金賢姫・元死刑囚と拉致被害者の田口八重子さんの家族が、面会を行った。これが拉致問題の進展へとつながって行ってほしいとは思うが、あまり多くは期待できないだろう。ただ金賢姫によると田口八重子さんは生きているとのことで、その点だけは希望が持てそうだ。
それよりも私が気になったのは、なぜ今になって面会が実現したのか、である。聞いたところによると、去年までの親北的なノ・ムヒョン政権下では北朝鮮を刺激しかねないことは表立ってできなかったが、現在のイ・ミョンバク政権であればそれが可能になったから、とのことだ。いかにノ・ムヒョンが北朝鮮のシンパであったか、を示すエピソードではある。この程度のことで政府が圧力をかけるということ自体も、日本人からすれば信じがたい。
それからもう一つ気になっているのは、金賢姫は死刑が確定したというのに、なぜ特赦になって今まで生きているのか、ということだ。おそらく、韓国政府としても生かしておいた方が利用価値があると考えたのだろう。北朝鮮に関する重要な情報と引き換えに、司法取引したのかもしれない。だとすれば、彼女は釈放されたとはいえ全く自由な生活をしていたわけではなく、韓国政府から常にマークされていた可能性が高い。そうなると、今回の面会も現在の韓国政府(イ・ミョンバク政権)の意向を汲んだものに過ぎないのかもしれない。
金賢姫の人生は、これから先もずっと韓国政府の管理下に置かれるのだろうか。