Willow's Island

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大変貌―1998長谷川慶太郎の世界はこう変わる

2008年01月12日 23時49分30秒 | 

 少し前のことになるが、美濃加茂市の産業市で「大変貌―1998長谷川慶太郎の世界はこう変わる」という本が無料でおいてあった。ちょうど10年前に出された本である。この頃に出版された本がどう未来を予測していたのか、興味があったので読んでみた。するとこれが大変に面白い。予測がことごとく外れているのである。(^^)
 98年当時はアジア通貨危機のまっただ中であり、「危機は5年続く」などと書いてあったが、翌99年にはタイの経済成長率は4%に復活した。中国経済も「破綻が間近にせまっている」「工業国家になれるわけがない」などとこき下ろされていたが、実際には10年以上も二桁成長を遂げ「世界の工場」となった。韓国経済については「ウォンはまだまだ下がる」と予測されているが、ここ数年はかなりのウォン高である。アルゼンチン経済は「中南米で頭一つ抜き出した」と絶賛されているが、2001年にはデフォルトに陥る羽目となった。ロシアは「もう世界情勢を変える存在ではない」などと軽視されているが、石油などの資源外交で依然として強い影響を持っているのが現状だ。アメリカについては「ニューエコノミー」だ「情報革命」だ「世界を制覇」だと景気の良いことばかり書いてあるが、その後のITバブル崩壊については考えも及ばなかったようである。
 このように予測が外れまくっているにもかかわらず、今年も「長谷川慶太郎の世界はこう変わる 2008 世界を日本がリードする 」などという本が売れているようだ。(^^) 結局、予測が当たる当たらないに関係なく、人は読みたいと思うものを読むだけ、ということだろう。
 しかし長谷川慶太郎の予測が外れるということであれば、ちょうど彼が予測することの反対を信じればよい、ということになる。ということは、世界を日本がリードする・・・・・ことはないのか。(笑)