変だった理由

2019年07月06日 06時43分23秒 | テレビ

 昨日は、某自治体の観光担当者から面白い話を聞いた。彼が話したことは多岐にわたるのだが、その中で少しだけ、NHK朝の連ドラ「半分、青い。」について触れたエピソードがあった。
 彼曰く、「半分、青い。」で登場人物たちが話していた言葉は「まったく東濃弁ではない」(私も激しく同意する)のだが、それには理由があったというのだ。
 なぜあのような変な言葉になったかといえば、脚本を書いた北川悦吏子が美濃加茂出身であり、東濃弁のことなど分かっていなかったせいだというのだ(私は美濃加茂言葉としても、全く合っていなかったと思うのだが)。脚本が間違っているなら、方言指導(尾関伸次氏)が直せばいいじゃないか、と思ったが、どうやらそうはいかなかったらしい。「北川先生の書かれたセリフを訂正することなどできない」ということが理由なのだそうだ。
 つまり、北川悦吏子が東濃弁を知らなかった(もしくは東京生活が長すぎて故郷の言葉をすっかり忘れた)こと、そして大御所の北川センセイには誰も逆らえなかったこと、が原因というわけである。
 そこで方言指導の尾関氏はやむなく、セリフは脚本通りにしたまま、できるだけ東濃弁に近づけるために、すべてのセリフを東濃アクセントにして喋ったものを録音し、俳優たちに聞かせていた、というのである。
 「半分、青い」で珍妙で気持ち悪い「岐阜弁もどき」が話されていたのは、すべて北川悦吏子のせいだったのだ。