Willow's Island

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ALWAYS 三丁目の夕日

2005年11月14日 23時50分22秒 | 映画

 昨日は劇場で「ALWAYS 三丁目の夕日」を見た。マンガを原作としており、昭和33年の東京を舞台とした物語である。CGを多用しているのか、昭和30年代がリアルに表現されていた(私は実際に見たことがあるわけじゃないが)。青森から集団就職に来た少女、小さな町工場の家族、売れない作家、元踊り子、身よりのない子供、妻子を失った医師、などを中心とした登場人物が、東京の下町で繰り広げるヒューマンドラマが最高に楽しかった。ストーリー自体は正直言って陳腐なのだが、この作品世界から感じられる暖かさが、私を楽しい気分にさせた。ありきたりだけど、やっぱり人情っていいなあ、と思わせる。
 これはやっぱり、日本人のための日本人の物語だといえる。国際的には通じないかもしれないけど、日本人が「いいなあ」と思えればそれでいいのである。今から考えても、東京タワーが建ってばかりの時代というのは、その先は右肩上がりの成長をしていくだけだったし、今のような閉塞感がなかったのだろう。貧しかったけど、人間の幸福感は今よりも高かったんじゃないかなあ、と思えてくる。あくまでも「思えてくる」だが。そういう意味で、これは良くも悪くも郷愁映画である。昔を懐かしがるだけじゃ前に進んで行かないんだけどね。昔は昔で本当は大変だったろうし。
 映画の最後で、「5年先も10年先も50年先も(東京タワーに映える)夕焼けはきれいに決まってるさ」というセリフがあったが、今でも東京タワーと夕日の美しさは、本当に変わってないのだろうか。そして今でも東京タワーは、都民の心の支えになっているだろうか。東京に住んだことのない私は、それが無性に知りたくなった。