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08憲章なるものを読んでみた

2010年12月11日 06時56分11秒 | 時事

 昨夜はノルウェーで、中国の民主活動家である劉暁波氏が、ついにノーベル平和賞を受賞した。もちろん本人は中国当局に拘束されて、出席できなかったが。この授賞式には、本人と親族のみならず、19カ国も不参加だったそうだ。かなりの異例である。欠席した国は、ロシア、カザフスタン、コロンビア、チュニジア、サウジアラビア、パキスタン、セルビア、イラク、イラン、ベトナム、アフガニスタン、ベネズエラ、フィリピン、エジプト、スーダン、ウクライナ、キューバ、モロッコ、だ。以上の国は中国とグル、または手下になっている、ということである。よく覚えておいた方がよさそうだ。
 それにしても、劉暁波氏の罪名は「国家政権転覆扇動罪」ということだが、自分の考えをネットで公表しただけで「政権転覆」になるのか。そもそも、政権が変わること自体が犯罪になるのか。本当に理解しがたい。どう考えても、理は中国政府ではなく劉暁波氏にある。
 そこで私は、彼が捕まる原因となった08憲章なるものに興味がわき、ネットで読んでみた。以下のサイトにあるのが、08憲章の日本語訳だ。
http://www.a-daichi.com/freetibet/charter08/
 ざっと読んでみたが、私にとっては特に新鮮な内容ではなかった。書いてあることは、日本の憲法と大差ない。日本人にとっては「当たり前のこと」として享受していた自由、人権、民主制度は、中国にまったく存在しなかった、ということである。逆に考えれば、こうした自由を手にしていることは、本当にありがたいことだ。
 おそらく問題となったのは、第18項の「大いなる智慧を以て各民族共同繁栄の可能な道筋と制度設計を模索し、民主・憲政のシステムの下、中華連邦共和国を建立する。」という箇所だろう。なるほど、「中華人民共和国」を否定した、というわけである。しかし中国の巨大さを考えれば、北京による中央集権よりも、連邦制にした方が合理的だと思うのだが。連邦制で国を維持していく自信がないんだろうな、当局には。
 はたして中国は将来、この憲章に書かれているような民主的な国になるだろうか? 遠い将来はともかく、しばらくは無理だと私は思う。都市住民などはかなり教育レベルも上がってきたようだが、国内に不安定要素が多く、未だに半分以上の国民がDQNと見られるため、いきなり制度だけを民主的にしたところで、混乱を来すだけだろう。今以上に迷惑な国になる可能性が高いため、すぐに民主化、というのはかえって危険だと思う。